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「NTTデータPMO」という試み

PMOとは、恒常組織として企業内のプロジェクトマネジメント業務の品質向上に寄与する部門のこと(Project Management Office)。イラク復興プログラムオフィス(*注1)ではないし、ましてやファンタシーモナーオンライン(*注2)の略でもない。

PMOの立場は、「プロジェクトチーム」と比較すると分かりやすい。


  • プロジェクトチームは、新商品やシステムの開発といったプロジェクトの遂行・損益に対し責任を持つ
  • PMOはプロジェクトマネジメントの手法・運用に際してのみ責任を持つ

PMOという部門化によって、PMノウハウを集めやすくなったり、PMキャリアという新たな出世コースもできる。現場のコーチングやメンター制でしか培うことができない「プロジェクトマネジメント能力」を集約できることは、経営者にとっては魅力的だろう…

実現すれば、ね

斜めな言い方だと、PMOは「プロジェクト手法に責任は持つけれど、その結果は知らないよ」という部門となる。非道な言い方だと、「標準的な作り方は教えるけれど、失敗しても責任はとらん。そのときは失敗のノウハウを頂戴」という部門となる。PMPやプロジェクトマネージャの資格をもっている人が幅をきかせる部署になるような…

むかし流行した、ナレッジマネジメントやコアコンピタンス経営と同じく、横文字にハマった社長号令のもと、部門だけつくってオシマイになる予感がするナリ。

「マネジメント能力は、現場でのみ、身に付けることができる。教科書や講義ではムリ」と信じる。くぐった修羅場の数だけ、歩んだデスマの分だけ、失敗した数、成功した数だけ、伸ばすことができる能力だと信ずる。理論を疎かにしているのではない。実践が伴っていないと危険だし、現場にいないと枯れていくスキルなのだと考える。

「部長ならできます」を嘲笑ネタにしていたのは過去の話になりつつある

メロウな能力―企画調整力 より引用。

調整という言葉が意味するのは、人間関係の調整であり、利害関係の調整です。多くの意見と提案を聞き、メリット・デメリット、時間や予算の制約などをすべて考慮してバランスのいい結論を導き出さねばなりません。失敗すれば、大きな損失を生むことになりますし、あらゆる関係者から袋叩きにあうかもしれません。

この企画調整力こそ、経験と能力の積み重ねがなくては決して身につかない、いわばメロウな能力なのです。若いうちにはとても達することができない中高年ならではの能力と言えるかもしれません。

この「企画調整能力」を狭義の「プロジェクトマネジメント能力」と置き換えてみると、団塊オヤヂたちの背中を押す格好の理由となる。確かにそのとおりだ。調整力を発揮するのは、ワカゾーではなく、貫禄のあるオッサンだろう。知識とリクツだけでは、人は動かない。人を動かす方法を知っている人だけが、人を動かすことができる。そして、人を動かす方法は、(本にも書いてあるけれど)、経験を積むことにより身に付けることができる。異議のある人はも少しトシをとってくれ。

しかし、だからといってこの能力、現場を離れたところでは成り立たない。ノウハウは実践を通じて身に付け、発揮し、伝えることができる。マネージャーは現場で育てて、現場で発揮して、現場で消化され、現場を通じて伝えられていくのだ。本なんかに書いてみろ、その瞬間から古くなっていく。現場からマネージャーを引き剥がして集約しても、船頭ばかりの部門になる。

…などと考えていたら、面白い会社見つけたよ→NTTデータPMO

親会社NTTデータの報道発表によると、


  • NTTデータ100%出資の子会社
  • システム開発におけるプロジェクト管理ノウハウを集約した専門家集団
  • システム開発経験を持ち高いプロジェクト管理スキルを保有している当社OBを中心に構成
  • プロジェクトへの管理ノウハウの提供や教育、コンサルティングを手がける

… へー、PMを専門に扱う会社かぁ… スゲーなぁ…でも現場からPMを切り離してしまうのはマズいんじゃないだろうか? いやいや、外注先とのパイプを維持するために定年退職した連中を囲い込むための会社じゃないのか? どんな優秀な人がいるんやろなぁ…

… … …

… …

  • 社員数:7名(設立時)

ぎゃふん。

これって、いわゆる"あがり"会社じゃねぇかよッ

案の定というか、報道発表だけでホームページを持たない会社ナリ。いろんな匂いがぷんぷんすれど、今宵はここまでにしとうございます。

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*注1:
イラク復興プログラムオフィス(The Iraqi Program Management Office)

PMOとは、連合暫定当局(CPA)の中の組織で(指揮官はデイヴィット・ナッシュ退役海軍少佐)、イラク復興を目的としたプロジェクトの管理、監督、施行を担う。米国議会から割り当てられている予算は184億ドル


*注2 : ファンタシーモナーオンライン(PMO)

               , ○ ー - 、
            PHANTASY MONAR
               丶、ONLINE ○
                  ○-- '
 
 ∧,,∧ ゴルァ
ミ,,゚Д゚彡   ../ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
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コメント

「システム開発経験を持ち高いプロジェクト管理スキルを保有している当社OB」ってのは、やばいプロジェクトに派遣される火消し役をやってた人々です。今のところは。

投稿: | 2004.09.11 11:30

コメントありがとうございます

火消し屋部隊ですか… デスマ臨界期に投入されるスーパーマンたちですね。それならPMとは関係なく能力を発揮できそう… 体力的に心配がありそうな気がしないでもありませんが。

投稿: Dain | 2004.09.11 17:45

今は管理職およびその予備軍全員にPMP取得を義務付け、全社上げて取り組んでますね。そもそもNTTデータは取ってきた仕事に子会社やメーカーSEを集めて投入しマネジメントして儲けている(を目指している)会社なのですよ。元締めが一番儲かるから。でも結局は技術ノウハウが蓄積されず困っています。今やマネジメント論客バカがバカ高い給料貰ってマネジメントツールを駆使する(稼動を投入する)のが仕事になっている変わった会社ですねぇ。

投稿: 鉛のZEP | 2004.12.09 20:19

あ、鉛のZEPさん、コメントありがとうございます。

その会社のITゼネコンとしてのやり方は、非常に理に適っていると思います。中の人は、(オヤヂ連を除き)かなり優秀な布陣を揃えているだろうなと…

まぁ、「自覚」している分だけマシというものでしょう。その会社に限らず「社員スキルの向上に熱心な会社」であるならば、その利に乗るのが得策ですねッ

投稿: Dain | 2004.12.09 23:04

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