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子どもに「お金」を教える (基礎編)

子どもに○○を教えるシリーズ。子どもに「死」「セックス」「TVゲーム」などを教える過程で、自身がそれらをどうとらえているかをblogであぶりだしてきた。今回は「お金」。シリーズ最難関かつ避けて通れない課題を数回に分けて考えてみる。


  • 基礎的な金銭感覚を身に付ける
  • お金に不自由しない方法をマスターさせることで、お金から自由になる
  • お金に囚われてしまった生き様を観察させる(ことで罠のしくみを知る)

上記3つのことを、だいたい高校生ぐらいまでに伝えられれば合格かな。まずは「基礎的な金銭感覚」から。小学校入学前後がスタートだろう。

1.こづかいはいつから与えるか?

数字が読めて数の大小が分かるようになれば、こづかいを与える。小学校にあがる前から始めたい。目的は2つ。「定期的な収入の中からやりくりする」ことと「貯金をする」こと。「やりくり」と「貯金」はクセのようなもので、トレーニングを積むことにより自然に身に付けることができるし、早ければ早いほど良い。これを当たり前にできない人は、カードローンやキャッシング会社のカモと化す。マズゴミは自己破産者の人間性や社会適正をとやかく言うが、ほとんどの人は「やりくり」について訓練を積んでいないまま社会に放り出されてしまっているが故だと考える。

2.こづかいはどのように与えるか?

定期的に決まった額を与える。お金というものは定期的に定額の形で得られるものが「自然」なのだということを伝える。言い換えると「一攫千金」という形で得られるものは「お金」ではない、ということを伝える。それらはもっと別のもの、即ち「興奮」が目的の行為であり、具体的に言うとギャンブルだ。ギャンブルで勝つと得られるものはお金の形をしているが「お金」ではない、ということに気づいてもらうための伏線。昔ハマったことがあるから言える、ありゃ本当に「あぶく銭」ナリ。

3.こづかいをあたえた直後

すぐに一定額を貯金させる。余ったら貯金する、というのはダメ。収入直後で支出や予算を考える時、一定額は既に引いてあるのが自然だと考えて欲しい。要はもともとその分のお金は「無かったもの」として支出を考えておく。無かったお金の口実は「恵まれない人のため」でもいいし「商売の神様へのお賽銭」と考えても良い。

4.欲しいものと必要なものを見分ける

「なぜそれを買うのか、しかも自分のこづかいで」という自問をするクセをつける。友達がもっていたからだったり、テレビのCMで欲しくなっただけだったりする場合が「多い」ことに気づいてもらうため。ブランド・マーケティングの戦略に「乗っている」だけであって、自分の中で「欲しい→必要」に変換していることに気づいてもらう。例えば「誰か(友達・兄弟・親)に買わせる」「自作する」「借りてくる」という選択肢を問うことで、「欲しいのか必要なのか」を考えた上で、「自分で買う」という選択肢を選び取っているんだ、と気づいてもらう。広告に釣られるのを悪だというつもりは無いが、釣られている自覚がないのは問題かと。

5.通帳を作る

子ども名義の通帳はあるが、それと別に「子どもが自分で通帳を作ってみる」。もちろん傍でアドバイスはするが、口座の開設に必要なものを調べさせ、実際に手続きをやらせる。これによりお金を動かすためには一定の信用力が必要ということに気づかせる。ついでに(その頃でも超低金利だろうから)銀行にカネを預けても全く意味が無いことを説明しておく。

6.消費税を教える

総額表示方式を導入することで課税感を緩和させ、段階的に7→10→15→21%まで上げるつもりらしいが、パーセントはともかく「その税金がどう使われているか」には着目しつづけてもらうため、教える。60以上と20歳未満で生涯受益が1億円の差が出ている現実を知った上でこの国で生きていくのかを考えてもらう(まぁヨソの先進国でも似たり寄ったりなのだが)

7.盗みは絶対にダメだと教える

「盗むなかれ」「殺すなかれ」はどの律令にもあるし、非常にあたりまえなことなのだが、あまりにもあたりまえすぎてちゃんと教えていなかったんじゃぁないのか? と言いたくなる、最近の犯罪を見ると。子どもには内緒だが、フルパワーで叱るときの怖い顔は、まだしていない。子どものことだ、1回ぐらいはやってしまうかもしれない。その時のために、私の最も「怖い顔」は取っておいてある。ま、それを使わなくても済むように、常々懇懇と諭している。

