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劇薬小説【まとめ】

 はてな「読後感サイアクの小説を教えてください」で教えていただいたものを、読んできた。質問[ここ]からピックアップしている。過去のエントリ「劇薬小説を探せ!」を元ネタにして、これまで読んできた劇薬小説をまとめてみる。

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劇薬小説とは

 読了して後味の悪い思いをした小説を指す。読んだことを激しく後悔するような、いやあぁぁぁな気分にさせてくれる本。下らなくて情けなくなる「壁投げ本」ではない。また、マンガを含めると莫大になるので、対象外とする(ちなみに劇薬マンガNo.1は日野日出志「地獄の子守唄」)。

    エロだったりグロかったり、救いがなかったり

    大の大人なのに怖くて夜に読めなかったり

    読了してヘコんだり、生きる気力が奪われたり

    生理的にクるものに、おもわずマジ嘔吐したり

    その後、人生のトラウマと化したり

 小説はしょせん絵空事。リアルでない物語に実人生を侵食されるほどヤワじゃないと思っているし、相当読みこんできている自負もある。だからたいていの「オススメ」はたいしたものじゃない。ただの「出来のよい」ホラーや「救われないラストの」ミステリなら山ほどある。はてなの住民は「普通」で「お上品」な方が多いような気が。

 「爽やかな感動が得られます」クソクラエ。本を読んで感動するのは、実人生で感動するための訓練のためじゃろう。おまいらリアルで感動できないくせに小説に感動を求めるんじゃねェ!それはウソんこの感動だ。感動のシミュレートだ。

 ハラ減ってメシがうまい→感動。女はやっぱり美しい→感動。セックスはすばらしい→感動。くたびれて眠る→感動。感動できない未熟な人が、小説を読んで感動したフリをしているんだろ。マスターベーションと同じなり。

 人間やってて毎日感動しているんだから、たまには感情をネガティブにドライブしないと、釣り合いが取れない。ホラ、アイスクリームの後に熱い緑茶が飲みたくなったり、恋愛映画を見た後はスプラッタで口直しが必要だったりするだろ。

 けれども人間をやめるわけにはいかないので、やめたつもりになってみるぞジョジョオオオォォォーーーーーッ!!っつーわけで、「これは!」というものをチョイスした。

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2005.8時点でのランキング

最悪の読後感は、

  1.隣の家の少女(ジャック・ケッチャム)
  2.ぼくはお城の王様だ(スーザン・ヒル)
  3.砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない(桜庭一樹)
  4.蝿の王(ウィリアム・ゴールディング)

となっていた…

隣の家の少女隣ぼくはお城の王様だ砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない蝿の王

 ワースト3のサイアクっぷりは以下のとおり(【注意!】激しくネタバレだけなでなく、ショッキングなことも書いてあるので、承知したうえで反転表示してねッ)

 「隣の家の少女」は、虐待されるガールフレンドを助けられなかった男の子の話。両親を交通事故で亡くした姉妹を引き取った女が折檻する。そのエスカレートっぷりはわたしの限界を超えている。女は姉妹を地下室に監禁し、強がる姉を剥く。そして、自分の息子に「おまえ童貞だろ、ファックしてやりな」とけしかける。さらには××××ワードを糸で腹に縫い付ける場面はじゅうぶん嘔吐に値する。

 救われないのは、主人公が少年(子どもでないが、無力)というところ。姉のほうに淡い恋心を抱き、なんとかしようと足掻くのだが、しょせん子ども。己の無力さを思い知る。ラスト1ページで意趣返しはかなうのだが、そんなことをしても何も救われない。

 「ぼくはお城の王様だ」は、「強い立場」の子どもが「弱い立場」の子どもをイジメる話。読みどころは、誰もおかしくないこと。イジメられている子の母や、イジメっ子の父が偽善的に描かれていればまだ救いはある。しかし、誰かを悪者のように描いていない。ただ、ほんの少しだけ子どもから目を離していただけ(だと思いたい)。イジメっ子自身も悪者のように描いていない。イジメ慣れしていない子がイジメに走ると、陰惨なやつになる典型。

