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もしあなたが週60時間以上働いているとすれば、父親として役に立たない。息子が問題をもつようになったら、それはあなたのせいだろう

男の子って、どうしてこうなの お題は次の文に続く──「父親はきちんと家に帰ってきて、こどもと一緒に遊んだり、笑ったり、じゃれあったり、ものを教えたりする必要がある」

 のっけからショッキングな断定文が続くが、読み進めて納得した。「男の子って、どうしてこうなの?」は、異性である息子を育てるのに途方にくれる母親たちへの福音書かもしれないが、父親が読むと考えを改めさせる指南書なのかも。

 けれども会議が、出張が、締め切りが、なんて抗議の声は上げられる。生活を成り立たせるための仕事を放り出したりすれば本末転倒ではないかと。同意、わたしもそうだから。それでもココロのどこかで知っている、ものごとには、取り返しがつくものと、つかないものがある。そして、代替の利くものと、利かないものがある。取り返しがつかないものは、子どもとの時間であり、代替が利かないものは、父親だ、ということに

 たとえば近所の公園。「公園いってキャッチボールしよう」「紙ヒコーキ折ったら公園で飛ばそうか」と誘って子どもが喜んで一緒にいく、なんてあと何年できることやら。すぐに「友達と一緒にどこかへ」になるに違いない。つまり、公園で遊べる期間は、ある年齢を過ぎてしまえば取り返しがつかない時間となり、その相手は、父親以外の誰も代わりができない。

 では、父親のがんばりが全てかというと、かなり違う。

 女の子とうまくやっていくコツを教えるのは母親の役目。異性を前にしても素直に自分を表現できることは、実はかなり重要なスキルなんだが、それを伝える方法が書いてある。ショッピングセンターでクラスメイト(女の子二人)と会った息子の例が秀逸。あいさつしても女の子たちはクスクス笑いあうだけで返事しない。意気消沈する息子に、母親があるアドバイスをする。要は「好きな男の子の前では、女の子はクスクス笑うもの」を伝えて、実行させるのだが、そのやり方がイイ。

 ガツンときたのが、夫婦のルールの話。しっかりと結びついた夫婦こそが、子どもを育てる上で最も重要な下地だということは合点承知だが、その根底のルールについて、本書はこうある。

結婚生活を維持していくためには、夫婦で顔を突き合わせ、おたがいに精いっぱいどなりあうことも時にひつようとなる。小さな行き違いによって溜まったうさが吐き出され、浄化されるからだ。ただし、女性はぜったいに安全だと感じない限り、男性とそのような正直で激しい言葉のやりとりをすることができない。自分が殴られないことを女性は知っている必要がある。


むろんそうじゃない夫婦を紙面やネットで知ることはあるが、自分はそうじゃないと「言わずに」証明し続けなければならない。

 まとめ:男の子は3つの段階をへて成長する。


  1. 誕生から6歳までのあいだ、少年たちは愛情を学ぶために沢山の愛情を必要とする。この時期、1対1で話しをしたり、教えたりすることが、子どもを世界とつなぐ助けとなる。それをする最良の人間はふつう母親であるが、父親がとってかわることもできる。
  2. 6歳ごろになると、少年たちは男というものに強い興味を示し、父親がクローズアップされるようになる。父親の興味の持ち方や時間の過ごし方が重要となる。とはいえ、母親の役目も依然として重要であり、息子が年を取ったからというだけの理由で、背景に退くべきでない
  3. 14歳を過ぎると、少年は助言者(個人的に少年の面倒をみ、少年がゆっくりとより広い世界に入っていくのを助ける、親以外の人)を必要とする。昔の社会は、この段階に区切りをつけるためにイニシエーションを行った。当時は、現在よりも多くの助言者がいた

 今のわたしに最も欠けているのが3。信頼のおけるほかの大人たちの長期にわたる積極的な助けがなければ、十代の少年たちを育てることができないとある。まさにその通りだと思う一方、いますぐ行動を起こさねばと背筋が伸びる。

 これは、わたしも試されているんだな。

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コメント

9歳から14歳の男の子3人を持つ単身赴任中の私には胸に刺さる内容ですな。
S後、奇跡的にトラブルフリーなので毎週末帰省してますが...焼け石に水なんでしょう。
近所の大人たちが世話を焼いてくれ、子供たちもなついているのがせめてもの救いかな。
早く自宅に戻らなきゃ!

投稿: 鉛のZEP | 2006.08.08 17:44

>> 鉛のZEP さん

 題名が扇情的でごめんなさい。「必ず子どもとの時間を作る」ことを意識する/しないかは、子どもとの関係において、後々影響が出てくるでしょう。だから、たとえわずかでも週末の時間は非常に重要かと。

 子どもの(特に男の子の)問題行動の原因は、父親との関係にあるという指摘は、まさにその通り――だからといって、今の仕事をどうせいちゅうねん!とツッコミを入れながら読めます。

 「60時間」という数字の多寡は別として、この本を読むことで「会社での立ち位置」「家庭での役割」を変えることになるかもしれません(少なくともわたしは恣意的に変えるようにしました)。

投稿: Dain | 2006.08.09 00:53

 私は心療カウンセリングを生業にしている臨床心理士です。
少し本の内容を鵜呑みにしてはいけないと忠告しておきたくて
書き込みをさせて頂きました。
確かに子供の成長で3歳までと5歳までと言うのがとても重要でその子供の性格の基盤を作る大切な時期であるけれども、だからと言って常に見守る必要は無いのですよ。60時間働こうが一言二言の会話が出来る時間を作るようにする、抱きしめてあげる温もりを与えてあげる。それを忘れなければ
もしあなたが週60時間以上働いているとすれば、父親として役に立たない。息子が問題をもつようになったら、それはあなたのせいだろう
なんて言葉は無意味になるでしょう

参考までに
私は両親から60時間以上に存在すら忘れ去られ、ネグレストによって、昔で言う多重人格障害を発病し病院に閉じ込められた経験を持っています。

投稿: 花火 | 2006.08.09 23:46

>> 花火 さん

 ご指摘ありがとうございます。「鵜呑みにしてはいけない」は確かにそのとおりだと思います。60時間の多寡が重要なのではなく、ふれあえるわずかな間に全力を尽くせ、というメッセージだと受け止めています。

 たっぷり愛されてこそ、愛とは何か分かってもらえるのだと思って親業(行?)に励んでいます。

投稿: Dain | 2006.08.10 00:45

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