基礎編はこんなところか。底本は「お金のしつけと子どもの自立」より。アンケート結果がたくさんあって興味深い。「子どもとお金」を考えるきっかけとして好著。


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出世しない技術

タイトル買いしたら激しく後悔する一冊。「サクっと読める」キャッチコピーは認めるが15分で読めて千円は非道い。しかも、目次以上の情報は書かれてないため、この本を手にする人は「うんうん、そーそー」と激しく頷くだけとなる。このキャッチーに引っかかる人ならこの内容と価格で出せるだろうという編者の意図が透けて見える。それでも残ったのは、次の一文

サラリーパーソンにとっての天敵は、なんといってもストレスです。それは、いろいろ姿形を変えて私たちに襲いかかってきますが、一番の理由は「頑張らなくては」とか「かくあらねば」といった、身の丈を超えた期待に無理に応えようとすることです。たしかに、出世しない人であるあなたは、ここぞという時に、人から頼られない人間を演じることから、たまに落ち込んでしまうこともあるかもしれませんが、その分ストレスから解放されることのメリットを、しっかりと認識しておくべきです。

逆説的に思われるかもしれませんが、出世をする人の方がラクなのです。なぜならばそれこそがみんなと同じ行動…すなわち、あなたが幼稚園の時からタタキ込まれてきて、慣れ親しんだ行動様式そのものなのですから… そこで、敢えてみんなと違う道を選択したのが「出世しない人」、すなわちタフな人なのです。(太字は著者)

もはや死語の「競争社会」即ち「会社での競争」は、今50歳ぐらいの人たちが作り上げてきた風習であることに気づいた人は居る。そうした人の一人が書いた本。そして、そうした人は職場での態度を決める際、人生にとって効率的な選択肢を鑑みることになるんじゃぁないかと。

そうした人を目指すなら、この本は読むと少しだけラクになれる。あるいは、やりたいことをヤルために会社に入ったのに、そこで優れた業績をあげたが故に管理職へ祭り上げられ二進も三進もいかなくなりそうな人にとっても福音となるセリフが詰まってる。例えば、

出世して得るものと犠牲にするものを天秤にかけたことありますか?

管理職になって残業代はつかずノルマは増えて何のために出世? 出世して減収なら平社員上等!

「管理」しない管理職という選択

出世するとリストラ候補に!?

会社員であることの損得勘定

プライベートより仕事を優先させる「美談」にはウンザリ

「仕事の総量規制」のススメ

「出世」を断る技術

女性のための「出世しない技術」

これだけ「技術」と謳っているのに一行も「再現可能で適用可能な具体的方法論」が無い本もめずらしい。しつこく言うが、これはキャッチコピーで彩られたエッセイなので、何かを求めて読んでも失望する。この文に惹かれる人を勇気付けるための本だということを忘れないように。

55歳定年説、60歳定年説なんてウソ。もうすぐ定年になる人向けのネタであることに早く気づけ。彼らはもうすぐ出て行く、もうすぐだ。いまバリバリ現役組は、少子化の影響もあって人が居ない会社で人回しに奔走すること請け合い。その時代まで「出世しないで」迎えようか。

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「カラシニコフ第2部」連載開始

AK47。1947年に旧ソ連で開発された。AKは「カラシニコフ自動小銃」の頭文字。口径7.62ミリで30発が連射できる。取り扱いが簡単で故障が少ないため、途上国で人気が高い。冷戦時代に社会主義各国でライセンス生産され、世界中に1億丁が出回っているといわれる。
(朝日新聞2005/2/13「カラシニコフ第2部」)

重要なことは「取り扱いが簡単」なこと。例えば、自衛隊の89式自動小銃は、精密機械並みの手入れを必要とするが、AKは子どもでも扱える。兵士が極端に少ない失敗国家では、文字通り子どもにAKを与えて、人殺しをさせた。

もうひとつ重要なことは「ライセンス生産」だったこと。旧ソ連では外貨を稼ぐために、必要とするところ全てに「ライセンス」を供与していたと思われる。作るほうも使う方もお手軽なため、世界中に遍く広まっている。おかげで世界のどのゲリラもAKで闘っている。撃つ方も撃たれる方もAK。ベトナム戦争や湾岸戦争で米兵がM16の故障の多さに辟易し、敵から奪ったAKで闘ったことは有名。

その結果、AKは最も沢山殺した銃として記録され、さらにこれからも沢山の人を「簡便に」殺してゆく武器として記憶に留められるだろう。

昨年、朝日新聞で連載されていた第1部では、アフリカなどの失敗国家とAKとの関係を丹念に追っている(昨年のNo.1スゴ本)。第2部では、AKの取引で利益を上げようとする国や業者を見ていくという。

第1部は衝撃を受けた(特に子ども兵の話と「失敗国家」の定義とその成立過程)。この連載読むためだけでも朝日とる価値はあると思う(とまで書いたら言い過ぎか)。イラクだろうと国内だろうと、次に日本人が撃たれる銃は間違いなくコレなんで。


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