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徹夜保証「北壁の死闘」

北壁の死闘 はてな「徹夜するほど面白かった小説を教えてください」[参照]で教えてもらった本をシコシコ読む。質問者のわたしが言うのもナンだけど、これは素晴らしいリストなり。単に面白い小説が並んでいるだけでなく、それをオススメする「人」が分かるのだから。つまり、自分が評価する本をオススメする人のidをたぐれば、自分専用のレビューアーリストになる。あらためて、はてなの皆さまに感謝感謝。

 今回は「北壁の死闘」。徹夜保証、面白い小説の見本のようなもの。ネタバレを極力排すため、amazonレビューにとどめる。

アイガー北壁の難所、「神々のトラバース」を登攀中のクライマー二人が、奇妙な遺体を発見した。白骨化した下半身、氷漬けになっていたため損われていない上半身。二人は下山後警察に通報するが口止めされる。BBC調査員が探り出した意外な事実とは? 息もつかせぬ迫力の登攀シーン、山岳冒険小説の傑作 !

 ストーリーは違うのだが、折にふれて映画のワンシーンが強烈にビジュアライズされる。極秘任務の特訓のトコは、「フルメタル・ジャケット」の鬼教官、ホントに手が汗でぬるぬるになったラストの死闘は「バーティカル・リミット」の"大ジャンプ"を。登攀が始まったら、手から本が離れなくなるぞ。臨場感ありまくり、心拍数あがりまくり、危ないッて思わず目を閉じてしまう(もちろん読めなくなるw)。ちなみに、はてなでオススメしてくれた人の徹夜度はこんなカンジ…

夜中に読み始めて会社に行く電車の中でも読み終えず、会社到着後はトイレに入って最後まで読み終えました。

 うん、確かにわたしもそうなった。夜に読んだら徹夜になるのでご注意。

 未読の方こそ幸せよ、次の週末にハマるがいい。

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懐かしいスゴ本「鷲は舞い降りた」

Wasihamaiorita_ 「冒険小説の傑作」とのうたい文句で読む→噂に違わずスゴ本。ただ、最近のジェットコースター型エンターテイメントに慣れた舌には、懐かしい味付け。なんというか、「ジャッカルの日」のような… もうこれらも「古典」なのだろうか… 以下amazonレビューより。

鷲は舞い降りた!ヒトラーの密命を帯びて、イギリスの東部、ノーフォークの一寒村に降り立ったドイツ落下傘部隊の精鋭たち。歴戦の勇士シュタイナ中佐率いる部隊員たちの使命とは、ここで週末を過ごす予定のチャーチル首相の誘拐だった!イギリス兵になりすました部隊員たちは着々と計画を進行させていく…使命達成に命を賭ける男たちを描く傑作冒険小説


 もちろん読者は結末を知っている。この計画は失敗に終わる。これは「ジャッカルの日」がド・ゴール暗殺を描いたものであるのと一緒。オチは分かっている。ド・ゴールは殺害されなかったし、チャーチルは誘拐されなかった。

 しかし、それでも滅法に面白い。いや、「むしろ」というべきか。歴史上「なかった」ことへ向かって緻密な計画を立て、最も優秀な人員を配置し、確実に実行していく―― 破綻しようのない計画の進行に、読み手はいぶかるだろう…「このままで、どうやって歴史のレールに乗せられるのだろう?」ってね。

 Historical Fictionの面白さはこの部分に凝縮されており、「あったかもしれない」歴史を愉しむのがお作法。歴史のターニング・ポイントというべき場所と時刻に立ち会うような感覚が得られる。そして、いったん歴史の目撃者となった瞬間から、かかわったキャラクタは全面的に排除される仕掛けになっている…読み手と語り部を除いてね。「こうして、それを知るものはいなくなった」ってね。

 ところが、だ、本書がスゴいのは、歴史の軌道がフィクション→ノンフィクションに切り替わった後のほうが面白い。つまり、計画が失敗してからのほうが手に汗握る。ハラハラドキドキの追跡劇になり、戻るも死・進むも死の絶体絶命のセリフの応酬になる。「信頼」や「約束」といった見慣れた言葉が急にずっしり重たく感じられる場面になる。

 この「完全版」では、初版時に削除されていたエピソード ――彼・彼女らの「その後」が描かれている。生き延びた人、亡くなった人の半生が淡々と紹介されている。蛇足かと思いきや、ここでホロリとやられる。かつて「おれにとって、おまえと別れることがすでに充分な罰なのだ」で泣いた方は、ラストでもういっぺん泣ける。

