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「ローマ人の物語」を10倍楽しく読む方法:「古代ローマ軍団大百科」

古代ローマ軍団大百科 「ローマ人の物語」を読むとき、最強のサブテキストになる。特に、ハンニバル編とカエサル編を読むときは、手元にあると興奮が倍増する。基本的に、「ローマ人」は文章ばかりなので、本書に満載されているレリーフの写真、想像図、再演の画像で補強するといいかも。

 土木建設国家ローマの兵隊は、基本的に工兵だ。道をつくり橋をつくり、宿営地や砦をつくる。剣よりもスコップ持ってる時間の方が長かったんじゃないかと。そんなローマ軍団に密着取材してみました、というのが本書。

 まず、装備や兵舎から、食事や宗教、給与にいたるまでの日常生活を始めとし、非番の日は何をしていたか、家族は、結婚は、娯楽は…と、さまざまな疑問に答えてくれる。自分の葬式代を給料から積み立てていた… なんて、生々しいネタも拾える。2000年前のローマ軍が現代のPKFよりも身近に感じられる。

 さらには、軍事教練や、日課、軍団組織の発展や騎兵の使用形態、海軍の創設といった、軍隊としての組織や活動の詳細を知ることができる。戦争になったときの、軍団と支援軍騎兵隊の関係、輜重隊の位置付け、戦闘隊形、など士官レベルの情報も網羅している。

 スゴいのは、歴史に残る戦いを詳細に分析したレポート。両軍の戦力と戦闘方針の分析、実際の戦闘の推移が立体的に描かれ、シミュレーションゲームのように「見える」。(書き手の想像力とあいまって)自分もあれこれ妄想をたくましくできる。


  • エクノムスの戦い(前256)
  • カンナエ(カンネー)の戦い(前216.8.2)
  • ボウディッカ征伐(60)
  • マサダの攻囲戦(73)
  • ストラスブールの会戦(357)

 カンネーの戦いの分析にしびれた。ローマ軍の主力重装歩兵の密集団の圧力をどのように受け→散らし→包囲戦へ持ち込んだか、同時にガリア騎兵をこれ以上ないほど巧妙に用兵していったか、が見てきたように描かれている。

 「古代ローマ軍団のすべてが分かる」という宣伝文句はダテじゃない。古代ローマの軍団に特化してここまで掘り下げて書いてあるのは、初めてじゃないかしらん。

 そうそう、本書は非常に濃ゆい逸品だけど、お値段も立派なので、図書館で借りるべし。

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