« 陽気で不吉な寓話「ブリキの太鼓」 | トップページ | ロジェ・シャルチエ講演「本と読書、その歴史と未来」に反応する »

さよなら、日経。はじめまして、東京新聞。ひさしぶり、フォーサイト

 「さよなら、日経」で話したとおり、東京新聞にしたのだが、なかなか良い。

 まず家族に大ウケだった。ローカル面に嫁さんが喜び、スポーツ欄は上の子が独占。さらに四コマまんがは、ひらがなを覚えたばかりの下の子が食いつく。おかげで毎朝、「ちびまるこちゃん」を読み聞かせるハメになった。四コマ!わたしが小さいころ、新聞を開く動機となったのは、四コマだったような気が。次いで社会面。水の事故について紙面を指しながら、「どうして泳げるはずのオトナが溺れるのか」について話し合う。家族みんなで同じ紙面を見る、というのは新しい経験になっている。

 つまり、新聞に求める情報がパーソナルなものからファミリーに移ったのだ。ただ一人で情報を吸うのなら、吸い口は一つ。ストローでジュースを飲むようなもの。けれども、茶器やジョッキで「まわし飲み」をするのなら、でかいウツワが必要になる。専門誌より地方紙の方が、飲み口は大きい。わたしの場合、ストローにフィルタをつけてRSS+クォリティ誌を吸えばいい。これはというのがあれば、嫁さん子どもに解説する(必要なら、ネットから"引く")。

 さらに、世論誘導が分かりやすい。対決型やレッテル貼りが稚拙で露骨なので、書き手のスタンスが「見える」。見出しだけで、「伝えたいこと=思わせたいこと」が分かる。見出しに対して「だから何なの?」「なぜそう言える?」と質問しながら読むといいよー、と子どもに教えている。文字がデカくて少ないせいか、論理の飛躍や論証モレが簡単に見つかるので、ちょうどいいトレーニングになる。

 日経(3500円)→東京新聞(2500円)のコスト減もありがたい。家計にもありがたいだけでなく、家族全員が読むようになって、コストパフォーマンスが飛躍的に増えたのだ。思い返せば、紙の日経を読むのはほとんどわたしで、子どもは、オススメされたものを受動的に読んでいた。それが、家族で読むようになって、共通のインタフェースとしての新聞という役割が出てきた。「いま」「目の前」でリアルに共有するのなら、新聞がいちばんだ。なんせ情報を「さわる」ことができるのだから。同じモノを一緒に眺めることで、批判したり感心したり、一緒に検証できるのだから。

 で、浮いたお金で「フォーサイト」。高く評価していたんだけれど、諸事情により休刊の運びに……近辺の雑誌の凋落は分かっているものの、フォーサイトは痛かった。おかげで情報チャネルの見直しをさせられるハメに……[経緯]。それがウェブで復活しているので、早速申し込む[ウェブ版フォーサイト]。ネット情報に銭払うのは、じつは初めてなのだ。ビミョーな価格設定(800円/月)なので試してみよう……しかし不思議だね、i-mode のサービスには躊躇ないのに、自分でクレジットカード番号を入れるとなると途端に慎重になる。この感覚はネットから銭取るときに役立つかも。惹かれた記事のラインナップは以下の通り…

 申込んで読んで分かったこと……BLOGOSと似た読者を集めているような気が(政治的には中道左派なのかね)。あと、決済が月毎である潔さには恐れ入った。ダメなら来月からお代は結構です、というノリなのか。いちおう一年間は猶予を見るつもりだけれど、いいカンジに育って欲しいナリ。finalvent氏よろしく政治経済を語りだしたら、ああ、ネタ元はフォーサイトなのだなと忖度して欲しい。

|

« 陽気で不吉な寓話「ブリキの太鼓」 | トップページ | ロジェ・シャルチエ講演「本と読書、その歴史と未来」に反応する »

コメント

我が家はもう10年以上東京新聞です。非常に満足しています。
日曜の一番後ろの一面記事,日曜日の別冊(?)の見開き2ページの特集も面白いです。

投稿: maida01 | 2010.09.08 09:20

うちも日経一紙だけとってるんで、さよならしたくなる気持ちがわかります。
日経は政治と経済の記事に関してかなり質が低いと感じることが多いです。

日経とは別に有料・優良のクオリティぺーパーが欲しいっていうのは私も感じていたんで(値段を考えると本当は日経で賄うべき問題ですが・・)こちらのブログの最近のエントリーは参考になりました。

投稿: toli | 2010.09.08 22:53

>>maida01さん

日曜別冊は、日経とまた違ったオモムキがありますね。日経は「モノ」や「サービス」中心なので、新鮮な感じがします。


>>toliさん

ありがとうございます。日経の政経記事の質が「低い」ことに気づくのであれば、その比較対象を読んでいるはずだと思います。それを据えればよいかと。

投稿: Dain | 2010.09.09 00:33

はじめまして。
日経は、スポーツ欄の豊田泰光氏のコラム、日曜版の読書欄と「美の美」欄、朝刊と夕刊の最終ページ文化面に価値があるので購読を続けています。特に文化面で初めて知った音楽、展覧会、様々な人の活動・研究(例えば、なにわホネホネ団のこととか、京都に空襲があったことととか、チベット仏教の儀式についての研究・実演とか、今朝のブルースの話とか)は多かったです。
東京新聞の文化欄、読書欄はいかがですか。

投稿: YTR3320 | 2010.09.09 07:51

>>YTR3320さん

コメントありがとうございます。もちろん日経をやめて「もったいない」と思うものも沢山あります。最終面のアートの紹介や大機小機は楽しみでしたし、なによりも日曜読書欄が読めなくなったのは辛いです。ゴヤとかオルセーとか美術展に行こう、なんて気にさせられたのも日経の限りなく広告に近い紹介記事でした。東京新聞の文化欄や読書欄とは、比較にならないですね。


投稿: Dain | 2010.09.10 06:42

いいですねー。
新聞の違いというのは新聞を取っていないので
分かりませんが、「家族みんなで同じ紙面を見る
というのは素敵だと思います。

そして「ちびまるこちゃん」を読み聞かせるなん
心がほんわかしました。

私もおばあちゃんに少女漫画を読んでもらった
ことがありますよ(笑)

投稿: sis | 2010.09.10 16:01

>>sisさん

実際は、スポーツ欄と四コマの奪い合いなので、ほのぼのとは程遠いかもしれません。
毎日同じチャネルから情報を摂取するという習慣は、身につけさせたいなぁ、と思います。世相の風向というか、時代の潮目は、新聞が書いている(or 執拗に避けている)ところに現れていますもの。
マンガの読み聞かせは、ときどきしています。電話帳くらい分厚いコロコロコミックの読み聞かせは、流石に声が枯れましたがwww

投稿: Dain | 2010.09.10 22:29

東京新聞の4コマは夕刊の「ウチのげんき予報」が秀逸です

投稿: もんたん | 2010.09.18 00:31

>>もんたんさん

おっ夕刊はとってないのですが、面白そうですね。

投稿: Dain | 2010.09.18 08:52

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/18285/49382849

この記事へのトラックバック一覧です: さよなら、日経。はじめまして、東京新聞。ひさしぶり、フォーサイト:

» Twitter Trackbacks []
[続きを読む]

受信: 2010.09.08 07:15

« 陽気で不吉な寓話「ブリキの太鼓」 | トップページ | ロジェ・シャルチエ講演「本と読書、その歴史と未来」に反応する »