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スローセックス宣言

スローセックス実践入門宣誓!今日からは、スローセックスを実践します。射精だけを目的としたあわただしいセックスをしないことを誓います。たっぷりと時間をかけて、おたがいに満足のいくセックスを目指します。

 本を読んでこんなに反省したのは初めて。おかげで目が醒めた、悪いのは全部わたしだ。男子必読の一冊(女子は読んじゃダメ)。

■蔓延するジャンクセックス

 ジャンクセックスとは、男性本位の、射精だけを目的としたセックス。平均20分たらずのお粗末な行為で、お互いのカラダを使ったオナニーのようなもの。そのため、

  • 「一度もイッたことがない」
  • 「彼のことは好きだけどセックスは気持ちよくない」
  • 「セックスが億劫」
  • 「セックス嫌い」
  • 「セックスよりも寝かせてほしい」
…がホンネだという。セックスは挿入でありピストン運動であり射精であるというAV幻想が、セックスをジャンク化しているそうな。ううむ、耳に痛い。性春時代のリビドーは、チョコボール向井にお世話になったからね。

 たしかに、時間を忘れて没頭するようなセックスもあった。ひたすら相手を感じさせるために全力を尽くしたこともあった。イかせてもイかせても、まだ先がある、オンナってすげぇな、と感嘆のまなざしで波打つ裸体を眺めたこともある。

 しかし、著者の指摘どおり、最近ではマンネリ化したというか、「済ませる」意識がある。「子どもが寝ているスキに」とか「明日早いから」といった理由で、制限時間付きになっているのかもしれん。おたがい忙しいから、は理由にならないんだけどな。

■スローセックスとは

 キーワードは「時間」。スローというのは、動きが緩慢というだけではない。すべての行為を「ゆっくりと」+「たっぷりと」おこなう。あるいは、「終わり」を設けないセックス。この場合の「終わり」とは、射精でありエクスタシー。

 そのためには、「いったん射精を忘れろ」という。「目的=射精」をいったん念頭から外し、そのバイアスから生じる時間的制限を解除せよ、と主張する。狂おしいまでに裸体をくねらせ、エロティックな世界に身をゆだねるオンナの官能美を一度でも目の当たりにしたならば、射精のことなんて忘れて、もっと感じさせようと愛撫に夢中になるはず。射精なんてオマケみたいなものなんだってさ。

 ただし、「射精するな」という意味ではないらしい。射精という呪縛から外れて、じゅうぶん時間をかけてお互いに快感を貪りあったのち、精を放つとすれば、それはそれはスゴいものになると言っている(←だいたい予想つくがな)。

■スローセックスの実践 1:愛撫

 本書にテクニック的なことを求めている方は、p.143-168を立ち読めばいい。しかし、セックスに対する性根を入れ替えるという点で、全読すべし。これは、わたしの復習のためにまとめたものなので、ご注意を。

 愛撫はテクニック以前に、一つの性感帯にかける愛撫の「所要時間」と全身の性感帯を愛撫していく際の「順番」が重要だという。「あっちをチョコチョコ、こっちをチョコチョコ」と漫然と触っているだけでは、女性の性的快感を敏感にさせられない。一つの性感帯に超ソフトな刺激を一定時間以上継続して与えよと指導する。ここでいう「一定時間」とは3~5分だ。それを、

  1. 髪の毛の愛撫
  2. 顔  ←顔は性感帯の宝庫!
  3. 肩から腕
  4. 指先
  5. わき腹を通って腰
  6. 背中
  7. 肩甲骨
  8. おしり
―― と、カラダの背面すべての性感帯を愛撫した後、やっとカラダの表面へ移る。表面に移行しても、敏感な乳首シリーズは後にして、最高の感度まで感受性が高まるまでじらして…といった具合。

 また、「くすぐったいはシメタと思え!」と断言している。女性がくすぐったがる原因は、皮膚の敏感さに対して、それを受信する性感脳の準備がまだ整っていないアンバランスさによるもの。スイッチを入れるためには、まずリラックスさせなければならない。そのために、

  • アダムタッチの適用(こうかは ばつぐんだ)
  • パームタッチ愛撫法(手のひらを吸盤のように見立てる)
  • うつ伏せにして背面愛撫(背中→お知り→太ももの裏側)
  • ベビーパウダー・ボディオイルが有効(ローションはNGだってさ)

