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チェルノブイリ旅行記

Kawasaki ニンジャを駆ってあの土地を駆け抜けたエレナの旅行記 "GHOST TOWN - Chernobyl Pictures" を読んだ。

重要なのは「バイク」であること。あそこ現在も危険地域であり、のんびりとした旅は望めない。また、道路やフェンスに積もったホコリが危険なため、車よりも小ぶりなバイクが好都合だったらしい。

彼女は行く先を訊かれるが、その場所を聞いた人の一番親切なこたえは、「アタマおかしいんじゃないの?」

彼女は、原子炉の50キロ南に住む老人と会う。ここはもう、チェルノブイリ・エリアと呼ばれている。彼はこの地にとどまることを自らから選んだか、あるいは、炉心溶解の後に帰された3,500人のうちの1人だ。見知らぬ土地で死ぬよりも、自分の家で死にたいという。自分の畑の野菜を食べ、飼っている牛のミルクを飲んで生きている400人のうちの1人だ。

原子炉に近づくにつれ、ゴーストタウンが次々と出現する。かつて村であった廃墟は地図で見つけることができない。抹消されたから。彼女はその場所に適当な名をつけてあげることにした。

ガソリンタンクの容量を確認し、修理工具をチェックする。あの場所で立ち往生することは死を意味する

彼女が目にするのは、大量の軍用トラック、キャタピラー、ヘリコプター、そして船舶の残骸…でも野生の馬がいるのには驚いた。

そしてプラントに到着する。彼女のガイガーカウンターは毎時500-3,000マイクロレントゲンを指している。最初の「石棺」は崩れ始めているため、さらに外側からコンクリート箱で囲む作業が進められている。防護服を必要とするぎりぎりまで近づいて撮った写真には、むかし新聞やテレビで見た墓標がハッキリと見える

彼女は街を歩き始める。一見ふつうの街に見えるが、1986年4月で止まったままだ。誰一人としていない。安全のため、窓、ドアは全て開けてある。なぜなら、危険なのは汚染されたホコリだから。エレベーターの扉さえ開けてある。言い換えると、全てのドアというドア、窓という窓が開いている静まりかえった街

旅行記の最後の写真は、プロメテウスの火の彫像を写している。この彫刻は、かつて街の中心にあったが、事故の後、発電所に移されたとのこと。

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…まさかと思うが、「チェルノブイリってなに? ゲームの名前?」という輩はおらんだろうが、念のためまとめておくナリ(ちなみにゲームのほうはチェルノブ)

1986年4月26日、旧ソ連ウクライナ共和国の北辺に位置するチェルノブイリ原発で原子力発電開発史上最悪の事故が発生した。

保守点検のため前日より原子炉停止作業中であった4号炉で、午前1時23分急激な出力上昇をもたらす暴走事故が発生し爆発に至った。

目撃者によると、夜空に花火が上がったようであった。原子炉とその建屋は一瞬のうちに破壊され、爆発とそれに引き続いた火災にともない、大量の放射能放出が継続した。最初の放射能雲は西から北西方向に流され、ベラルーシ南部を通過しバルト海へ向かった。

4月27日には海を越えたスウェーデンで放射能が検出され、これをきっかけに28日ソ連政府は事故発生の公表を余儀なくされた。

チェルノブイリからの放射能は、4月末までにヨーロッパ各地で、さらに5月上旬にかけて北半球のほぼ全域で観測された。日本で最初にチェルノブイリからの放射能を観測したのは、5月3日に大阪府泉南郡に降った雨水からであった。

被災者


  • 事故時に原発に居合わせた職員や消防士たち:1000~2000人
  • 事故の後始末や汚染除去作業に従事した人々:60万~80万人
  • 事故直後に、周辺30km圏から強制避難した住民:13万5000人(11万6000人という数字もある)
  • 事故の数年後より高汚染地から移住した住民:数10万人
  • 汚染地域に居住している住民:600万人以上

死者数は、公式報告は300-300,000まで変動する。非公式は400,000以上といわれている。

放射線はあと48,000年の間チェルノブイリ・エリアにとどまるが、人が住めるようになるには、600年とも900年ともかかると言われている。

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コメント

該当ページ、和訳しました。
よろしかったらご覧下さい。
訳しながら、チェルノブイリは過去なんかではなくて、現在も重くのしかかる現実なのだと感じました。

投稿: 訳者 | 2004.08.30 23:22

翻訳おつかれさまでしたっ
長文なのでタイヘンだったでしょう

写真を眺めていると、チェルノブイリは今でも確かにそこにあり、私の頭上に広がる空とつながっていること、そのつながった空間の空気を吸って、水を飲んでいるというとても単純な事実に気づかされます…

投稿: Dain | 2004.08.31 21:47

第2弾を和訳しました。
まだ前半しかアップしていませんが、ご覧下さい。

投稿: 訳者 | 2006.04.06 15:21

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