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マジカのひみつ

羽生章洋さんの業務分析セミナーを聴講した(業務プロセス改善技法ワークショップ第2回)。ここで紹介されたMagiCa は「いますぐ」「ここで」「誰でも」使える方法ナリ。「MagiCa って何?」という人はここからダウンロードどうぞ(要メールアドレス)。羽生さんご本人のマジカ説明はここ。謳い文句「現場主体で仕事の棚卸と見える化を簡単に実現する」は禿同。自分なりの分析手法は確立しているんだが、上手くMagiCaを盗んでみよう。

ひみつ1 : 最初はチョキ

 「さあ、業務分析しましょう」と話を持ってきても、人は動かない。現場の人はどうしても構えてしまう。「業務フロー」なんてSEやコンサルならともかく、普通の現場の仕事している人は書いたことがないから、「間違えたらどうしよう」と固くなってしまう。

 凝ったココロをどうするかというと、ハサミが登場する。MagiCa はA4用紙を8分割した程度の大きさ。最初に持ち出すときにはA4用紙に印刷しただけという不親切さ。こいつをハサミで切り離すことが最初の作業だという。「業務分析」をするんだと固まっている人々は、面食らうだろう。でも、チョキチョキしているうちに、おもわず没頭してしまうこと請け合い(そして最初の構えも解いてしまうことも請け合い)。

 もちろん切り離したカードは予め準備してたりする。また、貼ってはがせる紙ならポストイットが至極便利なのだが、あえてハサミを使ってもらう。ハサミを使うことは、結構アタマと手を刺激することになるので、最初のハードルを楽々と越えることができる。

ひみつ2 : カードの大きさ

 カードといえばCRCカードを思いつくが、その大きさは京大式カード(128mm×182mmヨコ)とかなり大きい。それでもクラスの責務を書こうとすると、結構ぎゅうぎゅうになってしまう(後で割る結果になりがちなのだが)。一方MagiCaはかなり小さい(65mm×85mmタテ)。このカードに、「入力・手順・出力」を書くのだが、その小ささに秘密がある。

 カードが小さいから、たくさん書ききれない、というメリットが生まれる。書ききれないと、別のカードに書くことになる。カードが小さいから、「細かく書こう」とも「詳しく書こう」とすることもできなくなる。言い換えると、小さなカードに書ける程度に小さい単位で仕事を割ることが出来る←別の仕事(業務)を紛れ込ませないようにする工夫。

 羽生さんは繰り返し強調していたが「違う業務を混ぜない/混ざった仕事を割る」ことが重要だと。たしかにその通り。整然としたフロー、まとまった業務手順を書くために、ほとんどの人が意識・無意識的にやるのが「ウソ・想像・願望を混ぜる」こと。業務フローを描く紙はたいていA3だ。沢山書く場所があるので、想像や願望もいっぱい書き混ぜてしまう。混ぜることでフローはちゃんと書けているように見えるが、そいつを設計へ回すと疑問が噴出する。それをだましだまし製造すると…いやこれ以上言うまい。しかし、MagiCaカードが小さい分、余計なことを書くことはできない。

ひみつ3 : しばり(制約)を入れる

 小さいカード。カードをつなげて業務フローにできるのは起承転結の4枚まで。「人→PC」「人→帳票」「人→人」で業務を簡略に(かつウソを混ぜないように)する(もちろん他にもカードはあるが、主役はこの3枚だろう)。しばりを入れることで狭い範囲に集中することができる。この制約は羽生さんの経験則からだというが、業務フロー死ぬほど書かされた私もそう思う(直感的にそう思った)。

 その結果、コマ切れ時間の積み重ねが可能となる。カード単位に業務を考えられるので、短い時間で作業をすすめることができる。現場の人は本業がある、業務フローを書いている時間なんてない。極端に言うと5分の空き時間を10回積み重ねても10枚のカードが書ける。フローをイチから書くとこうはいかない。羽生さんは「業務フローを書くのは長文と一緒。最初は頑張ってレベル感や一貫性をもたせて書けるが、いずれ失速します」と言ってたが、確かにそう。粒度や統一性、一貫性を考えながらフローを書こうとすると、どうしてもまとまった時間を必要とする。酷い場合は朝から晩までを何日も続けることになる。

 細切れ時間を積み重ねるが、粒度は必然的にそろってくる。詳しさは「カード1枚にかける程度」、フローの数は「発生タイミングが同じもの」の数だけ。そして、分析する人は一貫性や粒度にあまり気を配らずに本来考えるべき点=業務に集中することができる。

ひみつ4 : 専門用語を取り外す

 MagiCa の説明をする上で、「ユースケースシナリオ」「メインフロー」「代替フロー」「インターフェース」「ロール」といった用語は出てこない。意識して注意深く言い換えている(セミナーでもそうだった)。主役は現場の人であり、「こしゃくな」用語は敬遠されるだけだということがよく分かる。

 そのおかげで、現場の人を本当の意味で巻き込んだ「業務分析」(←この用語も「仕事の整理」と置き換えている)ができる。

他にも様々な刺激をもらったので、仕事場で若手を相手に「実験」してみようかと。最初の実験は、業務フローをポンと与えて、「明日このフローを書いた顧客とヒアリングします

  1.疑問・ツッコミを洗い出しなさい
  2.(MagiCaを説明して)疑問・ツッコミを洗い出しなさい。ただし30分以内で」

というのを考えてる。彼らにとっては良い武器になるだろうな。

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