P2MとPMBOK
P2Mは Project and Program Management の略。米国PMIのPMBOKに対し、日本独自のプロジェクトマネジメント成果物で、「プロジェクト&プログラムマネジメント標準ガイドブック」を指す。
P2Mは、個別プロジェクトや組織の枠を越えた“全体最適”の観点からプログラムマネジメントの概念を導入しているところが特徴的。また、PMBOKがプロジェクトの計画・遂行に限定している一方、P2Mはプロジェクト以前のスキームモデルやプロジェクトによって生み出されたサービスの運用モデルまでカバーしている。
- 使命の構想(スキームモデル)
- プロジェクトの計画・遂行(システムモデル) ←★
- サービスの運用・維持(サービスモデル)
(★PMBOKはココ)
P2Mの適用分野として、企業の経営革新や新規事業の創設、公共事業、PFI など、幅広い分野にまたがる(らしい)。単にコスト、タイム、スコープ、品質を考慮してプロジェクトを遂行するだけでなく、事業価値を高める仕組みづくり・人づくりまで視野に入れている(らしい)。
P2Mの専門家として以下の資格がある。レベル(?)が上がるにつれ、筆記のみならず面接や論文試験がある。さらに、合格すれば永続するのではなく、5年ごとに更新あり、継続的な研鑚が義務付けられている。
- Project Management Coodinator (コーディネーター)
- Project Management Specialist (スペシャリスト)
- Project Manager Registered (レジスタード)
- Program Management Architect (アーキテクト)
ひょっとしてというか当然のことながら、経済産業省の肝いり。関連ドキュメント[P2M報告書]を眺める限り、お役所の臭いがたっぷりと。PMBOKの抽象度なら実務に適用できるが、P2Mはもっとモコ模糊しており、少なくともわたしには使えない。
しばらくの間生暖かい目で見守っておこう。「日本プロジェクトマネジメント協会」とか。
世界のPM規格類はこんな感じ。掘ればもっと出てきそう…
- APMBoK(英国)
- OSCEng(英国)
- BS 6079 (英国)
- PRINCE2(英国)
- IPMA Competence Baseline(ICB)
- ANCSPM(オーストラリア)
- PMBOK GUIDE(PMI)
- PMI PM CDF(PMI)
- OPM3(PMI)
- SAQA(南アフリカ)
- P2M(日本)
みんな苦労してるんやな
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コメント
Dainさん、こんにちは!mちんパパです。こちらでは初コメントです。改めて始めまして。
>みんな苦労してるんやな
これ↑そうですよね~。いい表現です(笑)。そう思いますよね、やっぱり。規格もそれを支える組織なり構成員なりを食わせていくには、新規格(製品)を導入し、マーケットシェア拡大目指して頑張るんでしょうね~。
規格ユーザーとしては、美味しいとこ取りが一番ですね。次から次へと出てくる規格ぜ~んぶ追っかけてる暇も頭も金もないし。。。(^^ゞ
投稿: mちんパパ | 2006.01.21 16:43
mちんパパ 、コメントありがとうございます。
あちこちの規格をさらりと眺めたのですが、どこも似たり寄ったり ⇒ つまりどこも似たような問題に悩まされている…ということが分かりました。
ひょっとすると、PM規格も国家戦略の域に達しているのかもしれませんね。
投稿: Dain | 2006.01.25 00:31
マネージング・コンプレックス・プロジェクトなる研修に行って来ました。どうして良いか分からないくらい複雑なプロジェクトをどうやってマネジメントするか?がテーマだったのですが、結局はどうして良いか分からないので担当者任せにしてみる...って感じでチョン。テーマと研修を構築したのはもちろん北米の大手その手のサル会社(それを日本のサルマネ会社が受け売り)なのですが、どうして良いか分からないものでもお金にしてしまう商魂そのものがPM規格の正体かも...orz
投稿: 鉛のZEP | 2006.02.05 21:37
> どうして良いか分からないものでもお金にしてしまう
> 商魂そのものがPM規格の正体かも
至言です。ええ、鉛のZEPさんのご指摘を感じるときがあります。わたしも権威に弱い一人ですので… ひょっとすると釣られているのかもしれません。アヤシゲなものも手を出しましたが、それでも役に立ったなーと思うところがあるので、投資と見返りはトントンだと信じたいです。
投稿: Dain | 2006.02.06 00:06