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科学とSFの界面活性剤となる三冊

サイエンスインポッシブル 科学とSFの界面活性剤となる三冊を選んだ。

 楽観的に語られる未来予想図は生々しく、ときに禍々しいが、善悪を決めるのは科学じゃなくて人なんだといまさらながら気づかされる。

 まずは、「サイエンス・インポッシブル」。光学迷彩から恒星間飛行、念力やテレポーテーションといったSFネタを、最先端科学でもって検証してみせる。面白いのは、「何が不可能か?」に着眼しているところ。つまり、オーバーテクノロジーを技術上の課題に分解し、どうしたら可能になるかを検討するのだ。大質量の恒星を用いるガンマ線バースター砲の射程は数百光年といった極大から、自己複製する無人のインテリジェント・ナノシップを何百万と送るほうがコスト安といった極小まで、SFを超えたスケールに驚愕すべし。

操作される脳 次は、「操作される脳」。

 インターネットやステルス技術で有名な、米国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)の「人体」への研究成果が紹介されている。脳を改変し、恐怖や眠気を感じさせない改造人間や、自己治癒能力を高め、傷を急激に治すといった研究を見ていると、メタルギア・ソリッドは、もはや「近未来」でなくなっていることが分かる。

 最後は「宇宙旅行はエレベーターで」。

宇宙旅行はエレベーターで アーサー・C・クラークが描いた軌道エレベーターは、SFでなくビジネスの話まで具体化されている。ケーブルの素材やエレベーターの動力といった技術的課題から、敷設場所や建造工法、さらには安全性、運用方法、宇宙ビジネスの収支まで、グローバルレベルの風呂敷が広げられている。いや、話は月や火星エレベーターまで広がっているから、太陽系レベルの超大風呂敷だ。わたしたちが生きているうちに、「そうだ、宇宙、いこう」という時代になるのだろうか。

 魔法と区別がつかないくらい発達したテクノロジーを見ているうちに、不可能とは、可能性の一つにすぎないことがわかる。

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コメント

(社)宇宙エレベーター協会、会員No.47 tom-kuriと申します。ブラッドリー博士、気さくなオジサンですよ。8月には米国以外での開催は初めてとなる、宇宙エレベーター技術競技会も開催されます。スローガンは " Climb me to the moon "ですから~

投稿: tom-kuri | 2009.06.17 11:51

>>tom-kuriさん

おお、情報ありがとうございます。
米国だと100m程度なのが、今回は桁違いですね。ぜひ、行ってみたいです。

投稿: Dain | 2009.06.19 06:35

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