« PMP試験対策 2.1プロジェクトマネジメント・プロセス | トップページ | トラウマンガ募集します »

劇薬小説【まとめ】

 はてな「読後感サイアクの小説を教えてください」で教えていただいたものを、読んできた。質問[ここ]からピックアップしている。過去のエントリ「劇薬小説を探せ!」を元ネタにして、これまで読んできた劇薬小説をまとめてみる。

――――――――――――――――――――――――――――――――
劇薬小説とは

 読了して後味の悪い思いをした小説を指す。読んだことを激しく後悔するような、いやあぁぁぁな気分にさせてくれる本。下らなくて情けなくなる「壁投げ本」ではない。また、マンガを含めると莫大になるので、対象外とする(ちなみに劇薬マンガNo.1は日野日出志「地獄の子守唄」)。

    エロだったりグロかったり、救いがなかったり

    大の大人なのに怖くて夜に読めなかったり

    読了してヘコんだり、生きる気力が奪われたり

    生理的にクるものに、おもわずマジ嘔吐したり

    その後、人生のトラウマと化したり

 小説はしょせん絵空事。リアルでない物語に実人生を侵食されるほどヤワじゃないと思っているし、相当読みこんできている自負もある。だからたいていの「オススメ」はたいしたものじゃない。ただの「出来のよい」ホラーや「救われないラストの」ミステリなら山ほどある。はてなの住民は「普通」で「お上品」な方が多いような気が。

 「爽やかな感動が得られます」クソクラエ。本を読んで感動するのは、実人生で感動するための訓練のためじゃろう。おまいらリアルで感動できないくせに小説に感動を求めるんじゃねェ!それはウソんこの感動だ。感動のシミュレートだ。

 ハラ減ってメシがうまい→感動。女はやっぱり美しい→感動。セックスはすばらしい→感動。くたびれて眠る→感動。感動できない未熟な人が、小説を読んで感動したフリをしているんだろ。マスターベーションと同じなり。

 人間やってて毎日感動しているんだから、たまには感情をネガティブにドライブしないと、釣り合いが取れない。ホラ、アイスクリームの後に熱い緑茶が飲みたくなったり、恋愛映画を見た後はスプラッタで口直しが必要だったりするだろ。

 けれども人間をやめるわけにはいかないので、やめたつもりになってみるぞジョジョオオオォォォーーーーーッ!!っつーわけで、「これは!」というものをチョイスした。

――――――――――――――――――――――――――――――――
2005.8時点でのランキング

最悪の読後感は、

  1.隣の家の少女(ジャック・ケッチャム)
  2.ぼくはお城の王様だ(スーザン・ヒル)
  3.砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない(桜庭一樹)
  4.蝿の王(ウィリアム・ゴールディング)

となっていた…

隣の家の少女隣ぼくはお城の王様だ砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない蝿の王

 ワースト3のサイアクっぷりは以下のとおり(【注意!】激しくネタバレだけなでなく、ショッキングなことも書いてあるので、承知したうえで反転表示してねッ)

 「隣の家の少女」は、虐待されるガールフレンドを助けられなかった男の子の話。両親を交通事故で亡くした姉妹を引き取った女が折檻する。そのエスカレートっぷりはわたしの限界を超えている。女は姉妹を地下室に監禁し、強がる姉を剥く。そして、自分の息子に「おまえ童貞だろ、ファックしてやりな」とけしかける。さらには××××ワードを糸で腹に縫い付ける場面はじゅうぶん嘔吐に値する。

 救われないのは、主人公が少年(子どもでないが、無力)というところ。姉のほうに淡い恋心を抱き、なんとかしようと足掻くのだが、しょせん子ども。己の無力さを思い知る。ラスト1ページで意趣返しはかなうのだが、そんなことをしても何も救われない。

 「ぼくはお城の王様だ」は、「強い立場」の子どもが「弱い立場」の子どもをイジメる話。読みどころは、誰もおかしくないこと。イジメられている子の母や、イジメっ子の父が偽善的に描かれていればまだ救いはある。しかし、誰かを悪者のように描いていない。ただ、ほんの少しだけ子どもから目を離していただけ(だと思いたい)。イジメっ子自身も悪者のように描いていない。イジメ慣れしていない子がイジメに走ると、陰惨なやつになる典型。

