« ヒューマンエラーは裁けるか | トップページ | タバコとコドモ »

【PMP試験対策】 プロジェクトマネジメント・フレームワーク(その5)

 【PMP試験対策】は、PMBOK4版をベースに、PMP試験の傾向と対策をまとめるシリーズ。

─────────────────────────────────

 プロジェクトマネジメント・フレームワークの続き。プロダクトライフサイクル、プロジェクトライフサイクル、プロジェクトフェーズ、プロセスについて。

 プロダクト・ライフサイクルについて。製品のライサイクルだと考えればいい。新製品の開発から市場への導入、成長、成熟、衰退、そして撤退する一連のライフサイクルを、プロダクトライフサイクルと呼ぶ。プロジェクトの概念は、その中に内包される。つまり、新製品の開発という「プロジェクト」があり、市場への投入~拡大のための「プロジェクト」が存在する。

 プロジェクト・ライフサイクルについて。プロジェクトフェーズの集合を指しているが、業界・分野によって呼び名が異なる場合がある。例えば、次のプロジェクトフェーズを束ねたものが、プロジェクト・ライフサイクルと考える。建設業の場合、フィージビリティ、計画、設計、建築、引渡しとなるが、IT業界だと、設計、コーディング、テスト、インストール、引渡しとなる。

 プロジェクト・フェーズについて。成果物に着目してプロジェクトを区切った単位を、プロジェクトフェーズと呼ぶ。ひとつのフェーズの中に、次のプロジェクトマネジメントプロセスが含まれている。即ち、「立ち上げプロセス」「計画プロセス」「実行プロセス」「監視・コントロールプロセス」「終結プロセス」のこと。単独フェーズのプロジェクトもあるし、複数のフェーズによって分けられているプロジェクトもある。あるフェーズの終結が、次のフェーズのインプットとなる。注意したいのは、フェーズが分割されているからといって、線形に(リニアに)並んでいるとは限らないこと。p.21の図2-5の場合、設計フェーズと建造フェーズが重複している。設計が完全に終わっていない段階でコーディングや試験に着手することを考えると、容易に想像できるだろう。先行フェーズの完了前に後続フェーズを開始させることでスケジュールを短縮させる技法を、ファストトラッキングと呼んでいる。

 プロジェクトマネジメントプロセスについて。全体は以下の通り。

     ┌─→立ち上げプロセス
     │   ↓
     ├─→計画プロセス
     │   ↓
     ├←→実行プロセス
     │ 
     ├─→終結プロセス
     │
    監視・コントロールプロセス

 いわゆるPDCA(Plan Do Check Action)に立ち上げと終結が入っていると考えればよい。プロジェクトを立ち上げて、計画をする。計画されたものが実行され、ベースライン通りに行われているか、監視・コントロールする(Check & Action)。変更が必要な場合は実行プロセスへフィードバックされる。変更の影響範囲が大きかったり、プロジェクトそのものへの変更が必要な場合は、計画プロセスへフィードバックされる。ベースラインから大きく逸脱し、プロジェクトそのものの見直しが必要な場合は、立ち上げプロセスに戻る。全ての作業が実行されたり、プロジェクトを中止する場合は、監視・コントロールから終結プロセスへ移る。

 ここでわたしがやった間違いは、プロジェクトライフサイクルと、プロジェクトマネジメントプロセスを混同すること。「計画プロセス=設計プロセス」とか、「実行プロセス=コーディングと試験」なんて勝手に置き換えてしまったのだ。さらに、プロジェクトフェーズと混交させるとワケ分からなくなる。それぞれの関係を、一つの例として表すとこうなる。

新製品開発プロジェクト・ライフサイクル
 ┌――――――――――――――――――――
 │
 │調査フェーズ
 │  ┌―――――――――――――
 │  │   ┌─→立ち上げ
 │  │   │   ↓
 │  │   ├─→計画
 │  │   │   ↓
 │  │   ├←→実行
 │  │   │ 
 │  │   ├─→終結
 │  │   │
 │  │  監視・コントロール
 │  └―――――――――――――
 │    ↓
 │設計フェーズ
 │  ┌―――――――――――――
 │  │   ┌─→立ち上げ
 │  │   ├─  …略…
 │  │  監視・コントロール
 │  └―――――――――――――
 │    ↓
 │ 製造フェーズ
 │  ┌―――――――――――――
 │  │   ┌─→立ち上げ
 │  │   ├─  …略…
 │  │  監視・コントロール
 │  └―――――――――――――
 │    ↓
 │ 試験フェーズ
 │  ┌―――――――――――――
 │  │   ┌─→立ち上げ
 │  │   ├─  …略…
 │  │  監視・コントロール
 │  └―――――――――――――
 │    ↓
 │ 移行フェーズ
 │  ┌―――――――――――――
 │  │   ┌─→立ち上げ
 │  │   ├─  …略…
 │  │  監視・コントロール
 │  └―――――――――――――
 │
 └――――――――――――――――――――

 ただし、これは一例であることに注意。上はプロセス、フェーズ、ライフサイクルの大小関係を分かりやすく示したものであり、必ずこのようになるとは限らない。フェーズは線形ではなく重複する場合があるし(p.21)、そもそも「1プロジェクト・ライフサイクル=1プロジェクト・フェーズ」のプロジェクトだってある(p.19)。PMBOKを「巨大システム・建造物の構築」すなわち「ウォーターフォール」だと早とちりしてたのは、ほかならぬわたし。なお、プロダクトライフサイクルとの大小関係はこうなる(プロジェクトとプロダクトの「ライフサイクル」は省略)。

       プロセス⊂フェーズ⊆プロジェクト⊂プロダクト

─────────────────────────────────

PMBOK4日本語 【PMP試験対策】シリーズについて。

 ベースは、PMBOKガイド4版と、"PMP Exam Prep"、通称Rita本の2本立て。PMBOKガイドを傍らに一連のエントリを「読むだけで合格する」ようなシリーズにするつもりだ。過去の記事は、以下のリンク先が入り口となっている。PMBOKガイドの古い版が元となっているが、「PMIイズム」「PM的思考」は学べる。ぜひ参照してほしい。

   【PMP試験対策】 PMBOK2000版
   【PMP試験対策】 PMBOK3版

|

« ヒューマンエラーは裁けるか | トップページ | タバコとコドモ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 【PMP試験対策】 プロジェクトマネジメント・フレームワーク(その5):

« ヒューマンエラーは裁けるか | トップページ | タバコとコドモ »