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続・本当は恐ろしい子どもの本

「本当は恐ろしい子どもの本」の続き。これはスゴ本じゃなく、ゴク本(極本)。極本とは、極端にスゴい本のことなり。ジャンルは「しつけ絵本」。たとえば「ねないこだれだ」が有名。「読み聞かせることで、ルールやマナーをしつける」ことが目的の絵本ナリ。

「ねないこだれだ」はこわい。いや、三歳の息子だけでなく読んでるオトナも恐い。「とけいがなりますボンボンボン…」で始まるぜんぜん救いのない恐怖譚。でも、これよりもさらにこわいのが「きれいなはこ」のラスト見開き。こ、これで終わるのか!?と絶句しきり。「ねないこだれだ」よりも理不尽で哀しく、やっぱり救いが無いお話。

そして、もっとこわい絵本があった。それが今回紹介する極本「もじゃもじゃペーター」ナリ。絶版本なので図書館から借りてきた。理不尽で哀しいお話のオンパレードなんだが、情け容赦の無い強烈なラスト電波を受けて描いたとしか思えない絵がおそろしい。

「スープなんか飲まない」とワガママな子や、火遊び、親指しゃぶりの悪癖をもつ子どもたちが辿る悲惨な末路。「親指をしゃぶっているとこわい仕立て屋さんがハサミをもってちょんぎりに来る」このシーンでの仕立て屋さんのイッちゃっている目を堪能してくれ。留守番中にマッチで火遊びした女の子が火ダルマになる様子に恐怖してくれ。「ヤダ食べたくない」とやせ細っていく子どもの姿におののいてくれ。

そして、こんなに恐ろしい本が「優れたしつけ絵本」だと一家に一冊おいてあるドイツという国に恐怖してくれ。いや絶対トラウマになるって!!


…息子はあまりのこわさに本を隠してしまった。だから今から探さなきゃ

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PROBANKプロジェクト

PROBANKとは富士通が開発した次世代基幹系システムのパッケージ・ソフトウェアの名称。PROgressive BANKing solutionの略で「プロバンク」と読む。地方銀行をターゲットとした勘定系システムを再構築、1999-2000にかけて、東邦銀行など多くの導入契約を次々と結んだ。しかし、北日本銀行などが契約解消を発表する。開発が難航し、稼動開始が遅れると富士通から通告があったからだと言われている。

富士通の目算は、最初のユーザーである東邦銀行と「PROBANK」を作り、並行して他の銀行にも売っていく、というものだった。しかし、肝心の東邦銀行との開発が計画どおりに進まなかった。「遅れを挽回するため、東邦に優秀なSEを総動員した。そのため、他の銀行向けのプロジェクトが止まってしまった(富士通幹部)
(選択9月号より)

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アメリカ文化の広告代理店

「プロパガンダ株式会社」(ナンシー・スノー)を読了。ボスニア紛争で国際世論を操作する私企業をえぐったスゴ本「戦争公告代理店」みたいなモンかなぁと読んでみて、あらビックリ。米国民の税金で運営される、アメリカ万歳を世界に向かって喧伝するトンデモ組織があったそうな。

その名も合衆国情報庁(United States Information Agency)略してUSIAという。クリントン時代にこの組織で働いていた筆者の論点は非常に明確だ。

合衆国情報庁は「米国事情を諸外国に伝える」ことと「諸外国との教育・文化交流を果たす」ことを目的とし、合衆国民の税金により運営されてきた。

しかし、冷戦時代は事実上デモクラシーのプロパガンダとして合衆国以外の国に対し、ステイツの広報活動を行っていた。

さらに、冷戦後は、アメリカ株式会社の支援組織として、NAFTAのような自由貿易協定の環境整備を行うなど、ステイツの経済的利益に貢献することを主たる目的とした活動を行うようになった。

結局、政府が自国民を対象に宣伝活動を禁止する法律により、合衆国情報庁そのものの情報は、合衆国民に明かされることはなかった。

つまり彼女は、合衆国情報庁とは米国政府の公式な宣伝機関であり、「好ましい米国観」を「製造」し、世界に「輸出」することによりステイツの国益を増進させる機関だったといいたいらしい。

合衆国情報庁は1998年の省庁統廃合により、現在は国務省に統合された一組織USINFO.STATEとなっている。あいかわらず合衆国マンセーな情報を垂れ流している。

この本の読みどころは、スノーの辛口な主張ではない。好ましい米国観を外国に対し宣伝することで、民主主主義は輸出できる。ただ米国のマネをすればよいと大真面目に考え、実行してきた機関が存在するということだろう。物質的に豊かでカッコ書きだが「自由」「平等」が喧伝されている超大国。経済・軍事的に他国を圧倒する一方で、その国民として生きること自体にリスクを伴っている国。米国のマネをすれば豊かで自由で平等な国家になれるのだろうか? 半世紀ものあいだ懸命にマネをしてきた日本という国家は、歴史的にも稀有な「全体洗脳に成功した国」なんだろうなぁ…などと思ったりもする。

もうひとつの読みどころは合衆国情報庁の歴史だろう。第一次世界大戦ではその前身の組織、広報委員会(CPI:Committiee of Public Information)の活躍が面白い。この組織、ドイツを攻撃するための世論を形成するために尽力するわけだが、その見事な結果は、当時の米国民のドイツ攻撃に対するアンケート結果だろう→「あれは戦争を終わらせるための戦争だった」とか「民主主義のため世界を救うことが目的だった」とか、日本に2回も原爆を投下した理由と激しく一致していることが面白い。世論構築、合意操作の効果的な手法をちょっと解説すると、ポイントは次の通り

大衆をコントロールするためには、社会を牛耳る少数の支配者、一握りの知識人がアメリカの国民世論を上から巧みに操作する必要がある

さらに、読んでよかったなーと思ったこと。9.11以降、合衆国政府が対イスラム圏にPR活動を委託した相手はJ・ウォルター・トンプソン会長のシャーロット・ビアーズ女史だったこと。広告業界のカリスマ的存在の彼女が何十億ドルもかけて行ったPR活動はかなりお粗末な内容だったらしい。識者はとっくに知ってる話かもしれないが、私はこの本で知った。

いまや「輝かしいアメリカ」はハリウッドとディズニーの独壇場なのだろう。世界はハリウッドを通じてアメリカを知ろうとするあまり、現実の UNITED STATES OF AMERICA なり THE WHITE HOUSE に面食らうことになるのかもしれない。「ハリウッド映画」といえば歪んだアメリカの代名詞となっていることなんて、小学生ですら知っていることなのに。

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