« えいえんは あるよ ここに あるよ | トップページ | かつてヒトとマシンは近いところで会話をしてた。今は違う »

第7章:プロジェクトコストマネジメント(その3)

とある記事へのアクセスが異常なくらい多い…
このPMP記事にその1割でもあったらなぁorz 気をとりなおしてと。

ここでは、プロジェクトコストマネジメントをまとめます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

アーンドバリュー関係はそれを理解しているかが重要。以下の練習問題で確認して欲しい。

練習問題1
以下のプロジェクトにおいて、PV~VACを求める。もちろん本番は選択式だが「理解しているか」を確かめるには手を動かすべし。

  • 全部で4週間のプロジェクト
  • 1工程に1週間ずつかかり、4工程で終了する
  • 1工程に100万円ずつかかり、400万円が総予算
  • 工程1→工程2→工程3→工程4の順で進められる。つまりFS(finish to start)、前工程が完了してから次の工程を始めることができる
  • 現在は3週間目が終わったところ
  • 工程1は1週間、100万円かけて完了
  • 工程2は1.5週間、120万円かけて完了
  • 工程3は0.5週間、60万円かけて半分まで達成
  • 工程4は開始していない

____第1週__第2週__第3週__第4週

工程1__□□□□____________
工程1__■■■■____________

工程2______□□□□________
工程2______■■■■■■______

工程3__________□□□□____
工程3____________■■____

工程4______________□□□□
工程4

 □作業予定、■作業実績

問1 PVを求めよ(planned value)

問2 EVを求めよ(earned value)

問3 ACを求めよ(actual cost)

問4 BACを求めよ(budget at completion)

問5 CVを求めよ(cost variance)

問6 CPIを求めよ(cost performance index)

問7 SVを求めよ(schedule varaience)

問8 SPIを求めよ(schedule perfomance index)

問9 EACを求めよ(estimate at completion)

問10 ETCを求めよ(estimate to complete)

問11 VACを求めよ(variance at completion)

答1
PV=100+100+100=300(万円)
3週間が終わった時点に割り当てられた予算の総額。3週間目が終わった時点で、300万円分の価値の仕事をしたはず…だが…

答2
EV=100+100+50=250(万円)
「その工程を完了させた」=「その工程の予算分の価値を作った」…というのがEVの根幹。工程1、2は完了。工程3の半分まで終わらせて生み出した価値の合計。実際にやりとげた仕事の価値の合計は250万円。

答3
AC=100+120+60=280(万円)
実際にかかったコストの総合計は280万円。

答4
BAC=100+100+100+100=400(万円)
総予算は400万円。

答5
CV=250-280=-30
アーンドバリューから実際にかかったコストを引いたのがコスト差異。マイナスだから30万円予算を超えている。

答6
CPI=250/280=0.893
アーンドバリューを実際にかかったコストで割ったのがコスト効率指数。これが1以下だとムダ使い。1万円の予算で8930円の価値を生み出していることになる

答7
SV=250-300=-50(万円)
アーンドバリューからその時点までの予算を引くとスケジュール差異。マイナスだからスケジュール遅れ。

答8
SPI=250/300=0.833
アーンドバリューをその時点までの予算で割ったのがスケジュール効率指数。計画の83%の進捗(本来ならば100%になるべき)

答9
EAC=400/0.893=447.9≒448(万円)
総予算をコスト効率指数で割ったのが完成時総コスト見積もり。つまり、総予算を「どれだけ効率よく消化してきたか」で割ったのが、その時点までの消化率から計算した完成時のコスト見積もり。現時点で見積もると、完成時にはトータル448万円かかることになる。

答10
ETC=448-280=168(万円)
完成時のコスト見積もりから、実コストを引くと残作業のコスト見積もり。終わらせるにはあと168万円使うことになる。

答11
VAC=400-448=-48(万円)
総予算から完成時コスト見積もりを引くと、完成時コスト差異。明らかにマイナスですな。だから完成時には48万円のアカになることが現時点で分かっている(もちろんCPIが悪化すればもっと赤字になる)

小数点以下の計算は第3位まで

練習問題2
以下のプロジェクトにおいて、PV~VACを求める。練習問題1と激しく違うのはFF(finish to finish)、つまりエンドさえあってれば良いところ。

  • 全部で4週間のプロジェクト
  • 1工程に1週間ずつかかり、4工程で終了する
  • 1工程に100万円ずつかかり、400万円が総予算
  • 工程1、工程2、工程3、工程4はパラレルで進めることができる。全工程の完了をもってプロジェクト完了とできる。
  • 現在は3週間目が終わったところ
  • 工程1は1週間、100万円かけて完了
  • 工程2は0.5週間、90万円かけて完了
  • 工程3は0.5週間、100万円かけて半分まで達成
  • 工程4は0.5週間、30万円かけて75%まで達成

____第1週__第2週__第3週__第4週

工程1__□□□□____________
工程1__■■■■____________

工程2______□□□□________
工程2______■■■■________

工程3__________□□□□____
工程3__________■■______

工程4______________□□□□
工程4__________■■■_____

 □作業予定、■作業実績

問1 PVを求めよ(planned value)

