« 「醜の歴史」はスゴ本 | トップページ | 「日本沈没」再読 »

スゴ本オフ@松丸本舗(読まずに死ねるかッ編)

 よのなか買い占めがトレンドなので、本を買い占めてきた。

 それも、「読まずにゃ死ねない」ブツをガツガツ買ってきた。しかも、孤独なマタギの単独行ではなく、本好きが集まってグループ・ハンティングだ。互いが互いにオススメしあい、いつもなら敬遠してたものも、オススメ上手な皆さんの言にほだされて「この際だから…」と、じゃんじゃんカゴへ。

 まずは、わたしの収穫。ウンベルト・エーコ「美の歴史」とジョーゼフ・キャンベル「千の顔をもつ英雄」、トニ・モリスン「ビラヴド」は予定通りだが、カサーレス「モレルの発明」、萩尾望都「半神」は完全に知らなかった→ハンターたちの「コレはスゴいぞ!」に押されてバスケットへ。吉田秋生「海街diary」は、前回の本屋オフでも猛プッシュされたよなぁ……と押し倒される。ほら、あれだ何度も誘惑されると、ついフラフラッとなってしまうもの。もちろん「海街」は大期待を裏切らないだろうが、未完に手をつけると次巻までの渇きに絶えられるか……アンドレ・ブルトン「魔術的芸術」はスゲぇ、おそらくニアミスは何度もあったろうが、面と向かって「これはイイです!」と引き合わされて一目惚れ。第一印象では「醜の歴史」を超えるカモ。

01

02

 次は、yukkii22さんの収穫。「コレはイイぞ」「それならコレ読め」と、わたしとMOTOさんの猛プッシュに、ざっくざっくと狩ってゆく。マクリーン「女王陛下のユリシーズ」、シン「フェルマーの最終定理」、ベスター「ゴーレム100」、クリストフ「悪童日記」は、鉄板モノに面白いからという理由で買わせる。ブラッドベリ「華氏451度」は、それが並んでいる棚の含みを持たせてオススメする。曰く、華氏451度とは「紙が燃える───書物が燃える温度」で、その世界のファイアマンとは、「消防士」ではなく、書物を燃やす焚書士を指す。本が禁じられた世界で、本はどのように「生き延びよう」とするのか……?で、松丸のニクいことに、本書は「本の本」、いわゆる本に関する本の棚に差してあるの。

03

04

 面白いことに、「雷撃SSガール」は「まなめ(呼び捨て)がオススメしてたよ」で通じたけれど、小飼弾さんや橋本大也さんは「誰?」的に受け止められてたこと。本好きなら404 Blog Not Foundとか情報考学 Passion For The Futureは常識だろうに、解説を要する人がいたことが不思議だった。まなめはうすは書評薄めなのに、「まなめか…」で通るのが面白かった。これは、前回の「本屋オフ」でも「まなめ」呼捨て扱いなので、愛されてるねッ

 次はアタミルクさん(かな?)の戦果。yukkii22さんの狩った、こうの史代「この世界の片隅に」と合わせ、涙ぐみながら「夕凪の街桜の国」をプッシュした結果。どちらも、このブログでちゃんとレビューできていない。どちらも第二次大戦末期の「原爆」がテーマで、あまりにも胸いっぱいになりすぎてレビューできないのだ。SFでイイのをお探しのようなので、すかさず定番のティプトリーJr「たったひとつの冴えたやりかた」を推す。情にもろいのか感情記憶が豊富なのか、オススメしているうちに思い出し涙ぐみをしてしまう。既読の方もいて、80年代少女マンガ系の表紙のほうがよかったねと言いながらダブル・トリプルで狩りとらせる。

05

 キホンの流れは、①松丸をウロウロする、②わたしを見つけた人が声をかける、③好きなジャンルと獲物を言って、④みんなで狩りなんだが、棚に群がって、コレがいい、ならコレは? いやいやそれならコレ! のオススメ合戦じみてて、いたく興奮した。

