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第7章:プロジェクトコストマネジメント(その4)

ここでは、プロジェクトコストマネジメントをまとめます。
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keywords


  • 見積もりの誤差
  • 会計基準
  • 現在価値(PV:present value)
  • 正味現在価値(NPT:net present value)
  • IRR:internal rate of retur
  • 回収期間(payback period)
  • 利益コスト率(BCR:benefit cost ratio)
  • 機会コスト(opportunity cost)
  • 負債償還コスト(sunk costs)
  • 変動費と固定費
  • 直接費と間接費
  • 減価償却費
  • 定額法と定率法
  • ライフサイクルコスト

見積もりの誤差
 フェーズの進行によって見積もり精度は増していくが、実際の値とどれぐらいのブレが生じるのかは以下の通り。リアルでこんなもん、といいたいんじゃなくて、試験に出るから覚えとこ。

1.規模見積もり (-25% 実際の値 +75%)
 立ち上げ時はこんなもの

2.予算見積もり (-10% 実際の値 +25%)
 計画フェーズで見積もられた予算のブレ

3.最終見積もり(-5% 実際の値 +10%)
 最終的な(difinitive)見積もり。計画フェーズで決める

もちろん異論はあろうが、プロジェクトマネージャは、たとえ計画フェーズが終わっても上の3.は念頭においておけ、という話。

会計基準
 会計の用語や概念が試験に出るけれど、出題パターンや範囲は限定されていて、覚えるまでもない簡単なもの。しかし「IRR」だの「キャッシュフロー」だの「NPV」だの不思議な用語が頻出するので、あえて避ける傾向がある…っつーか私が避けてた。

現在価値(PV:present value)
 現在の価値…そのまんまなんだけど、例をあげる。5年後に500万円になるカネは、今だといくら? (金利が5%だとする) …という話。計算式を書くが参考として。金利がプラスなら、現在の価値よりも未来の価値の方が高い、ということさえ押さえておけば大丈夫。

PV=FV/(1+r)^n あるいは 

FV=PV*(1+r)^n

 PV:present value 現在価値
 FV:future value 将来価値
 r:interest rate 金利、レート
 n:number of time periods 時間(年)

あ、でも借金の複利計算のときに出る話だからPMPとは関係なく覚えておいたほうがよいかも… 詳しく知りたい方は、経営者のための財務管理の「現在価値とは」を読むとよく分かる。

正味現在価値(NPT:net present value)
 経営者や投資家が喜んで使う用語。ごちゃごちゃ言っているがPMPで押さえるべきはココ→NPVが高いプロジェクトを選べ! 試験にはこんな感じで出る。

 プロジェクトAとプロジェクトBから一つ選ぶ。プロジェクトAの期間は3年で、NPVは5000万円、プロジェクトBの期間は6年で、NPVは8000万円。

答えはB。プロジェクトの期間はNPVに折込済みだから、考えずにNPVの高い方が良いプロジェクト

詳しく知りたい方は、NRIの経営用語の基礎知識NPV(正味現在価値)へ。このサイトでの「正味現在価値」の定義を引用しておく。


NPVとは、ある事業から得られるであろう将来のキャッシュフローを資本コストで割り引いた現在価値から、投資額の現在価値を差し引いた金額で表されます

 しっかし、こーいうやつで○○用語の応用知識とか実践編というのを見たことが無いな。「基礎知識」「入門」ばかりやな。きっと書いたら書いた人の底の浅さが見えてしまうからだろうな(w

IRR:internal rate of return
 正確だが分かりにくい定義→IRRとは、当初の投資元本とその投資元本から将来発生する一連の収益の現在価値総額一致するような一定の収益率(割引率)のこと。

 分かりやすい説明だと→利子、利率。ここに100万円ある。預け先を考えるときに、利率が気になる。他の要素(リスクなど)が同じなら利率の高いほうに預けたくなる。試験ではこう出る。

 プロジェクトAのIRRは20%、プロジェクトBのIRRは15%、どちらかを選ばなければならないのなら、ABのいずれか?

 答えA。IRRの高いのが良い(利率の良い)プロジェクト。IRRの計算は面倒で普通はコンピュータを使って出すとのこと。試験でIRRを出せ、というのは出ない

回収期間(payback period)
 そのまんま。投資額の合計を回収額の合計が上回るまでの期間。蒔いた種とつぎ込んだ労苦が報われるようになるまでの期間のこと。試験ではこう出る。

 プロジェクトAの回収期間は6ヶ月、プロジェクトBの回収期間は10ヶ月、どちらかを選ばなければならないのなら、ABのいずれか?

 答えはA。短ければ短いほど良い。

利益コスト率(BCR:benefit cost ratio)
 「利益/コスト」のこと。NPVやIRR、回収期間と同じく、複数のプロジェクトでどれにするの? というときに使える。「あがり」のことやね。当然1より大きいということは、「利益>コスト」だから良いプロジェクト。1より小さいということは「利益<コスト」だから赤なプロジェクトやね。試験ではこう出る。

 プロジェクトAのBCRは1.5、プロジェクトBのBCRは2.5、どちらかを選ばなければならないのなら、ABのいずれか?

