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続マジカのひみつ

マジカを使って若手に実験。なかなか興味深い結果が得られた。前回のマジカのひみつはここ

実験対象
   入社2-4年の若手社員(♂3人)
   SEとして分析・設計をやるかたわら、テスターとして試験もやってる
   java読み書きはできるが、プログラマではない
   予備知識なし (゜Д゜)ハァ? まじかァ? という連中

実験1:マジカなし

マジカの説明なし。ある企業の業務フローをポンと渡し、「明日このヒアリングを顧客とする、という状況で、疑問・質問・ツッコミをピックアップしてね、15分でね」

実験2:マジカ使う

マジカの説明をする。「カード洗い出し→カード並べ」に特化してザクっと解説した後、マジカを使って業務フローからの質問をもう一度考えてね

対象となった業務フローはセミナーでもらったもの。どこの企業にもある「与信業務」「受注業務」に限定して分析を行う。

マジカなしの場合、出てくる質問はさもありなんなものばかりだった。つまり、誰でも思いつく質問だし、回答する方もそれなりな準備がされているものばかり。

  • 手続きのフォーマットはありますか?
  • 与信の基準となるものはありますか?
  • どんな媒体(電話?メール?FAX?)で行っていますか
  • 1日に何回の受注業務がありますか?
  • 受注業務で作成する帳票のフォーマットを教えてください

マジカを使った場合、ヤバそうな質問が頻出。ヤバそうな質問とは「分析フェーズでスルーされ易く、設計もスルーされ、実装フェーズで露見する仕様の切れ目」のこと。

  • 受注の前に営業から「提案」を行っているのでは? その情報を引き継いだり管理したりする業務があるのでは?
  • 発注→受注の順番を明確化したい。発注書、請け書が書かれるタイミングは?
  • 在庫が無い、納期まで短すぎるなど、発注を請けられない場合があるはず。しかし、そのフローが書いてない
  • 受注する人と出荷指示する人は、同じ人なのか? 違うのであれば情報を渡すタイミングと内容を教えて欲しい

あらふしぎ、見違えるほど良い質問になった。ま、かなり誘導可視的なアプローチだけれど、マジカでやりたかったことは彼らに伝わったと思う。

フロー間に埋もれたやるべき作業、誰もトリガーを引いていないのに回りだす仕事、同一人物が担当しているため「見えない」ものとなっている共有情報は、ずっと後になって「気づく」ハメになる。気づいた人がプログラマなら設計バグ化になり易いし、お客さんが気づいたならコンサルの不備とみなされるだろう。

マジカの良さは、お客さんをまきこんで、かつ、システマティックに業務分析できるため、ベテラン/新人のバラツキを減らすことができるところ。さらに、分析する側だけでなく、お客さんの「質問に答えるための気づき」も引き出すことができる。お客さん自身の「気づき」を分析フェーズでできるのは大きい。このありがたみ、酷い目に遭った人なら分かるでショ。

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「ブログでビジネス」失敗と教訓

興味本位で始めたブログも、楽しさ・便利さに魅了されるとこいつを仕事で使えないだろうか? と考えるのは当然(私も考えた)。

思いつくのは、日報や課題管理をブログ化してグループで情報共有… いわゆるコミュニケーションマネジメントのツールなのだが、似たようなことを考える人はやっぱりいた→社内限定の非公開型ブログ「イントラブログ」(イントラネット+ブログ)

グループウェアとどこが違うの? ASPってもう死んでるよね? というツッコミを待つばかりだが、このプロジェクトは2005/2末に試用停止と至ったとのこと。目のつけどころは悪くないのだが、結局は器と中身の鶏卵話に落ち着く。いかに優れた技術・サービスであっても、乗っかるコンテンツが流行らなければ、電源のないパソコンと同じ。まず今の仕事の業務分析が先だろうと誰も言い出せないまま始めちゃったんだろうねッ。「ビジネスブログブック」とゆー本が出ているようだが、マンセー厨房が沢山いるamazonにもかかわらず低め評価。

いきなり導入ではなく、個人 > チーム > コミュニティ の順に渦を回していくのが成功パターン。 PukiWiki で個人→グループへライブラリ情報をシェアしていくとか。一人で使ってもでも便利だし、使っていない人も便利になる仕組みがポイント。

一方、海外でも似たような考えがある→「Using blogs for project management」。プロジェクトマネジメントでブログを使う際、注意するべきことが書いてある。


 ブログを使うシチュエーションとして、そのプロジェクトの要求分析のフェーズでワークショップとして使う方法がある。プロジェクト・プロセスをキッチリ踏む仕事ではなく、ホントに起きていることを素早く共有するために使える。ホンネとタテマエを使い分ける必要がある場合、ホンネのやりとりに使う



