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「ナラタージュ」より「____の_」の方が良い

ネタバレあり。「ナラタージュ」は特に女性(あたりまえか)に絶賛されているらしいが、退屈だった。濡れ場でハァハァしたことは秘密だ。セックルって女性が書くとエロいっす。レディコミが青年誌を凌駕していることと同じ。

壊れるまでに張りつめた気持ち。そらすこともできない二十歳の恋 大学二年の春、片思いし続けていた葉山先生から電話がかかってくる。泉はときめくと同時に、卒業前に打ち明けられた先生の過去の秘密を思い出す。
(amazon出版社からの紹介)

先生(30代)の一人称が「僕」で、彼氏(20代)の一人称が「俺」であることに注目。一貫して抑制された感情で接しようとする先生と、最初は控えめ→肉体関係が入ると俺様化する彼氏(DVまがいなことまでする)の対比が読みどころ。

同情は愛であることは、既に漱石先生に教えてもらった(三四郎"Pity is akin to love")が、それを微塵も感じとらせないまま最後まで連れてこられた。読み終えた後、最初のこのメッセージを読むと、実はそんな小説だったのだ、ということが分かる仕掛け。

子供だったから愛とは違うとかじゃなくて、子供だったから、愛してるってことに気付かなかったんだよ

一方、展開はみえみえ。誰が自殺するかは最初の伏線で分かった。二人がどうなるかも合点承知。イントロの「彼」が誰で「ない」かも分かった。伏線のショボさに流行の叙述形式かな?とも考えたが、違っていた。

しかし、ラスト1ページを読んだとき、熱くこみ上げてくるこれはなんだ。
肝心の「先生のほんとうの気持ち」が最後に明らかにされる。
そのタイミング、彼女の表情、そして幕。
涙をぬぐって扉を開くと、こうある。

子供だったから愛とは違うとかじゃなくて、子供だったから、愛してるってことに気付かなかったんだよ

日本語は主語を省略できる。ズルいがスゴいと思う。

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これ系の話なら「センセイの鞄」が一番かと。マンガでも良いなら「五年生」も推す。泣くことはないだろうが。


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