 最初は初々しい二人(ゴミバコさんとアタミルクさん)のために「SFの定番」を探す旅に出たのだが、なぜかぢだま某の変態エロマンガ「聖なる行水」から、「読むレイプ」と異名を取るケッチャム「隣の家の少女」、キング「呪われた町」から小野不由美「屍鬼」とホラーづくしのメニューになる。オススメ上手なMOTOさんが「山尾悠子作品集成」を挙げたときは、ついフラフラとなって非常に危険だった(「夢の棲む街」は必ず読みますぞ)。そのあと愛がテーマになって(スゴ本オフ@ラブ編を思い出しながら)、谷崎潤一郎「春琴抄」やフロム「愛するということ」をオススメする。

 そして、思い出したようにSFに戻り、クラーク「地球幼年期の終わり」を見つけるのだが、光文社古典新訳のが見つからず狩らせることに失敗(獲物が隠れていたことが分かるのだが、ハンター離脱後だったりする)。翻ってエンデ「はてしない物語」が未読だと知って狂喜して、ハードカバー版を猛プッシュする。あれは新書版の上下に分割されたのを読んではいけない。あくまでも赤のクロス表紙の箱入ハードカバーでないといけない! と力説してたらMOTOさんに力強く同意される(だよねー)。ASMさんに「ネットワーク理論でイイのあります?」と訊かれて「ベッドルームで群論を」をオススメするのだが、あにはからんや、もとはといえば、ASMさんに推されて手にしたことを思い出す(スゴ本オフ@赤坂編)。忘れてました、失礼しました、ありがとうございます。

 後半から参戦したHANAさんがとてもきれいな人だったので、舞い上がったわたしはすかさず劇薬系をオススメして全力で引かれる。ちなみにプッシュしたのは、野坂昭如「骨餓身峠死人葛」や、ヴィットコップ「ネクロフィリア」、江戸川乱歩+丸尾末広「芋虫」で、ふつう引くわなwww常識的に考えてwそれでも、彼女からオススメされた小川洋子「薬指の標本」を読む動機は、「身体接触なしで会話で支配するエロさ」という殺し文句から(わたしは単純なのです)。あと、グウィン「ゲド戦記」、チャン「あなたの人生の物語」はきっちり読みますぞ。

春宵十話夜間飛行モレルの発明
美の歴史魔術的芸術ビラヴド
千の顔を持つ英雄1千の顔を持つ英雄2半神
悪魔の涎海街1海街2
蟻るきさんゴーレム100
華氏451度フェルマーの最終定理愛するということ
高慢と偏見とゾンビ雷撃SSガール悪童日記
この世界の片隅に夕凪の街桜の国たったひとつの冴えたやりかた
最後から二番目の真実荊の城ソラリスの陽のもとに
幼年期の終わりはてしない物語薬指の標本
ゲド戦記あなたの人生の物語山尾悠子作品集成
 今回の名言「松丸本舗はAmazonより危険」。どの棚にも仕掛けがあって、自分の知ってる・好きな本から眼を動かすと、その並びにきっと、コレは!というのがある。Amazonなら、機械的に重み付けした「この本を買った人は…」だけど、松丸の「並べかた」は、松岡正剛+スタッフが知恵を絞ったもの。「なぜこの本が並んでいるのだろう?」と、謎かけを解いてるで時が経つぞ。

 さらに、今回は「ひとり U-Stream 」してみた。棚めぐりをしているハンターたちの会話や掛け合い、「それイイならコレは?」といった誘惑・挑発も流してみた。数名ご覧いただいたようだが、twitter 経由でリプライが拾えず、ちと残念。フィードバックがもらえるような仕組みが必要だなぁ…というより、U-Stream専担ないし時間帯が必要だね。松丸は棚命だから、この棚を見ながらネット越しにワイワイやるのが目標だ。次の課題としよう。