 誰も悪くないなどとは言わないが、誰かのせいにして読者に納得させること許さない。最終的に自殺にまで追い込まれる理由は、憎しみだ。イジメっ子が憎い、分かってくれない母も憎い、だが最もやりきれないのは、どこにも持って行き場のない憎悪を抱いてしまった自分自身。そのあまりの禍々しさにおののくシーンがある。誰にも打ち明けることもできず、独りで立ち向かうこともできず、ただ泣くしかない。普通の小説なら、誰かが流れを変えるきっかけをくれるのだが、ない。知らずに期待して読むと酷い目に遭う。

 「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」は、友達がバラバラにされて積まれているのを、女の子が見つけるまでの話。ラストでどうなるかは最初のページに書いてある。理不尽なセカイに無力なワタシ。オトナになるためには、子どもを生きのびなければならない。

 着地点が分かっていて、そこへの過程を綿密にたどるかと思いきや、そうではない。なぜそんなことになってしまったのかは説明されていない。「百合小説の傑作」という誰かの誉め言葉と表紙の萌え絵に吸い寄せられたのが運の尽き。予備知識ゼロで読んだ人は酷いショックを受けるかもしれない(例えば「君が望む永遠」を予備知識ゼロでプレイするとか)。

 ああ、そういえばわたしもそうだった無力で壊れやすい子どもだった。しかし、残虐なイジメに出くわすこともなく、己の憎悪に打ちひしがれることもなく、狂った親に殺されることもなかった。

以上、「最悪の読後感を味わわせてくれる小説」より引用した。こいつを肴にはてなでオススメいただいたものを読んだ結果がこれだ↓

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「はてな」でのオススメ劇薬小説

殺戮の「野獣館」(リチャード・レイモン)

読むハードコア・スプラッタ

 まずハードコア。強姦、獣姦、近親相姦。死姦、幼姦、阿鼻叫喚。嫐(女男女)も嬲(男女男)もある。まんぐり、八艘渡、緊縄、ロリペドなんでもござれ。ハードSM、食糞や飲尿まであれば百花繚乱だが、さすがにそこまではいかんかった。

 スプラッタも負けてない。一撃で顔の半分がエグりとられたり、食い散らかされ脊髄と下半身しか残っていなかったり、血まみれの親の前で娘(10歳ぐらい?)を○○したり、交合中に首チョンパだったり。ナイフ、銃、斧、チョーキング…と殺人手段もなんでもござれ(爆殺と薬殺がなかった)。

 じゃぁただのエログロバイオレンスかというとそうでもない。めちゃめちゃなストーリーだがこれがオモシロー。目を閉じアクセル踏みっぱなしの一本道だとアタリをつけていると、ラストでとんでもないオチが待っている…

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D-ブリッジ・テープD-ブリッジ・テープ(沙藤一樹)

ネコ好き厳禁!

 グロ本。通常、グロはエロとセットなのだが、エロは皆無。オススメいただいて、かなり期待して読んだのだが、残念!非常に楽しく読ませてもらった。大感謝。悪食や自傷シーンは人によると吐くかもしれないので、ご注意を…

 近未来、ゴミに溢れた横浜ベイブリッジで少年の死体と一本のカセットテープが発見された。いま、再開発計画に予算を落とそうと、会議室に集まる人々の前でそのテープが再生されようとしていた。耳障りな雑音に続いて、犬に似た息遣いと少年の声。会議室で大人たちの空虚な会話が続くなか、テープには彼の凄絶な告白が…

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完璧な犠牲者完璧な犠牲者(クリスティーン・マクガイア)

事実は小説よりも奇を地で行く

 ハタチの娘が拉致され、調教され、肉奴隷となった7年間の話。これが「小説」ではなくノンフィクションであるところがスゴい。誘拐した男が自作した箱に「監禁」されるのだが、ぐだぐだここで説明するよりもこの絵を見たほうが早い…

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閉鎖病棟閉鎖病棟(パトリック・マグラア)

本当に「歪んだ純愛の形」なのか?