問2 EVを求めよ(earned value)

問3 ACを求めよ(actual cost)

問4 BACを求めよ(budget at completion)

問5 CVを求めよ(cost variance)

問6 CPIを求めよ(cost performance index)

問7 SVを求めよ(schedule varaience)

問8 SPIを求めよ(schedule perfomance index)

問9 EACを求めよ(estimate at completion)

問10 ETCを求めよ(estimate to complete)

問11 VACを求めよ(variance at completion)

答1
PV=100+100+100=300(万円)
3週間が終わった時点に割り当てられた予算の総額。3週間目が終わった時点で、300万円分の価値の仕事をしたはず…だが…

答2
EV=100+100+50+75=325(万円)
「その工程を完了させた」=「その工程の予算分の価値を作った」…というのがEVの根幹。つまり、完了した工程のEVはその予算分。半分まで終わっているのならEVは予算の半分、75%なら予算の75%分…の合計。

答3
AC=100+90+100+30=320(万円)
実際にかかったコストの総合計。工程1-4はパラレルだから使った分を全部足せばよい。

答4
BAC=100+100+100+100=400(万円)
総予算は400万円。

答5
CV=325-320=5(万円)
アーンドバリューから実際にかかったコストを引いたのがコスト差異。プラスだから費やしたコストよりも生み出した価値が高い(効率が5万円分良い)

答6
CPI=325/320=1.016
アーンドバリューを実際にかかったコストで割ったのがコスト効率指数。これが1以上だから効率よく使っている。1万円を使って10160円の価値を生み出したことになる。

答7
SV=325-300=25(万円)
アーンドバリューからその時点までの予算を引くとスケジュール差異。プラスだからスケジュールより進んでいる。

答8
SPI=325/300=1.083
アーンドバリューをその時点までの予算で割ったのがスケジュール効率指数。計画の108%の進捗。8%分進んでいる。

答9
EAC=400/1.016=393.7≒394(万円)
総予算をコスト効率指数で割ったのが完成時総コスト見積もり。つまり、総予算を「どれだけ効率よく消化してきたか」で割ったのが、その時点までの消化率から計算した完成時のコスト見積もり。現時点で見積もると、完成時にはトータル394万円かかることになる。予算の400万円より安く済むのは、コスト効率指数が1より大きいから。

答10
ETC=394-320=74(万円)
完成時のコスト見積もりから、実コストを引くと残作業のコスト見積もり。終わらせるにはあと74万円使うことになる。

答11
VAC=400-394=6(万円)
総予算から完成時コスト見積もりを引くと、完成時コスト差異。6万円のプラスだから、完成時には6万円分予算を下回っている。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
PMP試験対策の目次に戻る
--

|

« えいえんは あるよ ここに あるよ | トップページ | かつてヒトとマシンは近いところで会話をしてた。今は違う »

コメント

Dainさん、こんばんわ、

遅くまでお疲れ様です。私も寝れなくなってごちゃごちゃやってました。

http://hidekih.cocolog-nifty.com/hpo/2004/05/a_place_to_love.html#case01

さすがに、このモデル作ろうかなとおもったら、難しくて眠くなってきました。

さて、本題ですが、私も本業の建設業の方で、本来プロジェクトマネジメントは、関係してくるはずなのです。かなり共通点があることは確かだと思っています。今度よぉく、Dainさんの「プロジェクトマネジメント」を読ませていただきます。

ありがとうございます。

投稿: ひでき | 2004.05.24 02:40

こんにちは、ひできさん

PM(project management)の本家は建築・建設業だと思います。そのノウハウをSI(system integrate)に取り込んでいるのが昨今の風潮です(PMPの教科書が翔泳社から出ていることが証拠)。

PMPの教科書
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4798103039/ref=sr_aps_b_6/250-3599702-3093867

私のPMシリーズは「PMP資格を取る」ことを目的としたものなので、読みものとして面白くないかもしれません…

投稿: Dain | 2004.05.24 09:32

細かいところをついてすいません。

>答7
>SV=325-300=250(万円)

答えの0はひとつ多いですよね。

投稿: ペーすケ | 2004.10.30 22:35

あ、その通りです。ご指摘ありがとうございます、ペーすケさん
この連載をキチンと読んで頂いているだけでもとても感謝しています。ましてや誤りを教えていただけるなんて

投稿: Dain | 2004.11.01 19:06

誤> EAC=BAC/CPI
正> EAC=AC+(BAC-EV)/CPI ではありませんか??

投稿: チャン | 2015.04.21 09:36

>>チャンさん

ご指摘ありがとうございます。どちらも正かと。
参考:PM Study Circle
http://pmstudycircle.com/2012/05/estimate-at-completion-eac-a-project-forecasting-tool/

投稿: Dain | 2015.04.25 09:47

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 第7章:プロジェクトコストマネジメント(その3):

« えいえんは あるよ ここに あるよ | トップページ | かつてヒトとマシンは近いところで会話をしてた。今は違う »