「消された一家」で最高に胸クソ悪い体験を
はてなブックマークでオススメいただく。スズキトモユさん、たいへん感謝しております。これほどの胸クソ悪い体験はめったにないですゾ。
これ以上気分が悪くなりようのないぐらい嘔吐感を味わう。おまけにこの酸味、読んだ後いつまでも引きずっていられる。
こんな人間が「存在する」ことはよく理解できた。この人間を悪魔だの人でなしだの呼ぶのはたやすい。しかし、彼を悪魔とみなすことで思考を止めたら負けかな、と思いながら読み続けた。父親の解体の場面で体が読むのを拒絶した。しかし、なぜそんな事件が起きたのか、どうすれば回避できたのか、知りたくて最後まで読んだ。
今から考えると、そこで読むのを止めておけば良かったのに、と思っている。
それが、「消された一家―北九州・連続監禁殺人事件」
最悪の読後感を味わえるのは、最後まで読んでも、「なぜそんな事件が起きたのか」はぜんぜん分からないから。無抵抗の子どもの首にどういう風にコードを巻いて、どんな姿勢で絞めたか、といった行動は逐一知らされるが、「なぜ・どうして」は想像すらできない。
これを著者の筆力不足に帰するのは、あまりに気の毒。一人称で書けないルポルタージュの限界なのか。「事実は小説よりも奇」とは、たしかにその通り。しかし、事実を理解することができない。虚構でもいいからこの出来事を理解したいと願うのならば、小説にするしかないのか。
さて、ここまでひっぱった上で内容の紹介を。思い出したくもないのでamazon紹介文で茶を濁す。わたしが自信をもって言えるのは、以下の文が大変ひかえめだ、ということだ。
どう見ても劇薬本です。本当にありがとうございました。
amazon 見てたら同事件の別ルポを見つける。「なぜ家族は殺し合ったのか」だ。読むか…
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