 素直に「良かった」といえる作品。劇薬度は低。この小説をどういう風に読むのが効果的か考え込んでしまう。「歪んだ純愛の形」も「狂気に燃える情炎」もマチガイではないのだが、話者の狂気まで想像が閃いてしまうのは気のせい? 裏読みすぎ?

── けれども、時どき出てくる一人称がどうしても目に付くのよ、まるで読んでる自分が試されている気がして。そして読み終わった後でもじくじくと後を引くのよ、そういう意味では遅効性の毒薬なのかも。

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自由自殺法自由自殺法(戸梶 圭太)

プロット一発勝負なら大傑作

 ただし、書いてる途中に行き倒れてしまっているもったいない作品。名は体、「国家が自殺ほう助する世界」の話。リアルな日本が描かれている。ネットよくあるセリフ「死ねば?」を執拗に拡大解釈し、「使えない国民を自殺まで誘導する」国家プロジェクトまで昇華させている。そのクセ内情は一切明かさない。ここまでは三重マル…

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溝鼠溝鼠(新堂冬樹)

ずばりヘンタイ小説

 「ヘンタイがでてきて読後感サイアク」との触れ込みで読んだが、勧めてくれた方は団鬼六を読んでないな。「溝鼠」をヘンタイというならば「花と蛇」をどうぞ。ヘンタイ萌えできますぞ。グロを抜いたらフランス書院にすら負ける。ただし、「そういうの」を身構えずに読んだ方はかわいそうかも。肛虐や飲尿が普通にあるし(笑 

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アクアリウムの夜アクアリウムの夜(稲生平太郎)

「それなんてエロゲ?」

 文体がイヤらしい。まとい付くような書き方で、描写文が沢山あるにもかかわらず、実感がわかない。例えば、「激痛が走った」とあっても、まるで現実感がない。著者はどう痛いのかを想像して書くよりも、キャラを痛めつけるシーンだからそう書いているだけ。そうした意味でもテキスト系アドベンチャーゲームを彷彿とさせられた…

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我らが影の声(ジョナサン・キャロル)

ネタバレ厳禁

 やべ、一行たりとも感想が書けない。このblogを選書の参考にしている奇特な方もいらっしゃるようなので、書けない。どう書いてもバレになる。こんな小説は珍しい。

 常態から異常事態へ。このお話を「狂気」の一言で片付けられたらどんなに嬉しいことか。しかし、どこも狂ってないのがおそろしい。だいたいヒトを「正気」と「狂気」の2色で塗り分けようとすること自体がおかしい。正気の中にも狂気を宿し、狂っていても一貫性を見出そうとするのが、ヒトだ…

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悦楽園悦楽園(皆川博子)

「獣舎のスキャット」は劇薬注意!

 やっほう!みんな聞いてくれ!「獣舎のスキャット」は読後感サイアクだったぞ。だからうっかり読まないように気をつけてね、特に女性は…

 この短編が収録されている「悦楽園」(皆川博子)は粒ぞろい。「退廃 + 刹那」の全共闘の時代なので、若い読者はとまどうかもしれないけれど、通底する コンセプトは一緒「人間こそが恐ろしい」。それは"血"だったり"業"だったり、あるいは過去のおぞましい記憶だったり。

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盤上の敵盤上の敵(北村薫)

時限爆弾を解除する読み方

  とても面白し。ところがamazonレビューでは「傷ついた」「落ち込んだ」「世の中の不条理を考えさせられた」が続出。何で? これのどこが「読後感サイアク」なのだろう… と想像して思いあたった…

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暗い森の少女(ジョン・ソール)

ひさびさに背筋が凍った

 とはいえ「正統派」なので展開はすぐに見抜ける。今の読者ならほとんど分かるに違いない。ほら、あれだ。80年代に流行ったホラー映画のアレ。伏線を張って「来るぞ来るぞ~」と読者に思わせておいて、やっぱり、

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!