 誰も悪くないなどとは言わないが、誰かのせいにして読者に納得させること許さない。最終的に自殺にまで追い込まれる理由は、憎しみだ。イジメっ子が憎い、分かってくれない母も憎い、だが最もやりきれないのは、どこにも持って行き場のない憎悪を抱いてしまった自分自身。そのあまりの禍々しさにおののくシーンがある。誰にも打ち明けることもできず、独りで立ち向かうこともできず、ただ泣くしかない。普通の小説なら、誰かが流れを変えるきっかけをくれるのだが、ない。知らずに期待して読むと酷い目に遭う。

 「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」は、友達がバラバラにされて積まれているのを、女の子が見つけるまでの話。ラストでどうなるかは最初のページに書いてある。理不尽なセカイに無力なワタシ。オトナになるためには、子どもを生きのびなければならない。

 着地点が分かっていて、そこへの過程を綿密にたどるかと思いきや、そうではない。なぜそんなことになってしまったのかは説明されていない。「百合小説の傑作」という誰かの誉め言葉と表紙の萌え絵に吸い寄せられたのが運の尽き。予備知識ゼロで読んだ人は酷いショックを受けるかもしれない(例えば「君が望む永遠」を予備知識ゼロでプレイするとか)。

 ああ、そういえばわたしもそうだった無力で壊れやすい子どもだった。しかし、残虐なイジメに出くわすこともなく、己の憎悪に打ちひしがれることもなく、狂った親に殺されることもなかった。

以上、「最悪の読後感を味わわせてくれる小説」より引用した。こいつを肴にはてなでオススメいただいたものを読んだ結果がこれだ↓

――――――――――――――――――――――――――――――――
「はてな」でのオススメ劇薬小説

殺戮の「野獣館」(リチャード・レイモン)

読むハードコア・スプラッタ

 まずハードコア。強姦、獣姦、近親相姦。死姦、幼姦、阿鼻叫喚。嫐(女男女)も嬲(男女男)もある。まんぐり、八艘渡、緊縄、ロリペドなんでもござれ。ハードSM、食糞や飲尿まであれば百花繚乱だが、さすがにそこまではいかんかった。

 スプラッタも負けてない。一撃で顔の半分がエグりとられたり、食い散らかされ脊髄と下半身しか残っていなかったり、血まみれの親の前で娘(10歳ぐらい?)を○○したり、交合中に首チョンパだったり。ナイフ、銃、斧、チョーキング…と殺人手段もなんでもござれ(爆殺と薬殺がなかった)。

 じゃぁただのエログロバイオレンスかというとそうでもない。めちゃめちゃなストーリーだがこれがオモシロー。目を閉じアクセル踏みっぱなしの一本道だとアタリをつけていると、ラストでとんでもないオチが待っている…

  続きはここ→[参照]


D-ブリッジ・テープD-ブリッジ・テープ(沙藤一樹)

ネコ好き厳禁!

 グロ本。通常、グロはエロとセットなのだが、エロは皆無。オススメいただいて、かなり期待して読んだのだが、残念!非常に楽しく読ませてもらった。大感謝。悪食や自傷シーンは人によると吐くかもしれないので、ご注意を…

 近未来、ゴミに溢れた横浜ベイブリッジで少年の死体と一本のカセットテープが発見された。いま、再開発計画に予算を落とそうと、会議室に集まる人々の前でそのテープが再生されようとしていた。耳障りな雑音に続いて、犬に似た息遣いと少年の声。会議室で大人たちの空虚な会話が続くなか、テープには彼の凄絶な告白が…

  続きはここ→[参照]

完璧な犠牲者完璧な犠牲者(クリスティーン・マクガイア)

事実は小説よりも奇を地で行く

 ハタチの娘が拉致され、調教され、肉奴隷となった7年間の話。これが「小説」ではなくノンフィクションであるところがスゴい。誘拐した男が自作した箱に「監禁」されるのだが、ぐだぐだここで説明するよりもこの絵を見たほうが早い…

  続きはここ→[参照]

閉鎖病棟閉鎖病棟(パトリック・マグラア)

本当に「歪んだ純愛の形」なのか?

 素直に「良かった」といえる作品。劇薬度は低。この小説をどういう風に読むのが効果的か考え込んでしまう。「歪んだ純愛の形」も「狂気に燃える情炎」もマチガイではないのだが、話者の狂気まで想像が閃いてしまうのは気のせい? 裏読みすぎ?