 答えはB。高ければ高いほど投資に対する利益が大きいといえる。もうひとつ。

 利益コスト率(BCR)が1.5とは何を意味するのか?

 A.コストが利益を上回っている
 B.利益はコストの1.7倍ということ
 C.回収率が悪いということ
 D.上記以外

 答えはB。リタ本で気になるところを書く。リタ本だとこうある

 1. Payback is 1.7 times the costs
 2. Profit is 1.7 times the costs

 どちらも同じこと言っているように見えるが、正解は1.

 payback:払い戻し、元金回収
 profit:収益、利益、もうけ

 なので、paybackが正しいように見える。つまり、投資した額の合計と、戻ってきた額の合計という意味での「利益コスト率」。payback はそのまんま売上だろうが、profit には「売上-コスト」という意味があろうかと勝手に想像。会計上のコトバで言うと、

  収益 - 費用 = 純利益 (マイナスなら純損失)

なので。

機会コスト(opportunity cost)
 うまい訳が見当たらなくてスマソ。一つを選ぶことにより、選ばれなかった方で得られるはずだったNPV。つまり片方を選んだら、もう片方は選ばれなかったことになる。その無かった分。試験にはこう出る。

 プロジェクトAのNPVは1000万円、プロジェクトBのNPVは1800万円、Bを選んだときの機会コスト(opportunity cost)はどれだけか?

 答えは1000万円。さて、たくさん出てきた「どっちのプロジェクトにする?」をまとめる。↓の一覧を押さえれば大丈夫。

光の使者
キーワードキュアブラックキュアホワイトどっち?
正味現在価値(NPV)1,000万円800万円ブラック
IRR14%16%ホワイト
回収期間14ヶ月18ヶ月ブラック
利益コスト率(BCR)3.441.5ブラック

負債償還コスト(sunk costs)
 これも上手い訳語が思いつかない。リタ本では「既に使ってしまったコスト」と説明されている。以下の問題がその例。

 予算1,000万円のプロジェクトがある。道半ばで既に2,000万円も使ってしまった。プロジェクト続行のためあと1,000万円をつぎ込むべきか? Yes/No

 答えはNo、負債償還コストはプロジェクトを「進める/止める」決定とは全く関係がない。「進める/止める」が決まった後、足が出たところに償還するコスト。激しくカンチガイする輩は、この金をプロジェクト続行のためのトレードオフとして使う。「あとこれだけ出せば完成しますよ。ここで投げたらいままでのは水の泡ですよ」ってね。デスマーチ進行中のプロジェクト受注者の態度としては政治的に正しいが、人として、仕事人としては最悪やね。

コストの種類
 コストは次の観点からいくつかの種類に分けられる。試験には用語の定義さえおさえておけばよい。労務・経理やってる人には常識かな。

変動か固定かの観点でみると、


  • 変動費(variable cost)…仕事量に応じて増えたり減ったりする費用。原料費や賃金など
  • 固定費(fixed cost)…仕事の多寡に限らず固定的にかかる費用。セットアップ費用やレンタル費用など

直接か間接かの観点でみると、


  • 直接費(direct cost)…そのプロジェクトで直接的に使う費用。交通費や賃金、原料費、研修費など
  • 間接費(indirect cost)…税金、雑費など

減価償却費
 計算問題は出ない。簿記の試験じゃないので。試験には用語の定義さえおさえておけばよい。

wikipedia「減価償却」より引用する。

 減価償却とは、長期間にわたって使用される有権固定資産の取得に要した費用を、その資産が使用できる期間にわたって配分する手続きである。英語でdepreciationという。
 例えば、企業が本社ビルを10億円で取得したとする。これを、取得した会計年度の一時の費用とすれば、その会計年度は10億円分だけ利益からマイナスとなる。そして、その翌年度以後は、そのビルについてはマイナス要素がなくなる。
 しかし、経済実態上は翌年度以後もその本社ビルを使用し続けるのであるから、取得に要した費用は、1年しか効用がないと見るのではなく、そのビルの使用可能期間に渡って応分に配分する方が合理的と考えられる。

 どのペースで減価償却していくかにより、以下の二つの方法に分かれる。国税庁「定額法と定率法による減価償却」が詳しい。試験ではこの程度で大丈夫。

定額法…償却額が毎年同額

定率法…償却額は初めの年ほど多く、年とともに減少

ライフサイクルコスト(p.216)
 代替案を評価する際に、取得費、運転費、廃棄費を含めるコストの考え方。プロジェクトの成果物を「つくる人」と「運用する人」は別人(別会社)の場合が多い。原発の廃棄費を電気料に上乗せする動きがあるが、この典型やね。「原発は安上がりですよ」と説明しポコポコ作ったのはいいが、ライフサイクルコストを考慮していなかった失敗例やね。

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