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きみとぼくの壊れた世界きみとぼくの壊れた世界(西尾維新)

妹+ツンデレ+密室殺人

 萌え本としてスゴ本。かつ極悪なラストでやんの。「読後感サイアクの後味の悪さ」で紹介されたはずなのだが、とても楽しませていただいた。その理由として、わたし自身ギャルゲを少々たしなんでいたからだと告白しておく …ってか端々でそれを意識させられる(もちろんその経験がなくても充分楽しめる)…

 これは小説仕立てのギャルゲ。電脳紙芝居あるいはビジュアルノベルとも呼ばれ、「萌え絵+ヒネた主人公のモノローグ」で構成される。プレイヤー(読者)はときどき出てくる選択肢から「選ぶ」ことでお話を先に進め、異なる結末を目指す(マルチエンディング)。んで、がんばって読み進めたごほうびに18禁絵が出る(たいてい女の子の"攻略"に成功したときに、ね)。

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妖魔の森の家妖魔の森の家(ディクスン・カー)

この手法のご先祖様

 スッキリ明快な帰結なのに、こんなにも生臭く肌寒い読後感は最高ですな。ディクスン・カーの短編「妖魔の森の家」のラストでまで読んで、一瞬だけ「自分の脳が理解することを拒絶した」そのとき、脳みそが動いたかのような錯覚が味わえる…

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贈る物語 Terror贈る物語 Terror(宮部みゆき編)

遅効性のヤな感じを味わう「くじ」

 収録作品はどれもピカイチ。ホラー好きなら、知らないなんてぶっちゃけありえない。おまけにゲーマー宮部氏の面目躍如、ロープレとアンソロジーの見事な融合も楽しめる(人狼の章はゲームのために起こしたとしか思えない)。
 さらに、「人はなぜ怖い話をするのか?」への彼女の回答に深く頷くべし。「人は誰しも心に闇を…」論なんだが、このアンソロジーを順に最後まで読むと納得できる(特にラストに「パラダイス・モーテルにて」を持ってくるところがGood!)。彼女はこの問いに答えるために、この本を編んだのだろうって…

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ずっとお城で暮らしてる(シャーリイ・ジャクソン)

ホラーには美少女がよく似合う

少女という存在は見ているこっちが不安になるほど不安定なるもの。だから少女をきっちり描いているだけで、ゾワゾワしてくる…

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たたりたたり(シャーリイ・ジャクソン)

 怖い、じつに怖い。「こわい本」大好きなわたしだが、今までさんざんそのテの小説は読んできたつもりだが、こいつはスゴく怖い思いをした

 どうして怖いのかというと、恐怖が間接的に、読み手の想像力に働きかけているかのように描かれているから。それはまず、登場人物が丘の屋敷から感じる、はっきりしない違和感として描かれる。不安定な感覚は不安に、そして恐怖へと静かに変わってゆく。
 じわじわ、じわじわ変わってゆく。

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告白告白(町田康)

徹夜小説+劇薬小説+キ●ガイシミュレーター、そしてスゴ本

 一言で表すなら、読むロック(ただし8beat)。幸いなことに(?)これが何の小説であるか予備知識ゼロで読んだ。真黒なラストへ全速力で向かっていることをビクビク感じながら、まさかこんなとんでもない「事件」とは露知らず。
 テンポのいい河内弁でじゃかじゃか話が進む。この一定のリズムは音楽を聴いているようで心地よい。中毒性があり、ハマると本を閉じられなくなる。読み進むにつれ、朦朧とした不思議な感覚に包まれる。

  続きはここ→[参照]

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劇薬小説ランキング

現在こうなっている

  1.児童性愛者(ヤコブ・ビリング)
  2.隣の家の少女(ジャック・ケッチャム)
  3.獣舎のスキャット(皆川博子)
  4.暗い森の少女(ジョン・ソール)
  5.ぼくはお城の王様だ(スーザン・ヒル)
  6.砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない(桜庭一樹)
  7.蝿の王(ウィリアム・ゴールディング)

で、ランキングトップ(ワースト?)はこれ

児童性愛者児童性愛者(ヤコブ・ビリング)

ついに「隣の家の少女」を超える劇薬を読む

 エログロは無し。残虐シーンも無し。「読むスプラッタ」は楽しく読めたのに、本書は気分が悪くなった。特に、ある写真の真相が暴かれる場面は、予想どおりの展開であるにもかかわらず、読みながら嘔吐…で、ラストは絶望感でいっぱいに…

続きはここ→[参照]

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関連エントリ

そういえば「劇薬小説を探せ!」はどうなった?