── けれども、時どき出てくる一人称がどうしても目に付くのよ、まるで読んでる自分が試されている気がして。そして読み終わった後でもじくじくと後を引くのよ、そういう意味では遅効性の毒薬なのかも。

  続きはここ→[参照]

自由自殺法自由自殺法(戸梶 圭太)

プロット一発勝負なら大傑作

 ただし、書いてる途中に行き倒れてしまっているもったいない作品。名は体、「国家が自殺ほう助する世界」の話。リアルな日本が描かれている。ネットよくあるセリフ「死ねば?」を執拗に拡大解釈し、「使えない国民を自殺まで誘導する」国家プロジェクトまで昇華させている。そのクセ内情は一切明かさない。ここまでは三重マル…

  続きはここ→[参照]

溝鼠溝鼠(新堂冬樹)

ずばりヘンタイ小説

 「ヘンタイがでてきて読後感サイアク」との触れ込みで読んだが、勧めてくれた方は団鬼六を読んでないな。「溝鼠」をヘンタイというならば「花と蛇」をどうぞ。ヘンタイ萌えできますぞ。グロを抜いたらフランス書院にすら負ける。ただし、「そういうの」を身構えずに読んだ方はかわいそうかも。肛虐や飲尿が普通にあるし(笑 

  続きはここ→[参照]

アクアリウムの夜アクアリウムの夜(稲生平太郎)

「それなんてエロゲ?」

 文体がイヤらしい。まとい付くような書き方で、描写文が沢山あるにもかかわらず、実感がわかない。例えば、「激痛が走った」とあっても、まるで現実感がない。著者はどう痛いのかを想像して書くよりも、キャラを痛めつけるシーンだからそう書いているだけ。そうした意味でもテキスト系アドベンチャーゲームを彷彿とさせられた…

  続きはここ→[参照]

我らが影の声(ジョナサン・キャロル)

ネタバレ厳禁

 やべ、一行たりとも感想が書けない。このblogを選書の参考にしている奇特な方もいらっしゃるようなので、書けない。どう書いてもバレになる。こんな小説は珍しい。

 常態から異常事態へ。このお話を「狂気」の一言で片付けられたらどんなに嬉しいことか。しかし、どこも狂ってないのがおそろしい。だいたいヒトを「正気」と「狂気」の2色で塗り分けようとすること自体がおかしい。正気の中にも狂気を宿し、狂っていても一貫性を見出そうとするのが、ヒトだ…

  続きはここ→[参照]

悦楽園悦楽園(皆川博子)

「獣舎のスキャット」は劇薬注意!

 やっほう!みんな聞いてくれ!「獣舎のスキャット」は読後感サイアクだったぞ。だからうっかり読まないように気をつけてね、特に女性は…

 この短編が収録されている「悦楽園」(皆川博子)は粒ぞろい。「退廃 + 刹那」の全共闘の時代なので、若い読者はとまどうかもしれないけれど、通底する コンセプトは一緒「人間こそが恐ろしい」。それは"血"だったり"業"だったり、あるいは過去のおぞましい記憶だったり。

  続きはここ→[参照]

盤上の敵盤上の敵(北村薫)

時限爆弾を解除する読み方

  とても面白し。ところがamazonレビューでは「傷ついた」「落ち込んだ」「世の中の不条理を考えさせられた」が続出。何で? これのどこが「読後感サイアク」なのだろう… と想像して思いあたった…

  続きはここ→[参照]

暗い森の少女(ジョン・ソール)

ひさびさに背筋が凍った

 とはいえ「正統派」なので展開はすぐに見抜ける。今の読者ならほとんど分かるに違いない。ほら、あれだ。80年代に流行ったホラー映画のアレ。伏線を張って「来るぞ来るぞ~」と読者に思わせておいて、やっぱり、

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!

  続きはここ→[参照]

きみとぼくの壊れた世界きみとぼくの壊れた世界(西尾維新)

妹+ツンデレ+密室殺人

 萌え本としてスゴ本。かつ極悪なラストでやんの。「読後感サイアクの後味の悪さ」で紹介されたはずなのだが、とても楽しませていただいた。その理由として、わたし自身ギャルゲを少々たしなんでいたからだと告白しておく …ってか端々でそれを意識させられる(もちろんその経験がなくても充分楽しめる)…

 これは小説仕立てのギャルゲ。電脳紙芝居あるいはビジュアルノベルとも呼ばれ、「萌え絵+ヒネた主人公のモノローグ」で構成される。プレイヤー(読者)はときどき出てくる選択肢から「選ぶ」ことでお話を先に進め、異なる結末を目指す(マルチエンディング)。んで、がんばって読み進めたごほうびに18禁絵が出る(たいてい女の子の"攻略"に成功したときに、ね)。

