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欠陥上司が部下を殺す

 上司に恵まれなかったら「オー人事」は古いか… 今じゃ上司次第で部下が死ぬ。冒頭、冗談ぬきの事例が紹介される。「むごい」というしかない。仕事を続けるのにソコまでしなきゃならんのか、と言いたくなる。だけど、追いつめられた本人はそこまで考えがおよばない。

 「心の病」が増加しているという。成果主義への移行、派遣社員・正社員の責務差、IT偏重の業務、組織のフラット化による若年管理職… など、要因はいくらでも思いつく。ストレス社会は今に始まったことではない。にもかかわらず、特に最近、急上昇している原因は上司にある、と筆者は断ずる。「こんな上司が部下を追いつめる」は、部下を生かすも殺すも上司次第という。これは同意。しかし、そろそろ課長クラスを担うようになるバブル入社組をヤリ玉に上げるのはカワイソス(´・ω・`)

こんな上司が部下を追いつめる 「こんな上司」とあるが、どんな上司が部下を追いつめるのだろうか?


  1. 部下は使い棄て、育てるつもりがない
  2. 保身的で自己分析ができず他人のせいにする
  3. 窮地に追い込まれている部下をサポートしない
  4. 仕事の目的や構想を語らず、作業のみを与える
  5. 独断的で部下の意見に耳を貸さない
  6. 目線が下げられず部下の気持ちを想像できない
  7. サークルのノリで外れた部下を仲間外れにする
  8. 困っている部下をサポートしない。質問に答えない
  9. 叱りベタ・怒鳴り散らす、叱れない・見て見ぬフリ
  10. 部下の特性を考えず、一律ノルマを課して数字管理

 んー、どの世代にも「こんな上司」はいるような。

 ほんとうに、こんな上司が増えているのだろうか? そうは思えない。ただ、心の病を抱える社員が増えていることは事実。そして、上司・部下限らず増えているのも、事実。著者は課長クラスに「問題アリ」と烙印を押しているが、課長は課長で押しつぶされている現実はきれいに除かれている。

 昔は、仕事そのものよりも、部下のケアに心を砕いていた上司が多かったのではないか。そして今は、仕事をこなすだけで精一杯で、そんなゆとりがなくなったのかもしれぬ。今の上司をヤリ玉に上げるより、会社のあり方にメスを入れるべきじゃないかなー、などと思ったり。

 犯人探しは著者と意見を異にするが、部下のメンタル面に気を配るべきなのが上司だ、という点においては、大きく頷ける。上司の「気づき」がたいせつ。部下から相談を持ちかけられたとき、上司はひたすら傾聴に徹せよ、と言う。激しく同意。

 その際、絶対に口にしてはいけないセリフ5は以下のとおり。


  1. がんばれ
  2. 逃げちゃダメだ
  3. もう一度、考え直してみないか
  4. もう少し、続けてみないか
  5. マイナス思考や弱気はやめよう

こんな上司が部下を追いつめる うん、確かに言ってはいけない。この辺については、「ITエンジニアの心の病」[参考]で予習した。末尾にそれを記す。IT業界に限らず、欠陥上司(欠陥顧客も含む)に当たったとき、眠れない日々が続いたとき、次の文を思い出して欲しい。

 心の問題は、自分の問題ではない。プライバシーや世間体や気恥ずかしさから、「自分の問題」として囲わないこと。「自己管理は社会人の常識」は二日酔いの顔に言っていいセリフだが、自分に向けるとき限りなく残酷な桎梏になる。だから、もう一度言う、「心の問題は、自分の問題ではない」って。

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エロ文学「眠れる美女」で匂いに悶える

 ええ、もちろんエロオヤジですよ。エロ大好きだけど「エッチ」はいただけない。わたしゃヘンタイじゃない。それでもヘンタイに限りなく近いところがエロの極意であることを悟りつつある今日この頃なので、その辺で良さげな作品をピックアップしてみる。

 今回は川端康成「眠れる美女」。

 ひとことで表すなら、「これはエロい」だな。

 ひとことで喩えるなら「マンガにするなら陽気婢で!」だな。

 挿入も濡れ場も無し。にもかかわらず、動機がエロい、描写がエロい、展開がエロい、オチが○○、完全無欠、逃げ場無しのエロさ。ノーベル文学賞だかなんだか知らないけれど、この人の作品を教科書に載せていることがエロくて顔真っ赤にして反撃したくなる。川端康成といえば「掌の小説」がいいなぁ、と思っていたが、こんなにエロい(当時の用語では退廃:デカダン)のを書いてたなんてっ。

 白眉なのは匂い。小説読んでて「匂い」をこれほどまぢかに感じ取るのは珍しい。おんなの生々しい匂いなら他の小説でかいだことがあるが、濃いきむすめの匂いをシミュレートできるのは本書だけ。女の本質は匂いだ、と言い切るわたしにとって、おもわずガシッと握手したくなる。確かに、薬で深い眠りに陥った美女たちとコミュニケートするには、匂いでしかない。こちらは○○したり△△したり、いろいろできるだろうが、その反応といえば… やはり匂いだろう。

 エロを追求している読み手に、ふと老いの本質に迫る文章が突きつけられる。みずみずしい裸の肉体をそばにすると、老いは、より対照的になる。

娘はただ金ほしさで眠っているだけにちがいない。しかし金を払う老人どもにとっては、このような娘のそばに横たわることは、この世ならぬよろこびなのにちがいない。娘が決して目をさまさないために、年寄りの客は老衰の劣等感に恥じることがなく、女についての妄想や追憶も限りなく自由にゆるされることなのだろう。目をさましている女によりも高く払って惜しまぬのもそのためなのだろうか。

 世界最高のコストパフォーマンスを誇る日本の風俗業は、介護産業をしのぐだろうな。その際、このような「ニッチ」な添い寝サービスもありうるな、と半ば冗談でも思わせられる。

 しょっぱなからして誘うような文章。お気に召したら、召し上がれ。

たちの悪いいたずらはなさらないで下さいませよ、眠っている女の子の口に指を入れようとなさったりすることもいけませんよ、

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