読んではいけない――人生を狂わせる毒書案内

警告無しで読むには酷な小説

この企画の二番煎じ「読まなきゃよかった物語を教えて下さい。ネタバレ推奨」

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「はてな」でオススメいただいたその他の劇薬本

  • 記号を喰う魔女(浦賀和宏):壁投げ本。オススメしてくれた人に悪いが
  • 岬(中上健次):<未読>
  • 死者の奢り・飼育(大江健三郎):<未読>
  • 姉飼(遠藤徹):壁投げ本らしい。読まない
  • 黄金色の祈り(西沢保彦):くだらない話だったorz
  • 夏の滴(桐生祐狩):とんでもない話。後半で筆力がみるみる減っており作者が不憫なり。これは編集者の罪
  • 神様ゲーム(麻耶雄嵩):壁投げ本らしい。読まない
  • 夜の記憶(T.H.クック):<未読>
  • 悪いうさぎ(若竹七海):<未読>
  • グルーム(ジャン・ヴォートラン):<未読>
  • 雪の死神(ブリジット・オベール):orzらしいのでやめておく
  • 不思議な少年(マーク・トウェイン):たしかに厭世的になる
  • リカ(五十嵐貴久):壁投げ本。穂村愛美の方が恐ろしい
  • 鬱(花村万月):<未読>
  • クリスマス・テロル(佐藤友哉):壁投げ本らしい。読まない
  • 人獣細工(小林泰三):オススメした人に悪いが、くだらない
  • 恐怖夜話(ガストン・ルルー):<未読>
  • 夏の葬列(山川方夫):国語の教科書として読んだ人は激しくお気の毒というしか
  • 小説大逆事件(佐木隆三):<未読>
  • 異形の愛(キャサリン・ダン):畸形たちの「ホテル・ニューハンプシャー」(J.アーヴィング)
  • ロウフィールド館の惨劇(ルース・レンデル):<未読>
  • ZOO(乙一):激しく期待→激しく失望
  • 異形博覧会(井上雅彦):ソコソコ期待→失望
  • わが愛しき娘たちよ(コニー ウィリス):ひっかからなかった
  • ある晴れた日に(ドーン・パウェル):ひっかからなかった
  • 問題外科(筒井康隆):<未読>
  • クリスマスに少女は還る(キャロル・オコンネル):<未読>
  • チョコレート・ウォー(ロバート・コーミア):<未読>


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これから読む劇薬小説

  • 骨餓身峠死人葛(野坂昭如)
  • 問題外科(筒井康隆)
  • 地下室の手記(ドストエフスキー)
  • ロウフィールド館の惨劇(ルース・レンデル)


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PMP試験対策 2.1プロジェクトマネジメント・プロセス

 ここでは、単一プロジェクトのプロジェクトマネジメント・プロセスについて説明する。マネジメントプロセスは、プロジェクトをまわす手順だと把握しておけばよい。

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■プロジェクト成功の定義[p.37]

 「プロジェクトが成功する」とは、どういうことか? PMIはプロジェクト成功の定義を謳っている。よく言われる、品質・納期・コストを守るでは不十分で、以下のように定義される。


  • プロジェクト目標を満たすために必要なプロセスを選択する
  • 要求事項をみたすように成果物の仕様と計画を調整する
  • ステークホルダーのニーズ、要望、期待に応じた要求事項を満たす
  • スコープ、タイム、コスト、品質、資源、リスク等の競合する要求のバランスをとって、高い品質のプロダクトを生成する

■プロジェクトマネジメントプロセスのカテゴリ[p.38]

 ふたつある。構造化モデルとオブジェクト指向のカテゴリに近い分け方で興味深い。

  • プロジェクトマネジメント・プロセス:プロセス(手続き)指向のマネジメント。統合された目的(立上げ、計画、事項、監視、終結)へ向けて実行することで相互に関連するプロセス群
  • 成果物指向プロセス:プロジェクトの成果物の仕様を決めて、それを作るためにどうすればよいかを具現化するやり方