  続きはここ→[参照]

妖魔の森の家妖魔の森の家(ディクスン・カー)

この手法のご先祖様

 スッキリ明快な帰結なのに、こんなにも生臭く肌寒い読後感は最高ですな。ディクスン・カーの短編「妖魔の森の家」のラストでまで読んで、一瞬だけ「自分の脳が理解することを拒絶した」そのとき、脳みそが動いたかのような錯覚が味わえる…

  続きはここ→[参照]

贈る物語 Terror贈る物語 Terror(宮部みゆき編)

遅効性のヤな感じを味わう「くじ」

 収録作品はどれもピカイチ。ホラー好きなら、知らないなんてぶっちゃけありえない。おまけにゲーマー宮部氏の面目躍如、ロープレとアンソロジーの見事な融合も楽しめる(人狼の章はゲームのために起こしたとしか思えない)。
 さらに、「人はなぜ怖い話をするのか?」への彼女の回答に深く頷くべし。「人は誰しも心に闇を…」論なんだが、このアンソロジーを順に最後まで読むと納得できる(特にラストに「パラダイス・モーテルにて」を持ってくるところがGood!)。彼女はこの問いに答えるために、この本を編んだのだろうって…

  続きはここ→[参照]

ずっとお城で暮らしてる(シャーリイ・ジャクソン)

ホラーには美少女がよく似合う

少女という存在は見ているこっちが不安になるほど不安定なるもの。だから少女をきっちり描いているだけで、ゾワゾワしてくる…

  続きはここ→[参照]

たたりたたり(シャーリイ・ジャクソン)

 怖い、じつに怖い。「こわい本」大好きなわたしだが、今までさんざんそのテの小説は読んできたつもりだが、こいつはスゴく怖い思いをした

 どうして怖いのかというと、恐怖が間接的に、読み手の想像力に働きかけているかのように描かれているから。それはまず、登場人物が丘の屋敷から感じる、はっきりしない違和感として描かれる。不安定な感覚は不安に、そして恐怖へと静かに変わってゆく。
 じわじわ、じわじわ変わってゆく。

  続きはここ→[参照]

告白告白(町田康)

徹夜小説+劇薬小説+キ●ガイシミュレーター、そしてスゴ本

 一言で表すなら、読むロック(ただし8beat)。幸いなことに(?)これが何の小説であるか予備知識ゼロで読んだ。真黒なラストへ全速力で向かっていることをビクビク感じながら、まさかこんなとんでもない「事件」とは露知らず。
 テンポのいい河内弁でじゃかじゃか話が進む。この一定のリズムは音楽を聴いているようで心地よい。中毒性があり、ハマると本を閉じられなくなる。読み進むにつれ、朦朧とした不思議な感覚に包まれる。

  続きはここ→[参照]

――――――――――――――――――――――――――――――――
劇薬小説ランキング

現在こうなっている

  1.児童性愛者(ヤコブ・ビリング)
  2.隣の家の少女(ジャック・ケッチャム)
  3.獣舎のスキャット(皆川博子)
  4.暗い森の少女(ジョン・ソール)
  5.ぼくはお城の王様だ(スーザン・ヒル)
  6.砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない(桜庭一樹)
  7.蝿の王(ウィリアム・ゴールディング)

で、ランキングトップ(ワースト?)はこれ

児童性愛者児童性愛者(ヤコブ・ビリング)

ついに「隣の家の少女」を超える劇薬を読む

 エログロは無し。残虐シーンも無し。「読むスプラッタ」は楽しく読めたのに、本書は気分が悪くなった。特に、ある写真の真相が暴かれる場面は、予想どおりの展開であるにもかかわらず、読みながら嘔吐…で、ラストは絶望感でいっぱいに…

続きはここ→[参照]

――――――――――――――――――――――――――――――――
関連エントリ

そういえば「劇薬小説を探せ!」はどうなった?