■スローセックスの実践 2:体位

 勉強になったのは「対面座位」。興奮を抑制する副交感神経が優位に立ち、持続力が増すため、スローセックスにうってつけの体位だという。インドの性典カーマスートラでは座位のことを「正常位」と呼び、もっともスタンダードな体位という位置付けにしているそうな。

 一方、悪玉はいわゆる「正常位」。正常位はまさに「射精位」とでも呼ぶべき危険な体位だそうな。前傾姿勢になるため神経を過敏にする交感神経が優位に立ち、敏感になりやすくなる。腰を自由に動かすにはもってこいなので、「ファーストセックス」のための体位といえる。自爆行為やね。

 経験的に対面座位を好んできたが、これは、肌を密着させることができて一体感を得られやすいから。キスなどのコミュニケートもやりやすいし…期せずしてスローセックスを実践してたわけだ。

■セックス・トレーニング

 著者の主張のうち、最も説得力のある一文を引用する。

人間は努力します。いい大学に合格したければ一所懸命に勉強するし、スポーツが上手になりたければ練習に精を出します。仕事でも趣味でも、他人より上に行きたいと思えば、トレーニングに費やす時間を長くしたり、お金を掛けたり、効率よくなるようにやり方を工夫したりします。これは誰もが経験則として知っていることであり、やっていることです。それなのに、とても不思議なことですが、セックスになった途端、なぜか「トレーニングする」という思考回路が機能停止してしまうのです。

 ああ、確かに。ちゃんと「練習」せずに本番に臨んできたわたしが恥ずかしい。ホットドック・プレスを読んだだけで分かった気になっていた自分を叩いてやりたい。

 「オナニーがあるじゃないか」というツッコミ無用。オナニーは射精の練習に過ぎない。100回やろうが1000回やろうが、「射精して自分が気持ちよくなるため」のトレーニングは、何回やっても変わらない。

 じゃぁ全くのムダかというと、そうではない。そこで、「スローセックスのための亀頭愛撫法」が紹介されている。マッサージ用のオイルを準備して実行せよとアドバイスしている。さらに、酷かもしれないが、「気持ちよくなってきても、しごいてはいけない」という。

【ロール亀頭愛撫法】

  1. ペニスと亀頭を握る手のひらにオイルを塗る
  2. 利き手と反対の手でペニスの根元を押さえ、亀頭に皮が被らないように固定する
  3. 手のひらの中心部を亀頭に密着させて、手のひらが亀頭の周辺を一周するようにローリングさせて、亀頭の表、側面、裏側をゆっくりと擦っていく
  4. 3の動きを繰り返す
ポイントは、手のひらと亀頭の密着面積をなるべく大きくすることと、ローリングの際に、亀頭と手のひらが離れないようにすること。

【指しぼり亀頭愛撫法】

  1. 利き手を軽く握って輪を作る
  2. 亀頭の先端からその輪をゆっくり下ろしながら、輪がカリの部分を通り過ぎるまでゆっくりと丁寧に亀頭を擦る
  3. ペニスの皮が亀頭に被らないように注意しながら、ゆっくりと輪を上げていき亀頭を擦る
  4. 2と3の愛撫を繰り返す
イクことではなく、感じることが目的。ゆったりとした気持ちで行うこと。いつものように手でしごきたくなる気持ちを抑え、イキそうになったら指の動きを止めるなどして、最低でも15分以上続けるようにする。

■著者について

 アダム徳永という方で、セラピスト。ロセンゼルスでマッサージテクニシャンの資格を取得。マッサージを施すうちに、女性のカラダには計り知れない深い性感帯があることに気づき、性感帯開発の研究を始めたそうな。

 1991年、M&Wオーガズム研究所を創設。最高のエクスタシーが得られる新技法・アダム性理論を確立。2004年、世界にも類を見ない「セックススクール・adam」を設立している。

 上記はWikipediaの受け売りなんだけれど、本書の中で、「研究のために、理解ある奥さんの『了承』を経て、1000人以上の女性とセックスを経験してきた」と述べている。超人認定。そして奥さんは秋子さんかと問い詰めたい。

 本書は射精第一主義を祓うために有効な一冊となりうる。え? 「童貞のオレには関係ない」って? それマチガイ、童貞こそ読むべし。服を着ててもオンナはカワイイ、脱がすともっとキレイだ。そして、彼女が快楽に身をゆだね、裸身をよじらすさまは、この世のものとは思えないぐらい美しい。

「接して漏らさず」―― 本来別の意図で記された言葉だけれど、「養生」のためだけでなく、相手のためにも、ひいては自分のためにも心得ておくべきだな。

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