いずれの場合でも、考慮するべきプロセスを選ぶ際、PMBOKガイドを利用して、必要にあわせてカスタマイズしなさい、という。これを「テーラーリング」と呼んでいる。

■プロジェクトマネジメント・プロセス[p.40]

 [p.40]の図が全て。ただし、次のことが忘れがち→マネジメントプロセスは、フェーズ内でも回るし、プロジェクト内でも回る(プロジェクト全体を示した図だけではないことに注意!)。プロジェクトマネジメントプロセスのピラミッド[p.69]を見ると分かるが、フェーズで少なくとも1度は回っていると考え、フェーズごとに回転していると理解する。

 プロジェクトマネジメント・プロセス群は、プロジェクト・フェーズではない(←超重要)。よくあるひっかけが「終結プロセスに入った。プロジェクトはもうすぐ終わるか?」といった設問。フェーズの終わりでも「終結プロセス」は存在するため、答えはNOになる。例えば、「要求仕様の抽出を行う」フェーズがあるとすると、「要求仕様書の引継ぎ」が終結プロセスで行われる。でも開発は続くヨどこまでも、次のフェーズになるだけで、プロジェクトは終わらない。

■プロジェクトマネジメント・プロセス群の攻略の前に

 個々のプロセスの話に飛び込む前に、そのプロセスが全体のどこに位置しているのかを考えながら理解する。いきなり細かい話になるので、全体とのつながりが見えにくくなり、「結局どうしてそのプロセスが必要なんだっけ?」と考えるようになる。

 そうならないためには、[p.70]の一覧表と、[p.337]から始まる付録F「知識エリアの要約」が役に立つ。一覧表は、そのプロセスが、立上げ、計画、実行、監視、終結のどの群に配置され、知識エリアのどこに位置しているかが一目でわかる。また、「知識エリアの要約」は、初めてPMBOKを読む人が目を通すには最適の資料だと思う。たった5ページに凝縮されており、「結局ソコで何すんの?」という質問に明確に簡潔に答えているから。

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PMP試験対策【まとめ】


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ローマ人の物語V「ユリウス・カエサル――ルビコン以後」の読みどころ

 ずばり、クレオパトラを攻撃する塩野ばあちゃんの筆さばきですな!

 恨みでもあるのか、チクチクといたぶり、要所要所でこきおろす。「いとしのカエサルタン」の下半身を牛耳ったのがシャクに障るのかもしれないが、2000年も前の話だから勘弁してやれyo! と思いながら読む。

■クレオパトラ vs カエサル

 エジプトの内乱を平定するためにやってきたカエサル。彼を自陣に取り込みたいクレオパトラにとっての起死回生の策が面白い。ガードの固いカエサルのもとへ侵入(夜這い?)するために、ふとんにもぐりこんで召使に運ばせるクレオパトラ。ふとん+美女の絶好のシチュは誰だって(*´д`*)ハァハァできる艶話。

 しかし、塩野ばあちゃんは手厳しく、こう断じている。

 要するに、カエサルには、たとえ愛人関係に進まなかったとしても、クレオパトラの軍事上の劣勢を挽回してやる理由は多かったのである。恋愛が介在することで左右できるほど、国際政治は甘くない。また、カエサル自体が、愛しはしても溺れない性格だった(11巻p.291)

 当時はそんな言葉はなかったにせよ、合理主義が服着ているようなカエサルのことだから、確かにそのとおりだったかもしれないけれど、ミもフタもないね。同じオンナなんだから、もうちょっと手加減してやれよと思うのだが、続けてこう追い込む。

 ただし、クレオパトラのほうがそれを、自分の魅力のためであったと思い込んだとしても無理はなかった。女とは理(ことわり)によったのではなく、自分の女としての魅力によったと信じるほうを好む人種なのである。それに、女にそのように思い込ませるなど、カエサルならば朝飯前であったろう(11巻p.291)

 そんなばあちゃんに、このサイトをオススメしよう→「カエサルハァハァ…」。カエサルタンへの愛が満ち溢れている。

 自分で作り上げた「カエサル像」を眺めてはホレボレする、そんなばあちゃんが目に浮かぶ。んで、その「像」に反するような説に耳をふさいで曲げて否定する。うん、わかるよ。二次元萌え歴もずいぶんになるわたしには痛いほど分かる。

