新幹線改修プロジェクト
41億人。この40年で東海道新幹線が運んだ人数。
走った距離は15億キロ。地球<->太陽を5往復したことになる。しかも新幹線は東海道だけではない。山陽、東北、上越と全国的な広がりを見せ、台湾新幹線は来年開通予定だ。既に700系をベースとした輸出車両が海を越えている。
700トンの車両が一日何百回と超高速で行き来する。これほど酷使される土木建造物は無い。パンタグラフや線路は日々のメンテナンスで対応可能だが、橋梁やトンネル、高架といった「取り外しのできないもの」はそうはいかない。
残りの6000億円はどうするんだろ? という下世話なツッコミはおいといて、プロジェクト概要は次の通り。
期間:2018年4月-2028年3月
予算:1兆1070億円
目的:東海道新幹線の改修(鉄橋、高架、橋梁、トンネル)
前提条件:新幹線を止めないこと
日本の大動脈ともいえる新幹線。神業ともいえるダイヤ。その血管が詰まることは、日本経済の心筋梗塞に等しい。これまでの、夜間メンテナンスや応急処置とは大きく異なり、動いている昼間も含めた工事を行う…? ありえない。トップスピードの新幹線を見たことがあるなら分かるはず。どんなに目の良い列車見張員でも逃げ切れない。
となると夜間限定で、厳密な工程管理・時間管理が求められる。橋梁やトンネルなど複線化の効かないものはスライド工法が必要になる。新幹線並の秒きざみとは言わないが、工事は分刻みの対応を迫られるに違いない。始発列車も700トンの超高速だから。
当然のことながら、JR東海の子会社は皆メンテナンス用の整備会社。だから、この工事を実施するためには専門の会社を設立するところから始まる。JR東海はそこと契約を締結するのだろうなぁ… 「目的」はハッキリしているが、手段やノウハウはまるでないはず(このプロジェクトはまさに前代未聞)。従って、実費償還契約になるだろう。ゼネコンは部外者なので、今後は「プロジェクト」という視点から見守っていきたい。
余談だが、「動脈列島」という小説がある。新幹線を転覆させるテロリストの話。30年前のお話だがおもしろいよ。あの頃から新幹線の本質 [ 安全かつ正確無比 ] は変わっていない。ニッポンの誇りだと思う。
ネタ元 : 朝日新聞10/5「超高速の時代」
参考 : wikipedia新幹線
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