読んではいけない――人生を狂わせる毒書案内

警告無しで読むには酷な小説

この企画の二番煎じ「読まなきゃよかった物語を教えて下さい。ネタバレ推奨」

――――――――――――――――――――――――――――――――
「はてな」でオススメいただいたその他の劇薬本

  • 記号を喰う魔女(浦賀和宏):壁投げ本。オススメしてくれた人に悪いが
  • 岬(中上健次):<未読>
  • 死者の奢り・飼育(大江健三郎):<未読>
  • 姉飼(遠藤徹):壁投げ本らしい。読まない
  • 黄金色の祈り(西沢保彦):くだらない話だったorz
  • 夏の滴(桐生祐狩):とんでもない話。後半で筆力がみるみる減っており作者が不憫なり。これは編集者の罪
  • 神様ゲーム(麻耶雄嵩):壁投げ本らしい。読まない
  • 夜の記憶(T.H.クック):<未読>
  • 悪いうさぎ(若竹七海):<未読>
  • グルーム(ジャン・ヴォートラン):<未読>
  • 雪の死神(ブリジット・オベール):orzらしいのでやめておく
  • 不思議な少年(マーク・トウェイン):たしかに厭世的になる
  • リカ(五十嵐貴久):壁投げ本。穂村愛美の方が恐ろしい
  • 鬱(花村万月):<未読>
  • クリスマス・テロル(佐藤友哉):壁投げ本らしい。読まない
  • 人獣細工(小林泰三):オススメした人に悪いが、くだらない
  • 恐怖夜話(ガストン・ルルー):<未読>
  • 夏の葬列(山川方夫):国語の教科書として読んだ人は激しくお気の毒というしか
  • 小説大逆事件(佐木隆三):<未読>
  • 異形の愛(キャサリン・ダン):畸形たちの「ホテル・ニューハンプシャー」(J.アーヴィング)
  • ロウフィールド館の惨劇(ルース・レンデル):<未読>
  • ZOO(乙一):激しく期待→激しく失望
  • 異形博覧会(井上雅彦):ソコソコ期待→失望
  • わが愛しき娘たちよ(コニー ウィリス):ひっかからなかった
  • ある晴れた日に(ドーン・パウェル):ひっかからなかった
  • 問題外科(筒井康隆):<未読>
  • クリスマスに少女は還る(キャロル・オコンネル):<未読>
  • チョコレート・ウォー(ロバート・コーミア):<未読>


――――――――――――――――――――――――――――――――
これから読む劇薬小説

  • 骨餓身峠死人葛(野坂昭如)
  • 問題外科(筒井康隆)
  • 地下室の手記(ドストエフスキー)
  • ロウフィールド館の惨劇(ルース・レンデル)


|

« PMP試験対策 2.1プロジェクトマネジメント・プロセス | トップページ | トラウマンガ募集します »

コメント

お、『骨餓身峠死人葛』ですか。

もし『骨餓身峠〜』がお好みでしたら、梁石日の『闇の子供たち』などいかがでしょう?私的には『オンリー・チャイルド』よりは良くて『砂糖菓子〜』『蠅の王』と同じくらいなので、ランクに引っかかるかどうか怪しいんですけどね…
私はクリスマスも近づいてきましたし『殺戮の「野獣館」』『悦楽園』探してみますー。

投稿: cyclolith | 2006.11.22 02:14

>> cyclolith さん

 既読の作品とからめて未読本をオススメいただけて、大変ありがたいです。「骨餓身峠~」に気持ちよく最悪の気分になれれば、「闇の子供たち」に手を出してみようかと。

 そういえば、以前オススメいただいた「逆光の部屋」は素晴らしかったです。音楽室での教師緊縛の一場が特に痛快でした。良い(?)本をオススメいただき、感謝しております。

 「殺戮の野獣館」は、あまりのエログロスプラッタに大笑いしてしまうかもしれません。「悦楽園」は、どの短編を読んでも「にんげんって、ほんとうにヤだな」という結論で、ガチでヤな気分になるかと。

投稿: Dain | 2006.11.23 00:25

タイトルからして危険な香りのするものばかりですねー。
私ならこのタイトルの羅列を見ただけでお腹一杯です。

グロとかホラーとは違いますが、楽しむならジョン・ル・カレの小説あたりが多少苦いくらいで程よいですね。最近映画化した「ナイロビの蜂」が中々オススメです。

"やっぱアフリカは日常がホラーだぜ"って雰囲気がひしひしと伝わってきて、治安の良い国に住んでることに感謝せずにはいられません。
「カラシニコフ」や「チャイルドソルジャー」を読んだ後なら尚の事。

フィクション作品ではありますが、アフリカの実情をよく汲み取り、製薬業界に関する取材などはかなり核心に迫っていると思います。
「完璧な犠牲者」然り、現実ほど恐ろしいものはありません。

投稿: jackal | 2006.11.23 02:04

>> jackal さん

  > 現実ほど恐ろしいものはありません

 確かにその通りですね。小説よりも奇なる事実に相対する前に、練習として小説があるのだと思っています。優れた劇薬小説には必ずといっていいほど、モデルとなった「事件」があることに着目すると、このリストはいっそう興味深くなります。

