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泣けると評判の「夏の庭」と「西の魔女が死んだ」を読んだのだが…

ラストは確かにグっとなったが、泣くほどでもなかった。感動屋のわたしにしてはめずらしいが、どちらも小説としての出来は良いのでageておく。

まず「夏の庭」、ひとり暮らしの老人と三人の少年たちとの奇妙な交流を描いた中編。amazonレビューを読むと「思わず目頭が熱くなる」「ラスト20ページ!涙がとまりませんでした」「息子にも読ませたい」とソソるレビューが53件も並んでいる。

amazonレビューはアテにしちゃいけないのだが、半信半疑で読み始める。確かに、ひと夏の風景描写が上手に書けているし、いかにも「12歳の男の子」がやりそうなことが面白いと思った…が、ネタがすぐにわかりすぎるのもどうかと。読み始めて数ページで(バレ反転)S.キングの「スタンド・バイ・ミー」のパクりだということが分かった。キャラから導入までの設定をもらってきて、あとは和風味付け。おかげで気味悪いほど予想したとおりのラストだった。同じパクるのでも「屍鬼」とはエラい違う。これは「呪われた町」(S.キング)からごっそり設定をもらって書いた小説だが、すさまじくよくできているスゴ本。ここまで書いてようやく本歌を取ったといえるだろう

次は「西の魔女が死んだ」、中学生の「まい」と祖母との交流を描いた中編。amazonレビューはこれまた「安心して、泣いてください」「癒されました」「何度読んでも泣ける」と60件の絶賛の嵐。

amazonには天邪鬼が棲んでいて、★★★★★が多いと、わざと★☆☆☆☆をつける輩が出てくるが、この本では皆無。「ほぼ全員が絶賛」という珍しい状態。

一読して、なるほど。読みやすくて、まるで見てきたかのように上手に書いている。ラストのサプライズは正直分からんかった。だが( ´_ゝ`)フーン といったところ。「二年後に、おばあちゃんの言っていたことが分かるときがくるのだった」とか「ずっと後になって、○○なことを知ったのだった」などで思わせぶりな伏線に辟易。ラストでは「 よ か っ た ね 」としかいえぬ。感動を求めて小説を手にする莫れ。この手の「伏線ありまくり」「自然描写が上手」「旧き良き時代」が好きなら"A Walk to Remember"(邦訳は「奇跡を信じて」)あたりが泣けるだろう。これは「感動するよ」「泣けるよ」と散々誉められていたため、身構えながら読んで→結局号泣した小説。ラストが読めるんだが、泣けてしまう一作。

結論:amazonレビューは「やっぱり」鵜呑みにしちゃいけない。それから、「感動」を期待して小説を読んではいけない。そういうオマエは何に泣く? というツッコミには「泣ける2ちゃんねる」を薦めておく。以前購入したのに[参考]未だに読了できていない。油断していると思わず胸をつかまれてしまうので、巡回先からも外してある。

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