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「ベルカ、吠えないのか?」でチョビを思い出すのは反則

 久しぶりに新しめの小説「ベルカ、吠えないのか?」を読む。未知の作家に手を付ける理由は、誰かが誉めたから。その「誰か」がスゴい人であれば、より強く動機付けられる。

 一方、「ベストセラー」は読まない理由になる。ふだん本なぞ読まないような人が手にしているから「ベストセラー」になっているのだから、つられて読むと酷い目に遭う。

 複数の読み手が「2005年のスゴ本」と誉めているので、読んでみた…

 硬質の文体と濃淡がハッキリした展開は面白い。人にとっての近代史はイヌにとっても軌を一つにする、という哲学で貫かれた叙事詩。
ベルカ、吠えないのか?
   人の近代史 ⇒ ノンフィクション
   イヌ・クロニクル ⇒ フィクション

の形式で、両者が交互に交差するような書き方。人の歴史を併記したイヌの系譜。ノンフィクション=フィクションとでも言えばいいのか。近代史の淡々とした描写がイヌのフィクションに信憑性を与え、ニンゲンの歴史とイヌ・クロニクルが交錯する瞬間、魂が震える。

 おもしろい、こんな「物語」は珍しい。

 しかし、じきに着地点が見えてくる。作者がどのように収束させようとするかが判ってしまう。すると、みるみる色あせてくる。何の話なのか判然としないうちが華。先回りを意識して読むのはわたしの悪いクセだが、今回は裏目に出た。

 そして、ノンフィクションパートの胡散臭さが噴出し、フィクションパートへしっくりつながらなくなる。イヌが人間を破壊する様は「二進法の犬」(フィクション)が上だと思ったり、ベトナム戦争は映画だけを参考にするのではなく、「ベトナム戦記」(ノンフィクション)ヲ読メバ?と邪推したり。

 イヌのモノローグを目にするたび、「動物のお医者さん」から離れられなくなったり(←こういう読みはマネしないように)…

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受信: 2008.06.14 23:52

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