 「ナイロビの蜂」は嫁さんが既読で、感想を訊くと一言、「つ、疲れた…」だそうなので敬遠中です。そういえば、ル・カレはずいぶんと読んでないや。

投稿: Dain | 2006.11.23 23:50

ル・カレの長編は確かにある程度人を選ぶところがありますね。
どの訳者の人でも濃密な文章で、悪い言い方をすればクドイ。(どうも原文からそうらしい)
その割に報われない結末を迎える事が多いですし、ほとんどの場合、読後には爽快感より、やり切れなさを感じます。

上記の劇薬小説と比較するならば、ちょっと苦い漢方薬といったところでしょうか?

それを補って有り余る面白さはあると思いますが・・・
寒い国~だけではル・カレ作品の真骨頂は味わえないので機会があれば他作品(特に超長編にして最高傑作のスマイリー3部作)も是非!

投稿: jackal | 2006.11.26 04:26

>> jackal さん

 ル・カレなら「ティンカー」が最高傑作だと聞いたことがありますが、最近では「仲間たち」がイチバンとの噂も… ううむ、読みたい、読みますゾ(とはいえ、以前オススメいただいた「女王陛下のユリシーズ号」も未読なのに←徹夜本なことは手にとって直感的に分かっているのですが…)

投稿: Dain | 2006.11.26 22:24

「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」
「スクールボーイ閣下」上・下
「スマイリーと仲間達」

上記がル・カレファンの間でいうスマイリー3部作に当たります。一応バラでも読めるように構成されていますが、やはり上から順番に読むのが正解でしょう。寝不足で困るといけないので休み前に読むべきです!

尚主人公のスマイリーは他のル・カレ作品にも主役・脇役を問わず多数出演していますので、探してみると面白いかもしれません。

投稿: jackal | 2006.11.28 00:14

>> jackal さん

了解です!
「女王陛下のユリシーズ号」の後に手を出しますね
↑これは傑作だとあちこちで聞いています
あの内藤陳の評価だと…
★★★★★ ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ 
★★★★★ スクールボーイ閣下
★★★★★ スマイリーと仲間達

で、

★★★★★ 女王陛下のユリシーズ号

全部★5やんか!というツッコミは当然でしょう!

[参考]
http://biomasa.5.pro.tok2.com/goodlist/bktop1.htm

投稿: Dain | 2006.11.28 00:36

こんにちは。こちらのサイトの記事を読んで「カラマーゾフの兄弟」「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」を購入しました。前者は人生の一冊になり、後者は絵と内容のギャップにがっつりヤられました。
「ぼくはお城の王様だ」も、読後感の絶望感は酷かったです。

劇薬小説ですが、こちらのエントリでありそうで見当たら無かったので『アメリカン・サイコ』をお薦めします。

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4042673015

映画化されていますが、原作の粘着っぷりには全く及びません。
異常に読みにくい「あえての悪文」で、猟奇的性描写と、消費財(洋服、電化製品、生活用品)のオタク的こだわりが、繰り返し偏執的なまでに描かれます。消費社会の滑稽さと空虚さを散々描き続け、ラストを「終わらない世界に在り続ける地獄」で締めるのも凶悪です。読後しばらく人生が虚しくなりました。

悪文と展開の悪さで、人によっては「壁投げ本」になるかもしれませんが……

投稿: g-cat | 2006.12.02 02:56

>> g-cat さん

「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」「ぼくはお城の王様だ」毒薬を承知して読んだのですね、愉しめた(?)ようなのでよかったです

「アメリカン・サイコ」は壁投げした一冊(上下巻だから2冊)です。あの悪文は意図的だったのか…
積ン読ク山の一角に埋もれているはずなので、掘りおこしてみようかと

投稿: Dain | 2006.12.02 09:38

劇薬小説。
平山夢明の「独白するユニバーサル横メルカトル」

読者を嫌な気分にさせてやろうという
どす黒い悪意が結晶した汚物のような短編集。

2007年版 このミス(このミステリーがすごい!)の
一位に選ばれててビックリしました。
有力作が無く、票が割れた結果のようですが、
インパクトは本物。

投稿: Melt | 2006.12.17 21:03

>>Melt さん

 おお、ぜんぜん知りませんでした、教えていただき、ありがとうございます ── というか、このテの「この○○はスゴい!」という奴は、時間的制約やオトナの事情や政治的云々があることを充分に理解しているつもりなので、鵜呑みは避けています。

