大学新入生に薦める101冊
良いブックガイド。このテの奴はかなり警戒して読んでるが、嫌味たらしい選本・紹介は少なかった。
…というのも、新入生に「教養本として」薦める場合、教官は小難しい古典を挙げるのがふつう。難しい本を絶賛することで読書人としての鼻を高くしたいのだろうか?
しかしこれは違う。テーマを掲げ、古典を排し、大学(ここでは広島大学総合科学部)における教養的教育の知的水準とアウトラインを示すためのブックリスト。難しい本は「難しいよ」と明示するだけでなく、それを読みこなすための準備本まで紹介してくれる。
テーマは4つ。どれも重厚だけど、新書から大著まで取り揃えている。
1. 時代を超える基本教養
2. 人間の記録
3. 越境する知
4. 現代の重要問題
どこから始めてもいいし、どれを掘り下げても、根はつながっている。ただ、大人数の共著なので、レベルが低い「どくしょかんそうぶん」が混じっているのが難。紹介されてる本がかわいそう。
オモロイのは、難波紘二教授のレビュー!青臭く、ツッコミやすく、隙だらけの論旨がいい味出してる。いい本を沢山読んでて、コレを読むならコレも読め、と本の横のつながりを惜しげも無く教えてくれる。少しgoogleったら、この教授、こうばしいネット歴を持つようで、二度楽しませてもらった。
その一方、リストに無い本が非常に気になる。ゲーテを外してもドストエフスキーを入れてないのはイヤ~ん、ドーキンスあるのにベイトソンが無いのはナゼじゃぁぁぁ!そもそもピンチョン入れろよ!なんて吼えながら読んだ。
本書を読んでて読みたくなったリストを掲げる。軽いのも重いのも、楽しみ~
安土往還記(辻邦生)
知的複眼思考法(苅谷剛彦)
新幹線をつくった男(高橋団吉)
君たちはどう生きるか(吉野源三郎)
ラッセル幸福論(ラッセル)
オリエンタリズム(サイード)
部分と全体(ハイゼンベルグ)
ライシャワーの日本史(ライシャワー)
ゲーデル・エッシャー・バッハ(ダグラス・R・ホフスタッター)
あ、あと最後の第5章「本の買い方選び方」が素晴らしい。このblogを読んでるアナタなら、自分のスタイルを確立しているだろうが、大学新入生の時点でこの方法を知っていると知らないとでは、大きく差がつくだろう。例えば、
・本の情報の入手方法
・ベストセラー情報のウソ
・本の探し方・選び方・買い方
・図書館・古本屋・ネットアーカイブの利用方法
などがコンパクトにまとまっている。大学入りたてのちほさんにオススメしたい章なり。
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コメント
「君たちはどう生きるか」はいいですよ。当時の小学生に向けて真摯に語ってます。
現代の子供や大人にも著者の願いが充分に伝わってくる本です。
投稿 Sucker | 2006.04.25 00:42
Sucker さん、ありがとうございます。
実はこのコペル君の話、幾度も手にしては投げ出してきたので、これを機にしっかりと読み込んでみようかと。
子どもに「読め」と薦めたいNo.1になるかと。
投稿 Dain | 2006.04.26 00:56