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SUGEEEEEEEEEEE!!!「ゴーレム100」は超スゴ本

ゴーレム100 超スゴ本。読みながらのたうちまわった。よじれたのは脳と腹。もだえたのは尻と口。

 この、みょうちきりんな体験は、ええと、ジョイスやバロウズ、ギブスンや尾崎翠やツツイヤスタカと比較したくなるけれど、そういう 無★粋★な★こ★と はしない。お高くとまりやがって批評する奴ぁ漬物石くくりつけて日本海に沈めちまえ。

 読者は考えること禁止な。ひたすら没入・挿入・チン入を強要させられる。身もココロもヘトヘトにさせられる。本とファックする感覚。うん、本書の紹介に「実験小説」とあるが、実験台にされているのは読者だな(断言)。

 ストーリーなんてページをめくらせるための方便。食べられるように読まされる。typoではない。本が襲いかかってきて、食べられる感覚。冷静に読ませてくれない。下品、汚猥、造語、駄洒落、鏡言葉(Ind'dni)、Double Meaning、アメコミ、抽象画像?崩壊した言語感覚のタレ流しなら、クダラナイの4文字で済むが1文字足りない。イが足りない言い足りない。やヴァい、脳がヤられるるるるるるるるるるる。

 完全にぶっこわれた小説。脳がねじくれるような感覚を味わうならオススメ。わたしみたく一緒になって壊れないように。読み手を選ぶ、しかも激しく。赤い表紙だ。本屋で試してみろ。

 もちろん今年No.1スゴ本――といよりも、何と比較していいか分からん。最強かつ最狂かつ最凶の一本、まいった!

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かなり身に覚えのある「地下室の手記」

地下室の手記 [劇薬小説を探せ]は続くよ、どこまでも。「骨餓身峠死人葛」や「問題外科」といった、読んでる途中から気分が悪くなるような小説は片付いた。今では、読了した後になって、読んだことをジワジワと後悔するような小説を選んでいる。今回はドストエフスキーの「地下室の手記」。[人生を狂わせる毒書案内]でも強力にプッシュされているし、新訳も出たことだし。

 で、読んでみると…これが笑えるんだ、あざけり笑いの方。40喪男のあまりにも自意識過剰っぷりがおかしくてタマラン。こいつ、バカじゃねぇの、考えすぎー、しかも笑い取りたいのか自らドツボにはまってる。

 例えば、見知らぬ男を激しく恨む。なぜか? 居酒屋でそいつが強引に押しのけたから。「俺をモノのように扱いやがって!」と屈辱感に苛まれ、あいつと決闘してやる!ストーキングして名前や行きつけの場所を突き止める。で、「あいつとすれ違うとき、どいてやらないんだ!」と息巻いてチキンレースを仕掛けるのだが…

 この間2年。人を恨みに思うことはあれど、2年間も燃やしつづけるのは一種の才能だと思う。チキンレースの顛末は黒い笑いに包まれる。しかもこの出来事は14年前のことだってさ。

 満たされない思いはぶくぶくと肥大化する、歪む、腐る。怪物のような「自意識」が頭全部を占領し、部屋から一歩も出られなくなる。次の段階では、自分を卑しめたり痛めつけることに快感を抱くようになる。「ホラホラ見て見て!」って奴だ。自分の堕落をあてつける、世界のせいだってね。

 怨念にまで発展する執拗な自意識へのこだわりは、あっぱれかも。自意識が「過剰」を超えるとどうなるか、この実験は面白い。「地下室」とは自意識のメタファーなんだなー、こんな奴いた(いる)よなー、ネットに多いよなー、と呟きながら読む。

 ――で、笑いながら読み終わって、気づくんだ。なんてこった!こんなところに俺ガイル。

 自意識の重さに悩んだことは、誰でもあるだろう(特に思春期)。屈託なく振舞う友人を羨んだり、根に持つ自分を恥じたかもしれない。そんなヒリヒリ感覚を思い出す一冊。

 光文社文庫から新訳が出ているが、実は無料で読める→[地下室の本棚]。文庫版で主人公を「俺」と訳していて違和感あったのが、ここでは「僕」になっており、しっくりくる。やっぱりこういうイジけた40男はボクボク君でなくっちゃ。

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