 少し漁ってみたところ、以下のグロホラーと同程度といった感じです。

   夏の滴(桐生祐狩)
   人獣細工(小林泰三)
   異形博覧会(井上雅彦)

 > インパクトは本物。

 この言葉を信じて、まずは実物を手にとってみますね。

投稿: Dain | 2006.12.17 22:57

『隣の家の少女』読みましたが、私には耐性ありました。拷問シーンが物足りなかったです。大藪春彦のスパイ物(西条シリーズ?)に女スパイが拷問され殺される話がありましたが、それで耐性が付いていたみたいです。

投稿: goldius | 2007.09.19 09:21

>> goldius さん

グロ耐性があるのは、いいことなのかそうでないのか分かりませんが、読みどころは別のような気が…

投稿: Dain | 2007.09.19 22:16

もうご存知だとは思いますが、、
バニシェフスキー
ガートルード・バニシェフスキー
で検索すれば出てきますが
隣の家の少女って元の実話があるんですよね。
先に知ってたので勃起しただけでした。
実話だからって事じゃなくて小説家のイメージなんて現実を超えた試しがないと思いませんか?
北九州監禁殺人事件に比べれば本当に屁でもない。
こいつの裁判記録はオススメ。

投稿: クロ | 2008.09.24 22:00

児童性愛も胸糞悪いですが私が劇薬だったのは「くらぶきっず」というサイトです。幼児死体マニアの小学校教師のサイトだったのですがハンドルは「三度のメシより子供の死体」。通称三度メシとして有名でした。男の子の死体が好きな人がいる事を知らなかったので「知ってしまった感」は凄かった(笑)。彼、スマトラ沖まで出かけてましたよ。ドザエモンハンティングに。
児童性愛と違って被害者がいない?からいいけど。遺族はぶち切れましたが。
劇薬探しはとりあえずグーグルのフィルタリング解除から始めてはいかがかと。

投稿: クロ | 2008.09.24 22:16

>> クロさん

情報ありがとうございます。

かなり昔ですが、バニシェフスキー事件については、日本語に翻訳された「まとめ」を読んだ記憶があります。その陰惨な虐待に吐き気を覚えました。ケッチャムはそこに着想を得ただけでしょう。事実は小説よりも異常ですな。

で、いま読んでいる「17人のわたし」がスゴいです(原題は"Swiching Time")。赤ん坊のころから執拗に継続的に虐待を受け、多重人格となった女性の記録です。これ読んでいると、小説家の想像力の限界を思い知らされます。

「三度メシ」はカンベンしてください。胸糞悪さを通り越して、一種畏敬のようなものすら感じます。わたしにゃ、GON!の死体マニア・タイ紀行あたりで充分刺激的です。

それから、劇薬探しにGoogleフィルタリング解除はオススメできません。イラクで赤ん坊を射殺した某国の兵隊や、「ぽそ」のムキダシの暴力、リアル脳姦なんか見てると、人間の限界を突破できる気になりますので(I can FLY!)。

投稿: Dain | 2008.09.25 23:36

「姉飼」を壁投げ本としちゃうのはちょっと抵抗がありますねえ。劇薬ってわけじゃないですが江戸川乱歩が好きならその系譜にマッチするかと。
悪趣味とフェティシズムをやや上品にからめています。「もっとキツい奴を!」という需要に応えるものではないですけどね。

投稿: 長谷川一成 | 2008.12.02 23:33

>>長谷川一成さん

教えていただき、ありがとうございます。

乱歩の悪趣味+フェティシズムなら、「人間椅子」や「芋虫」あたりの傑作が浮かんでくるのですが、それを期待して読んでもいいのかどうか、ちょっと心配です。失望は期待度に比例しますから。

投稿: Dain | 2008.12.04 23:14

あー、傑作というわけではないので(デビュー作ですし)そこまで期待して読むものではないです。傑作以外は壁投げ本と言っているわけではないと思っていました。
今後、傑作をものにできる可能性を秘めているって程度です。あと、江戸川乱歩の新作は発表されませんからね。あのジャンルをもっと読みたいという需要には応えられるでしょう。

投稿: 長谷川 一成 | 2008.12.14 10:41

>>長谷川一成さん

補足ありがとうございます、おかげで無理に期待する必要はないと判断できました。乱歩の系譜はかなり深いことに気づきましたので、いまのところ足りています。

投稿: Dain | 2008.12.15 00:11

どれも劇薬揃いですね…!

