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「戦争請負会社」読書感想文4

ここでは、戦争請負会社のデメリットを考えてみる。専門知識を持つチーム、装備、兵器一式を丸ごと契約したり、特殊な訓練や処理を発注するから、カネがかかることおびただしい。そのためデメリットはカネにまつわることがほとんど。

デメリットの最たるものは、ぼったくりなり。法外な代金の根拠が明らかにできないため、企業側が丸儲けだとしてもチェックすらできない。政府関係と仕事をした人なら分かると思うが、官庁への請求金額は、本来の経費ではなく、いくらで見積もれば信じさせることができるかを考えてエンピツを舐める。その結果、請求金額は安くも高くもなるが、これは一般の企業の場合。戦争請負会社では経費明細の裏づけを取ることができない(現場は弾丸が飛び交っている)ので、いわれるがままに払うしかない。

たとえば米国陸軍のバルカン半島における兵站外注について、命令系統のどこにも、請負業者の仕事ぶりを検討したり、別の選択肢を探す観点などなかった。業者の仕事を組織的に評価する手法は確立していなかったし、検討と監督は急場しのぎ的に行われた

戦争という外交手段を採ると決めても、作戦の規模、期間、場所、目標(どこまでやっつければよいか)なんて分かるはずもない。しかし、契約書には経費の見積もり額や内訳、支払方法、有効期間が記載されている必要がある。見積もれない契約を結ぶ際は、ふつう「単金×期間」の単価契約を採用するが、本書によると原価賠償、納期数量不定の緊急請負契約だそうだ。これは、仕事にかかった費用を支払ってもらえることが保証され、原価の上に報奨費の上積みが認められる。cost plus incentive fee やね。企業としては最低支払保証額が決められ、かつ、かかった追加経費ももらえて、さらにインセンティブももらえるから、非常に旨みが大きい契約だろう。

次のデメリットは自国軍の士気・コントロールに深刻な影響を与えることが挙げられる。戦争請負会社からの「派遣社員」と現地政府の「正規軍」との軋轢がある。給与(日経5/11朝刊によると、日当6~20万円、本書では月3000ドルとも)や装備の面で格段に優れており、専門的なトレーニング(研修やね)をきちんと積んだ派遣社員は羨望の対象。軍務の徹底や方針の相違を口実として衝突することもある。正社員と派遣の関係はどこでもいっしょ。フロントラインの「社員」だけではない。軍事的な教育・改革を行うコンサルタントやインストラクターも同じような壁にあたることがある。カネで雇われて外からああだこうだと注文を付ける「わかっていないやつら」は、既存の軍隊指導者にとって、自分の立場や既得権益を脅かす脅威と映るだろう。

最後に、自国資産の流出だろう。もちろん戦争請負会社に仕事を依頼するのはカネを持っていることが前提だが、カネは現金である必要はない。不安定な政府が発行する紙幣は意味が無い。米ドルを用立てできないのであれば、モノ(=利権)で支払うことになる。数十億ドルの価値があるダイヤモンド鉱山の利権を数千万ドルのセキュリティ会社に支払った政府もある(その後政府は転覆するが、鉱山はその会社が押さえたまま)。

レアメタルなどの鉱物だけでない。大麻畑や、水、それから「石油」に注目すべきだろう。例えばイラクで行われていることは、合衆国政府が戦争請負会社に発注して戦争を起こし、石油資源を確保したという見方もできる。

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【まとめ】戦争請負会社に発注するデメリット
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  1.ぼったくられても分からない
  2.自国軍の士気が下がる
  3.自国資産の流出


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