 もうひとつのシチュエーションは、プロジェクトの各リーダーが使う。営業、設計、開発製造、試験など、各リーダーがプロジェクト全体へ影響がありそうな話題を振ったり共有するために使う。メールを使った一斉送信だとどうしても一方通行になりがち。単なる通達ならそれでも良いが、各グループ間で調整
が必要となるネタだとメールでは不十分。



例えば「仕様変更におけるスコープ変更情報は、このサイトで一括周知・調整します」と宣言し、専用の場として扱う。正式な変更管理の業務フローに組み込む形でブログを使う。うまく回るようなら、

  スコープ → スケジュール
  スコープ → コスト
  スコープ → リスク

と情報をつないでいけばよい。ここで初めてトラックバックが威力を発揮する。PMBOKでいう「あるフェーズのアウトプットは別のフェーズのインプット」がまさにこれだ。ブログ使うならスモール・スタートアップ。自分の小さな渦を広げてゆくつもりで

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パワーポイントで遺書

プロジェクトマネージャのロン・バトラー氏が自殺という悲劇的な結末を選択するに至った経緯を48枚のパワーポイントにまとめていたことが、同僚の証言で火曜日明らかになった。

「ロンが睡眠薬を大量に飲んだと聞いたとき、わたしは衝撃を受けました」同僚のへクターは証言する。「しかし、ロンが最期に残したパワーポイントのプレゼンテーションを見たとき、彼が悲しみや苦痛のあまり自殺という手段をとらざるを得ないことに強く納得させられました」

パワーポイント遺書さよなら.pptは次の4つのセクションに分けられている。

 ・現在の状況分析
 ・謝罪とお別れのあいさつ
 ・遺言と葬儀について
 ・最後に

社長のウィリアムズ・ケネディ氏によれば「さよなら.pptは分かりやすく、簡潔で、かつ説得力があります」という。「スライドショーで見たあと、彼のプレゼンテーションに圧倒されました。彼はマイクロソフト・パワーポイント・アプリケーションのマルチメディア能力を120パーセント引き出しているといえます」

最初のセクションでは、妻および子どもを自動車事故で亡くした彼の悲しみが三次元棒グラフで充分に表現されている。「妻と子どもの墓石のJPEG画像が貼ってあることで、彼の悲しみが痛いほど伝わりました」同僚のアンが述べている。

次のセクションでは、同僚へのお別れや友達への謝罪が順序づけられて書かれている。「謝罪とお別れのあいさつセクションの色づかいは、ディジタル・プロジェクターのディスプレイのためにあつらえたかのように、不思議にマッチしていた」上司のビル・スクラップはこう言う「私は、わが社の中でロンだけがパワーポイントのGretagを理解して使いこなせる唯一の人物だと断言する」

第3のセクションでは遺言と葬儀について的確な指示が書かれている。ここには、電話番号順にインデックスされたバトラー氏の友人・親戚リストと、彼の遺灰の取り扱いについての注意書きも含まれている。

「ロンの名誉のために言うけど」人材管理マネージャのゲイル・エヴァートが言う「あいつはプレゼン準備に時間をかけすぎるんだ。このさよなら.pptもどえらい下準備をして作ったに違いない。もっと時間を短縮するため、セクションごとに分割して部下に書いてもらうべきだったんだ」

また、広報担当のジッタ・プラーヤン氏はこう主張する「プレゼンテーションがいくつか"改良の余地がある"ことに異論がある方はいないでしょう」彼の指摘をまとめると「前半の彼の悲しみと苦しみの現状分析は的確です。しかし後半への展開のためには、聴衆への効果を維持するためにムードを明るくするべきでした。さらに、このセクションでくり返されるドアを閉じる音響効果は無意味だったいえます」

バトラーのさよなら.pptファイルが最初に作成されたのが2004年8月8日だったことが分かると、同僚や上司は強いショックを受けたようだ。「私はもっと早くに気づくべきだったかもしれません。ロンが先週、彼の共有フォルダ内のファイルを全て削除していたことです。私はデフラグの心配をしていて、彼が"準備"をしていることなんて想像もしていませんでした」アンはこうも言っている「マイクロソフト・ワークショップでの彼の作業の進捗度合いにもっと気を配っていれば、こんなことにはならなかったでしょう」

ロン・バトラーの両親はこう述べている「わしがもっとメールや動画ファイルとやらをちゃんとできたなら、こんなことにならなかっただろうに。わしらは新しいものは苦手なんじゃ。けど、まさにそのメールに、息子が自殺しようとしていることやその方法が書いてあったんじゃ。わしらがそのメールを開けるのに手間取っているうちに、手遅れになってしもうたんじゃ」

ケネディ社長はこのパワーポイントが「決して忘れることのない」プレゼンであり、同社のアーカイブとして永久保存されることを表明している。また、さよなら.pptの最期のセクションは公開されており、その一部はここで読むことができる。

念のため言うけど…ネタでっせ、ネタ

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