遠藤徹さんの「壊れた少女を拾ったので」は、前作「姉飼い」より劇薬度は上がっているかと。
特に3つ目に収録された「赤ヒ月」のメインは内臓なので;

耐性ある方だと物足りないかもしれませんが、私はその世界感が魅力だと思っています。

投稿: 乃菓 | 2009.01.27 11:50

>>乃菓さん

教えていただき、ありがとうございます。
「姉飼い」よりもグレードが上ですか!
「弁頭屋」という単行本に収録されているようなので、手を出してみますね。

投稿: Dain | 2009.01.27 23:47

Dainさんの感想、是非聞きたいものです。

ところで、今何を読もうか激しく悩み中なんですが…
何か、《狂愛》要素のあるエログロ系の本ってありませんか?

投稿: 乃菓 | 2009.01.28 07:38

>>乃菓さん

昨年は、澁澤龍彦の「ホラー・ドラコニア少女小説」シリーズにどっぷり浸りました。
5冊まとめてのレビューは以下にあります。
http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2008/01/5_1360.html

なかでも、「ジェローム神父」が秀逸で、マルキ・ド・サド×澁澤龍彦×会田誠という夢のような組み合わせです。ビジュアル的にも「狂愛+エログロ」を満たしています。

投稿: Dain | 2009.01.28 21:49

有難うございます!
早速読んでみようと思います。
楽しみです←

投稿: 乃菓 | 2009.01.28 22:18

>>乃菓さん

ごゆっくりどうぞー

…で、これを超える逸品がありましたら、
ご教授いただけますよう、お願いします。

投稿: Dain | 2009.01.31 07:55

>>乃菓さん

「赤ヒ月」読みました、いい作品ですね、ありがとうございます。書き手の狙い通り、グロエロティックな感情を貪りました。ヴァギナは内臓であり、ペニスは露出した内臓でもあるのですね。語り手が徹頭徹尾クールなので、もっと「はっちゃけ」るといいのにーとも思いましたが、そこも狙ってやっているのでしょう。

投稿: Dain | 2009.02.18 00:34

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/18285/12776066

この記事へのトラックバック一覧です: 劇薬小説【まとめ】:

» 061123 [死神ラッコの備忘録]
気になる日々のニュースをクリップ! [続きを読む]

受信: 2006.11.22 19:37

» 生き残ること。戦い方。そして世界。 [Chromeplated Rat]
ぼくは生き残っている。それは結果論でしかない。 砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない作者: 桜庭 一樹出版社/メーカー: 富士見書房発売日: 2004/11メディア: 文庫 ぼくがライトノベル(当時はそんな呼び方はなかったけど)をもっとも頻繁に読んでいたのは大学生の頃だ。むくつけき、どちらかというといかつい見た目をしながら、コバルト文庫の氷室冴子を中心に「青春小説」「少女小説」を読んでいた。 そこに感じていたある種の甘さは、当時澁澤龍彦を読んだり、シュルレアリスムの絵画を見たりすることで受け取って... [続きを読む]

受信: 2006.12.11 23:58

» [culture]ついでにゆりが見つけた「読後感最悪な本」 [歩きつづける ゆり 咲きつづける]
WELL 作者: 木原音瀬, 藤田貴美 出版社/メーカー: 蒼竜社 発売日: 2007/02/21 メディア: 新書 ちょっと長く書くよ。 ううん、いわゆる最近出てきたボーイズ・ラブというジャンルの単行本です。以前友だちにすすめられたのと、ダ・ヴィンチでやたら三浦しをんがヨイショして... [続きを読む]

受信: 2007.02.26 01:56

» 『隣の家の少女』 ジャック・ケッチャム 扶桑社ミステリー文庫 [目次が日本一のブログ(自称w挑戦者求む)]
隣の家の少女 (扶桑社ミステリー)/ジャック ケッチャム ¥720 Amazon.co.jp 岡崎武志 より『読書の腕前』 が凄いと思われる、 有名スゴ腕ブロガーDain さんの注目本なので、 超期待したが、 期待が大きすぎたせいか今一でした。 もっともお勧め本ではな... [続きを読む]

受信: 2007.09.19 09:17

» ウィリアム・ゴールディングの「蝿の王」を読んだ [マサキブログ]
ウィリアム・ゴールディングの「蝿の王」を読んだ。2年程前に、「わたしが知らない... [続きを読む]

受信: 2009.01.28 01:17

« PMP試験対策 2.1プロジェクトマネジメント・プロセス | トップページ | トラウマンガ募集します »