それなんてラノベ?「わたしたちの田村くん」
ギャルゲがラノベに近づいているのか、ラノベがギャルゲ化しているのか――「フツーの男子が美少女に慕われる」話は、メディアを問わず愉しめる。わたしがそうでなかったから、ありえない過去を妄想モードで追憶するツールとして、「わたしたちの田村くん」は秀作ナリ。
でもって、「フツーの男子が慕われる」なんてコト、ありえないからこそ想像力の出番だ。なお本書では、ライトノベルに珍しく剣も魔法も超能力者も出てこない。「なぜかモテる」のではなく、ちゃんと理由がある←それがメイントピックスであり、読むと顔がほころぶ体がカユイ。
しかし、フラグ立ち以降の「少女の事情」に達すると、グッとこみ上げてくるものがある。「あたしには、学校という奴は、難しすぎるんだよ」なんてくだりは首をガクガクさせながら読んだ。やべぇ、こういうの弱いんだ… いわゆる、泣きゲ症候群の一種なのかもしれない。ヒロインの秘密が、あまりにも悲惨なことを知って。そして「田村くん」がどうしようもなく無力なことを思い知らされて。
だから、あれやこれや思い出すかも。ギャルゲを意識した台詞回しに、SNEG?(それなんてエロゲ?)よりもむしろ、「それなんてラノベ?」とツッコミたくなる――ラノベにな。
でもって、全2巻読んだ方へ… もちろんわたしは、1巻目のラスト「相馬さんって、誰?」で、すうぅっと背筋が寒くなった一人だけれど、あえて1巻だけで止めておいて、あれこれ2巻を妄想するのってアリでしょうかね? 「わたしたちの田村くんが望む永遠」とやらを思い浮かべるだけでも、愉しいナリ。あえて「読まない」読み方をしてみるのも一興。
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