 ゴミバコさん、アタミルクさん、ユーキ(yukkii22)さん、MOTOさん、ASMさん、HANAさん、ありがとうございました(追記:間際にようぎらすさんが駆けつけてくれたことを書きもらしてた、ごめんなさい。そして、ありがとうございます、次はたっぷり巡りましょう)。一足早いレポートは、ユーキさんの「図書館の海辺」の「スゴ本オフ@松丸本舗(読まずに死ねるかッ)」に参加してみたが素晴らしい。というか、わたしが帰った後に二次会やってたのか~ええなぁ~。次は嫁さんを説得して、飲み会込みで企画しますので、ぜひ狩った獲物をダシにして宴会しましょう。それから、松丸本舗さま、ありがとうございます。たっぷり5時間、素晴らしい狩りをさせていただきました。

 本はみんなで狩ると幾重にも面白い!またやりますぞ、スゴ本屋オフ。

 2010/04/07 【Book Talk Cafe】スゴ本オフ@SF編
 2010/05/14 【Book Talk Cafe】スゴ本オフ@LOVE編
 2010/07/16 【Book Talk Cafe】スゴ本オフ@夏編
 2010/08/07 スゴ本オフ@松丸本舗(7時間耐久)
 2010/08/27 【Book Talk Cafe】スゴ本オフ@BEAMS/POP編
 2010/10/20 スゴ本オフ@赤坂
 2010/10/23 スゴ本オフ@松丸本舗(セイゴォ師に直球)
 2010/12/03 【Book Talk Cafe】スゴ本オフ@ミステリ
 2011/03/04 スゴ本オフ@最近のオススメ報告

|

« 「醜の歴史」はスゴ本 | トップページ | 「日本沈没」再読 »

コメント

こんにちは。

今回のオフは気づいたときには終わってましたww。
残念。

ぜひ次回は参加したいと思います。

こうの史代さんの”夕凪の街桜の国”はきますよねぇ。
じわじわガツンと来る感じ。
ずるいっ!!
などと、わけのわからないことを言ってしまいます。

なんか、今回もぜんぜん違うんですが、ずるいってことでふと思い出したのは
秋里和国さんの「TOMOI」です。
これは、内容的にはゲイの人が人間関係で傷つき生きていくその先にはっ…。

て感じの内容でちょっと読める人と読めない人が出るかと思います。
けど終わり方がこれまたずるいー!!
って、言ってしまうような。
なんぞそれーっ!!
って、言ってしまうような話でした。
おすすめです。

浮雲屋

投稿: 浮雲屋 | 2011.03.29 12:32

本を読み始めて日が浅いですが、参考にさせてもらっています。
本屋オフは興味はあったのですが、玄人が集まる場に私のような初心者が...と躊躇してしまいました。
次回はぜひ参加してみたいと思います。


投稿: gen | 2011.03.29 21:37

>>浮雲屋さん

はい、ゆっくり長く続けてまいりますので、ご都合のよいときに入ってくださいませ。本よりも本屋よりも、「本を読む人」こそが魅力となるような場になったらなぁ、と妄想たくましくしています。
秋里和国「TOMOI」は、かなり気になります、ありがとうございます。ちょっとチェックしてまいりますね。

投稿: Dain | 2011.03.29 21:38

>>genさん

はははー
くろうとはおりませんぞ。それぞれの「好き」があればOKです。そして「知らない」「読んでない」はむしろメリットです。なぜなら、「それ、どんな本ですか?」と質問できるから。さらに、この質問は、あなたが知らないスゴ本をオススメしてもらえる最高のチャンスですから。
スゴ本オフは、オススメする狩りというよりも、【オススメされる狩り】なのです。

投稿: Dain | 2011.03.29 21:42

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/18285/51234374

この記事へのトラックバック一覧です: スゴ本オフ@松丸本舗(読まずに死ねるかッ編):

« 「醜の歴史」はスゴ本 | トップページ | 「日本沈没」再読 »