■クレオパトラ vs アントニウス

 カエサル亡き後、ローマの頂点としてエジプトにやってきたアントニウス。彼の攻略は、カエサルのときよりもカンタンだったそうな。どうやら、クレオパトラの方が一枚上手だったらしい(と塩野氏は書いている)。

 「クレオパトラは美人ではなかった」という話を聞いたことがあるが、どこまで本当だろうか。2000年も前のことだから、誰もハッキリしたことは言えないだろう。しかも、当時の「美人観」が今とかなり異なっていることは、千年前の日本絵巻を見れば明らかだ。

 それでもクレオパトラが美人だった方がネタとして面白いから、(真偽はともあれ)そうなっているのだろう。わたしも支持する、だってハァハァできるから。ローマの権力者をマタにかけ、世界のはんぶんを奪った傾城の美女が見た天国と地獄、というだけで面白くないワケがない。

 塩野氏の「もっと自由に歴史を読んでいい」コトバに結構モウを開かされている。「ローマ人の物語」が好きなのは、史実への忠実度からではなく、話として面白いから。著者が自分のことをシロウト呼ばわりして、歴史家にはご法度の「もしも…」を乱発して好き勝手に書いているから、こんなに面白い歴史(みたいな物語)が読めるんだ。

 にもかかわらず、根拠を出さずに「クレオパトラは美人ではない」を前提に話を進めてくるところにアレっとなる。「美人ではなかったと思う」とハッキリ言やいいのに、こんな風に書いてくる。これはこれで詭弁の見本のようなもので面白い。

 それにしてもクレオパトラは、絶世の美女ではなくてもそう思わせる技(わざ)に長じ、頭は良く機知に富んだ女であったことは確かだが、ほんとうの意味での知性にも恵まれていた女人であったのか?(13巻p.171)

 太字はわたし。フツーに読むと、「知性に恵まれていたのか?(いやない:反語)」になる。続けて、クレオパトラの外交面での現状認識不足、ローマ人の文化への無知があげつらわれる。

 しかーし、冷静になって読むとさりげなく「美女ではなくても」と入っている。この、前提に主張を含ませて、主文で議論を展開するやり方は「悪魔の詭弁術」あたりで学べる。噛み付く奴は主文「頭悪かったんちゃう?」に喰い付いてくるから、前提の「美人じゃなかったんちゃう?」は同意済みと受け取られる詭弁テク。

 もっと面白い詭弁がある。主張の前後がつながっておらず、通常「後ろ」に真意がくる日本語文なのに、「前」に本当の気持ちが込められている。

 私も女だから、女の浅はかさなどという表現は避けたい。だが、決定的な一歩を踏み出したときのクレオパトラは三十二歳である。若いがゆえの経験不足という、弁解さえもできない(13巻p.174)

 太字化はわたし。ローマの覇権をめぐって、アントニウス vs オクタヴィアヌスの対立が深まる状況で、クレオパトラはアントニウスに就く(ホレ、あの"アントニーとクレオパトラ"だね)。これが彼女の破滅への道とつながるわけだが、見所は塩野ばあちゃんがこいつをどうやって料理しているかというところ。

 「だが」の前後が繋がっていない。「若さゆえの過ち」→「だが」→「当時は32歳だから経験不足という弁解ができない」なら通じるが、あえて(?)「女の浅はかさ」としている。なぜか? それは、この後さんざんクレオパトラこきおろして、最後にこうつなげているからだ。

 しかも、エジプト女王の「浅はかさ」は、アントニウスのパルティア遠征をも狂わせてしまうことになったのである

 つまり、クレオパトラの「浅はかさ」が破滅を招いたことにしたかったため、ここで出しても違和感がないように露払いしているという罠。彼女が歴史を狂わせたことは事実だけれど、失敗の起因はことごとく彼女にされてしまっている。なんでもかんでも彼女のせいにしちゃいかんだろ… ツッコミながら楽しく読めた。



ローマ人の物語11ローマ人の物語12ローマ人の物語13

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